ゲームぐらいしか楽しい事が無い。
かなり暗いです。
でも次からはまた明るくしますよ。
今日も今日とてログインしてしまう。エターナルオンライン。
このゲームをやっても、実生活に何の利益も無いんだけどね。ゲーム内のRMTは禁止だし、もしバレたら即垢BANだし。逆に課金考えたら、実生活に使った方がずっと良いだろう。
でも、その実生活でお金を使う趣味が、俺には無いんだ。年齢イコール彼女いない歴だし。高校の頃の友達も、みんな都会の大学に行ってからは連絡も無い。会社の同僚は、40過ぎのオッサンだけで、全員マイカー通勤だから飲み会も無い。事務のオバチャンはいるが、娘さんは結婚してるし、お孫さんはまだ5歳だ。
学生の頃に、もっと運動したり、趣味があったらなあ、と今更思う。でも、その頃の俺は、ひたすらプログラムを組んでいるのが楽しかったんだ。人付き合いは得意じゃ無かったし、丁度インターネットの新技術とかが流行り出した頃だったんだ。新言語とかいっても、要はフローからのコーティングが違うだけで、後は新機能をどう使うか、という工夫をするだけだった。
ここで俺の人生、根本的に間違ったんだよな。まだ学生だからと思って、商業的なソフト開発の手法は、一切勉強しなかった。
地元の友達も誰もいない、二浪して辛うじて入った地方大学二年の夏。俺の腕は思うように動かなくなった。キーボードの使い過ぎかと思って、近所の整形外科に通った。リハビリを一年続けたけど、一向に良くならない。
流石に就職に影響すると思って、大学病院を紹介してもらった。
そこの先生が言うには、
「君、これは整形外科の範疇じゃ無いよ。神経内科の分類だ。」
MRI検査の結果、そうだったらしい。すぐにその病院の神経内科の先生を紹介して貰った。
神経内科の先生が絶望的な事を言ったよ。
「君、症状が出てすぐに受診すれば、充分回復出来ただろうに。一年もほっといたから、もう神経が死んじゃってて、回復は見込めないね。」
「でも、ステロイド治療で、現状は維持できると思うよ。やってみるかい?」
その半年後に、俺の腕は何とか動くようにはなった。でも、かっての華麗なブラインドタッチはもう出来ない。
これで俺の第一希望だったIT企業への就職も絶望的になった。
でも、俺には大学で学んだ業務の論理的構成の知識がある。小規模だが、商社への就職は出来た。
その商社が、就職後一ヶ月で破産した。何でも、どっかの国の大きい銀行が破綻して、世界的に突然発生した不況のせいらしい。俺は失業保険ももらえずに、再雇用先を探す事になった。
当然蓄えも無く、仕事を選んでいる暇もなかった。
どこの会社も経営が厳しいみたいで、二流商社勤務だった俺を採用してくれる会社は無かった。
もう業種を選んでられない。派遣だけど、地方の製造業の、事務の仕事を見つけた。
社長はいい人で、俺の給料を規定より上げてくれた。やはり元商社マンって所が効いているんだろう。
で、俺は今、社長が上げてくれた給料を、全部エターナルオンラインに注ぎ込んでいる。
作者の実体験っぽい話ですが、実はほぼ実体験です。
年齢は違うけどね。
老婆心ながら、トラックボールは使わない方が良いよ。
あれは親指に負担がかかり過ぎるから。