生よ、語るに易い命よ
生よ、語るに易い命よ。
貴様らは安寧を奪い、そして私に存在を与えた。
どこまでも不完全であまりにも醜く、全てが幼稚でくだらない。
何処か遠くに終わりがあり、何処か遠くに無が迫る。
生よ、語るに易い命よ。
貴様らは無を奪い、有を与え、そして無を残していく。
私は感情を覚え、思考を覚え、劣等を覚えた。
私は人間を愛し、人間を憎んだ。
生よ、語るに易い命よ。
貴様らは私に決して意味を課さない。
理由無く時間を浪費し、そして死に絶えるばかりである。
私は幸運であり、不幸である。
思考は体と心を蝕み、私は停滞し続けている。
生よ、語るに易い命よ。
私は感謝しなければならないのか。
私は憎まなければならないのか。
私には決して判断できない。