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第12話 強者

 俺はゆっくりと魔物たちに向かって歩きながら拳銃を背中から取り出す。

 そしてそのままの流れで発砲。俺に向かって走ってきた狼の脳天をぶち抜いた。

 その一撃で狼は絶命、牙だけ残して灰となって消え去った。


 前から思っていたけど、あの消えずに残るものはなんだ?


「さてさて、次はお前らか?」


 今度走ってきたのは人間のような見た目の龍。いや、トカゲか?

 剣や弓を持った奴がいる。剣を持っているやつは俺に向かって突撃してきて、弓を持ったやつは遠くから俺を狙ってきている。

 まずは近くに来ている剣を持ったやつと対峙することにしよう。

 四方八方を囲むように立っているものの、その程度の包囲じゃ、まだ届かない。

 一斉に俺にせめて来た瞬間に俺はジャンプして一体を利用してさらに高くへとジャンプする。


 そしてそのまま狙いを合わせて次々と発砲していく。その全てが頭に直撃、一発でどんどんと倒す。

 すると、視界の端で弓兵が俺を狙ってきているのが見えた。この光景はまるで警察が俺に銃を向けて来ているようだった。


 だけど、その弓は――


「悪いな。あいつらの方が早かったんだよ」


 弓を放つ前に次々と俺は発砲して倒していく。

 あいつらの方が照準を合わせるのが早かった。だからヒヤヒヤした場面はあったよ。まぁ、今みたいに銃撃戦になることは無かったけどな。俺が撃たないから。

 だけど、俺にとってはどんな奴でも欠伸が出るほどに遅かった。


「お、おい、あいつは何者なんだ!?」

「……分かりません。ですが、相当な実力を持っていることは確かだと思います」


 近づいてきたやつにはナイフを取り出して首を掻っ切る。

 俺は近距離でも遠距離でも戦える。どうやら魔物たちは知恵があるようで、銃で遠距離攻撃する俺を見て近づけば俺に攻撃できるとでも思ったのかは知らないけど、近づいてきたところで無駄だ。近づいたからって俺に勝てるとは思わないことだな。


 右で銃を構え、左でナイフを構える。これが俺のスタイルだ。


「さて、俺に攻撃を入れることの出来るやつは居るか?」


 その瞬間、足元になにやら円形状の絵が出現し、光始めた。それは俺の勘で危険なものだと言うのは直ぐに判断したので、その絵の中から直ぐに脱出した。

 その直後、その絵の中に炎の柱が上がった。


「魔法だと!?」

「どうやら魔法を使える敵まで潜んでいるようですね」


 魔法か……大輝の話に何度も出てきたことがある。実際に見るのは初めてだが、確かにこれに直撃するのはやばそうだな。

 弓とは違って予備動作が全く分からない。魔法を使えるやつを先に倒そうとしても、俺には見分けがつかない。


「あー、この世界だけのシステムとか面倒だ。とりあえず殺せばいいんだろ? なら答えは簡単だ」


 殺しで負ける気は毛頭ない。

 次々と現れる絵。それを全て回避してどんどんと数を減らしていく。あっちへ跳び、こっちへ跳び、相手を撹乱してどんどんと倒していく。

 かなり減ったと思うがまだまだ敵の数は居るようだ。だけど、簡単に終わったら面白くない。この命をかけた戦いは向こう世界では無かったからワクワクしている。


 この緊張感、他では味わえない。


「もっと、もっと楽しませてくれよ!」

「サツラさんがバーサーカーになってしまった!」

「だけど、確かにあの男は強い。恐らくこの国の誰よりもな。この国に、この量の敵を倒せるやつは……いや、過去に一度居た。だが、今はこの国に居ない。そうなると、あいつがこの国の希望なことには間違いない」


 これでだいたい半分くらいだろうか。

 無駄に多いだけで確実にやばいと言うのはいない。魔物たちも人員不足なんだろうか? ん?

魔物だから魔員不足?

 まぁ、どっちでもいいか。


 そしてもう一発発砲する。それと同時に魔物たちは一気に消滅してしまった。


「ん?」


 俺は今一体倒しただけなのに俺の視界内の魔物が全て消滅してしまった。

 これは確実におかしい。俺以外の者が介入してきたのか? いや、この嫌な気配は確実に俺に味方ってわけじゃないだろう。

 というか、それで隠れたつもりなんだろうか?


「そこだっ!」


 俺は振り向きざまに虚空をナイフで切る。だが、その一撃は何にも当たらなかった。

 今度はバックステップでその場から飛び退いてから拳銃で三発射撃する。だが、それも虚空を切るのみだった。


「はぁ……姿を消すことが出来んのかよ。面倒だな」

「へぇ、分かるの?」

「人の気配に俺は敏感でな」


 しかし、今のが当たらなかったのは痛てぇな。今ので弾切れだ。

 こっちに来る前に複製しておくべきだったか……。


 すると、目の前に一人の黒服の少女が出現した。頭には角のようなものが生えている。

 初めて見る見た目だが、邪悪なものだと言うのは一目でわかった。そして、今回の元凶がこいつだと言うことも。


「初めまして。私は魔族のグーヴェル。人間のあなたじゃ到底届かない存在」

「へぇ……なるほどね。遂に主犯が登場って訳か……悪いけどね、俺は敵を討伐するっていう依頼を受けてるんだわ。つまり、お前も討伐対象って訳だ」

「ふふふ、面白い冗談ね。私を討伐? 人間ごときができる訳が無いでしょ?」


 俺が自分を討伐出来ないと思って嗤うグーヴェル。

 この世界基準で言ったら上位種族、人間じゃ勝つのは厳しい相手なのかもしれない。この世界の基準なんて知らないけどな。


「笑わせてくれたお礼にせめて苦しませながら殺してあげる!」

「さて、それじゃあこっちも俺流の殺しを見せてやろう」

 さて、最初の強敵としては強すぎるような気がしますが、魔族のグーヴェル登場です。

 しかし、殺羅は弾切れ、ナイフ一本で勝てるのでしょうか?


 実は今回と前回は合わせて一話として投稿しようと思っていたのですが、少し長くなりすぎたので、分けることにしました。

 まぁ、長くてもそのまま投稿しているのもありましたが、これはキリがいいので分けました。

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