357 閑話 マイル七つの必殺技
【マイル様、『必殺技』の件なのですが……】
突然、ナノちゃんがそんなことを言いだした。
「必殺技? 何よ、それ?」
マイルには、何のことだか分からない。
【ほら、以前お使いになったじゃないですか、『素単眼』とかいうのを……】
「ああ!」
そういえば、そんなのもあったなぁ、と思い出して、ポン、と手を打ったマイル。
【確かあの時、『七つの必殺技のひとつ』とか言われていましたよね? 残り六つはどうなったのかと思いまして……】
確かに、あの後、ナノちゃんとの世間話でそんなことを言った記憶がある。
しかし、そんなことを言われても、あれは勢いで言ったハッタリというか、冗談なので、実際にはそんなの何も考えていない。
キン肉マンの、『48の殺人技』とか、『超人一〇二芸』とかと同じである。
「いや、カッコいいから適当に言っただけで、他には何も考えて……」
【【【【【【【えええええええええ~~っっ!!】】】】】】】
「ぎゃあああ! な、何事っっっ!!」
実際の声ならばともかく、直接鼓膜を振動させての会話で、大勢の叫び声を同時にぶっ込まれたのでは堪らない。思わず、耳を押さえて悲鳴を上げるマイル。
【そ、そそそ、それは困ります!】
「え、困るって、何が……」
【既に、マイル様の必殺技のエフェクト担当者のオーディションの準備が進んでおり、来週にはテープオーディションが行われる段階ですよ! いったい、どうしてくれるんですか!!】
「知らないよっっ!!」
何だか、自分が知らないところで勝手に話が進んでおり、パニクるマイル。
【ま、まだ間に合います!】
「あ、なんだ……。じゃあ、すぐに中止の手配を……」
【急いで、みんなで残り6つの必殺技を考えれば……】
「そっちですかっっっ!!」
【『素単眼』の派生技で、連射する『魔神眼』というのは……】
〔位相光線を数に入れては……〕
{メーサー殺獣光線!}
《馬鹿力!》
[忍法 投げキッス!]
≪もろ肌くずし!≫
〈悩殺、『真珠の涙を浮かべたら』!〉
「どうしてお色気方面へシフトしていくのですかっ!」
【……お色気?】
〔…………〕
{…………}
《…………》
[…………]
≪…………≫
〈…………〉
「何ですか、その無言はっっっっっ! そして、どうして鼓膜振動で会話しているのに、無言が表現できるんですかああああぁっっ!!」
【みんな、少しは『適役』とか、『ミスキャスト』とか、『無いものねだりは、しても無駄』ということを認識して……】
「うるさいですよっっっ!!」
このあと、怒り狂ったマイルは、1週間ほどナノマシンの語り掛けに返事をしなかったという……。
この話は、書店特典用にと考えていたものなのですが、『マイル七つの必殺技』の話は以後に出てくる可能性があるため、一部の読者さんの眼にしか触れない『書店特典』という形にするのはマズいかも、と考え、本編に回すことに……。
そのため、今回は短くなっています。(^^ゞ
「書店特典や、初版特典(初版本には全て挟み込んである、特典SS)というのは、こんな感じ」という、サンプルとして……。(^^ゞ
書店特典の文字数は、これが最低量で、これから1.6倍くらいまでの間に収めることになっています。……時々超えちゃいますけど。(^^ゞ
書籍書き下ろし短編は、SSではなく短編なのでもう少し長く、概ね、「なろう」更新の1話分か、それよりやや長い程度となっています。
その他の加筆や修正もしておりますので、書籍版の方も、よろしくお願い致します!(^^)/
続きまして、お知らせです。
こみの工房さんのブログに、『ワンダーフェスティバル2019冬』にデビューしますカオルフィギュア展示用塗装品の写真がアップされました。(3枚)
パンツ(ドロワーズ)が、むちむちの脚が、そして全体像ががが!!(^^)/
……しかし、これ、本当にそんな安い値段で?(^^ゞ
カオルの晴れ姿、写真だけでも見て戴ければ……。
そして、皆様にお願いです。
昨年、新規実装されました『誤字報告機能』による誤字報告、いつもありがとうございます! あれは修正がクリック2回のみで済むため、非常に助かっています。
しかし、ここで、再度お願いが……。
以前にも書きました通り、誤字報告で、訂正の他に、「ここは、〇〇ですので」とか、「〇〇すべきだと思います」等のコメントを書き加えられておりますと、その誤字報告は『採用』、つまりクリック2回で自動的に修正処理するわけにはいかず、『削除』、つまり不採用にせざるを得ません。
なぜならば、そのコメントも自動的に本文に加筆修正されるから、絶対に『採用』をクリックするわけにはいかないのです。(^^)/
誤字報告は、『そのまま、そのように本文が自動的に修正される』という状態でお願いします。
でないと、せっかくの御報告、せっかくの自動修正機能が、何の意味もなくなってしまいますので……。
この機能、とても便利なのですが、御報告戴いた訂正案を作者が手直しすることができないため、「採用」か「削除(不採用)」のどちらかしか選択肢がないのです。
よろしくお願い致します!(^^)/