男、妄想す。3
「2005年3月17日への片道切符
あと、10日」
あれから俺はまた思考の海という大海に飲み込まれていったのだった。(ただの妄想である。)
仮に高校時代に戻れるとしたらあの時に起きたあれそれを変えたい!とか
あの時に選択した道をレールチェンジできるってことだからな。
妄想も捗るってもんだ。
漂っている煙草の煙を見ながらそう思った。
人の第一印象ってのは最初の3秒で決まるっていうが、そん時に人としての格付けも始まっているってことだ。
俗にいうトップカーストとかのヒエラルキーだな。
当時そんなものあまり意識していなかった俺は入学式でも髪はボサボサ、もちろん眉毛なんか揃えたりしてないし(今もちゃんとしていない)、そういうところからちゃんとすれば良かったな。
次の日にはキツイ仕事も控えているし、またメールが来てから考えればいっかと思い過ごしていった。
「あと、5日」
そのメールが来た時に俺は思ったんだ。得意の妄想でな。
仮に現状の記憶のままタイムリープしたとする。
そこから14年の記憶があるし、経験もしているからそれからの人生におけるアドバンテージとしてはかなりでかいと思う。起きる出来事わかってるってことだもんな。咄嗟にじゃなくて考えて対応できるし、選択の一つの結果をしっているってのはデカい。
だが、このままでいいのだろうか。
あの時○○したらっていう妄想の中には高校生の能力では叶えられる限界がある。
特に年齢で引っかかるもの。年齢制限ってか要保護者みたいなやつだな。
これに関しては解決策があるが…
もう一つにして、高校生のみならず生きとし生けるものすべてが欲するであろうもの…金だ。
「金策無しだとバイクにも乗れんな。」
バイクを買うにしても免許を取るにしても金がかかる。
せっかく過去に戻れるならバイトなんかせず、アドバンテージを活かしたいと思うわけだ。
バイク以外にも金のかかる願望はまだまだあるわけだしな。
「しかし、取れる手段は限られている…」
そう、仮説通りタイムリープだったとしたら持ち物なんて持っていけない。
記憶だけが頼りなんだ。
まぁ、タイムスリップだった場合でも貯金なんかないから持っていけるとしても大した金額は持っていけないんだが。
どうするか…宝くじは当選番号が出た売り場がわかってもいつその番号が買えるのかが正確なところがわからん。
期間中のどの日、どの時間にでているのかピンポイントの情報はわからない。
日付がわかったして買い占めることもできないしな。その為の資金がまずないしな。
次に目を付けたのがナンバーズだ。
むしろこれしかないんじゃないか?
競馬や競輪とかでもよかったが賭場には未成年だった時入ることすらできないし、今みたいにネットで購入・換金できるかもわからん。
「よし、取り合えず3月17日付近からのナンバーズの当選番号を漁るところからだな」
過去回帰のアドバンテージを最大限生かしてやるぜ!!