I loved you
もし、自分が最期の時を迎える時…
アナタは誰を思い浮かべる?
家族?
恋人?
友人?
もし、最期に神が願いを叶えてくれるなら、アナタは誰に会いたいと願う?
俺は…
貴女の声が聞きたい。
貴女の笑顔が見たい。
貴女に触れたい。
そして、貴女に言いたい事があるんだ。
とっくに吹っ切った筈の貴女。
今、俺は違う人を愛している。
それなのに、きっと俺は最期の最期で、貴女が脳裏によぎるんだ。
貴女とは運命の出会いをしたわけでも、衝撃的な出会いをしたわけでもない。
ただ、いつのまにか一緒にいた。
友として。
仲間として。
貴女は、いつも輝いていたな。
そして俺は、いつのまにか貴女を好きになっていた。
だが、この思いを伝える事は出来なかった。
俺はこの思いを封印する事に決めたんだ。
伝えたら、壊れてしまうから。俺にとって貴女は、かけがえの無い存在。
失いたく無かった。
貴女が居なかったら、俺は今、ここには居ないだろう。
俺を救ってくれた貴女。
たとえ、貴女が俺を友達としか見ていないとしても、側で笑い合いたい。
酒を飲んだり、くだらない話をしたり…
この関係が壊れてしまうくらいなら、俺は…
そんな風に過ごしていたら、いつの間にか貴女の存在は、家族よりも、友人よりも、愛する者よりも、大きくなってしまった。
きっと、これから先、貴女以上に愛する人はいない。
でも、愛してるとは言わないよ。
本当に大切だから…
『愛してる』
この台詞は言わない。
今も、これからも、ずっと貴女は俺の大切な人。
かけがえのない人。
俺は貴女を幸せにする事は出来ないが、貴女の幸せを、誰よりも願ってる。
もし、俺が先に逝くなら、その時は言わしてくれないか?
最期の我儘を許してくれないか?
『愛してる』
いや、
『愛してた』
と。
俺の自己満足な思いです。最後まで読んで頂いて光栄です。ありがとうございました!