8/28
7
普通に生きてきた筈なのに、どこをどうしてだか無理矢理連れて来られて妖魔にされて。人間の為に戦えと言われ、それが終わればお払い箱。
例え人間の頃の記憶が曖昧でも、カラダもチカラも完全に妖魔だとしても。
心の中までは完全に妖魔ではない。
「妖魔のチカラはすげぇけどよ、必要が無くなれば死ぬだけ?……はっ、笑えねぇわ」
「そうだよねー。俺も納得行かないし、死んじゃうのはヤだなー」
「だったら妖魔として生きるだけだ。北だろうが南だろうが生きてやる」
眠りから目覚めて妖魔に生まれ変わった途端に使い捨ての道具。
そんなのは。
「間違ってる。ココの連中の考えは……その上で踏ん反り返って眺めてるだけのヤツらの考えは。だから」
「そうですね」
ここにいる七人の目的。
それはこの日この夜から当初の目的とは全く違うモノになる。
そしてその後、皆は連中に隙を見せなくなった。
見かけは従順な戦士。
だけどその裏に隠した目的は決して表には出さなかった。
「笑っていられるのも今のうちだ……せいぜい長く生きられるよう努力するんだな」
そんな時だ。
『―――……』
「ん?」
声が、聞こえたのは。




