プロローグ:CAMP
20~30話で完結予定。
少なくとも2日に1度は投稿します。
~CHILD ANOMALOUS MUTATION PHENOMENON~
「児童超常変異現象」
それは現在の世界において、もっとも重大な問題の一つである。
およそ15歳以下の子供が突如として怪物と化し、不可思議かつ凶悪な能力で人を襲う。
万有引力、質量保存などの科学の基本法則さえ無視する変化と異能。最初の1年間に日本国内で1万件余りが発生し、犠牲者は10万人に上った。
パニックによる暴動、さらには内戦の勃発にまで至る国があったことを踏まえれば、それでもまだ日本は幸運であった。
警察と自衛隊による変異者への迅速な対応。さらには多くの災害現場で蓄積された治安維持のノウハウ。加えて、予期せぬ災害の中にあっても秩序を失わぬ国民性。
そう言ったものが奏功した。
当初こそ、混乱が大きかったが。大規模な暴動などは発生しなかった。
政府は翌年、警察と自衛隊の対策部隊を統合し、新たに「児童超常変異現象対策庁」を設置。
同時に「児童超常変異現象特別措置法」を制定。これにより国内の未成年は全員体内にマイクロチップを埋設され、現在地と健康状態を監視されることとなった。
一部、人権団体が反対運動を繰り広げたが政府はこれを強行。
一時、議論を呼んだ特措法だったが、結果からみて、その効果は疑いようがなかった。変異者の発見の迅速化が進み、対応も効率化。
日本は一応の平穏を取り戻したのである。
そして、
誤字脱字などにお気づきになりましたら、教えていただけるとありがたいです。