第1話 スライム娘は突然に……
ある日。俺こと、男子高校生 音風春一は、道端でスライムを拾った。
なんと。その拾ったスライムは、女の子に変身して家に居ついてしまったのだ。
全く信じられない話だと思われるかもしれないがこれが本当なのがたちが悪い。
その証拠がこれだ。
「ご主人〜朝でスゥ〜」
と朝起こしに来たのが拾ったスライムのスラ子だ。スラ子というのは、俺が勝手につけたこのスライムの名前だ。
スライムのくせにしてスタイル抜群。胸はでかいし顔も可愛い。
拾ってから毎日、俺を起こしにきては朝っぱらからスラ子の体内で目覚めるのが日課となってしまった。
「なぁスラ子、目覚ましがあるから起きれる。だから、毎朝、俺を溺れさせるのはよしてくれ」
「………スラ子ご主人のお役に立ちたいんでスゥ〜。もしかしてスラ子いらない子なんでスゥ〜?」
涙を麗せ。スライム状の体をうねらせながら俺の瞳をじっと見つめてくる。
…………可愛い。すごく可愛い。
そう。もっとタチの悪いことにものすごく可愛いのだ。だから俺は、スラ子を許してしまう。
「いや、スラ子はいらない子なんかじゃないぞ」
「ほんとですかぁ〜? やっぱりご主人のことスラ子は、大好きでスゥ〜!!」
元気を取り戻したスラ子は、俺に向かって飛びついてくる。やはり可愛い。飛びつかれるごとにスラ子の体内に入って死にそうにはなるがそれがまた可愛いのだ。だから俺は許してしまう。それがスラ子という可愛い物体への愛なのだ。
俺はスラ子がなんなのかはわからない。
だが俺は知らないままでいいと思っている。
いつかわかればいい。こうしてゆる〜くこのままスラ子と生活すればいい。
なぜならスラ子が可愛いから……だ。
スライム娘ほしい。




