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「おいおいアスカぁ!俺たちゃもうヒトじゃねぇぜ?妖魔だよ、よ・う・ま!」
「わーってるよウルせぇな」
「しっかし、妖魔のカラダってのもチカラってのもすげぇな!人間の体力よりも魔力よりも何倍もありやがる。俺は早く戦いたくて仕方ねぇぜ!」
「はぁ……マロウルは悩みってのが少ねーのな」
このよく喋る五月蝿いマロウルのように、同じく妖魔となった者達はあまり物事にこだわってはいない。
かく言う自分だって同じなのだ。
ココの連中をえげつないとは思うが、だからといって逆らえば始末されるだけ。人間だった時の記憶も曖昧だから、この可笑しな現実を自分でも驚く程素直に受け入れていた。
だがそれは暫くして皆意見が変わっていく事になる。
「二人とも、そろそろ時間ですよ。行きましょう」
そうおっとりと言ったのはリュイエンという男だ。
七人の中でも一番の現実主義者。己の立場を良く理解して、世渡り上手というかココの連中にも受けが良い。
緑銀の髪に金茶の眼で、自分よりも若干年上にも見える。
実のところ皆年齢は思い出せていなかった。研究員も特に教えてはくれなかったし、妖魔は寿命がとんでもなく永いらしいので必要無いと思ったのかもしれない。
ちなみに髪もとんでもなく長い。これは妖魔全てがそういうものだからのようだ。長すぎて面倒くさいが大分慣れた。
髪の色は全員違うが、共通して言えるのは金属めいた色あいをしている事でこれも妖魔の特徴の一つだ。
眼は赤と金茶の二種。
自分は赤眼だがリュイエンとマロウルは金茶だ。
マロウルは髪も金茶色をしている。全員似通った黒いローブのような物を着ているが、それを自己流に着崩している辺りこの男にはこの男だけの世界があるようだった。
後は双子が一組。
姉のヴィオペルーシェは紫銀の髪に赤眼で目がデカい。よく喋る女だったがマロウルよりはマシだ。
弟のクロワーテルは一言で言えばよく分からない奴だ。赤眼で鋼色の髪だが前髪が長くて表情が読めないし、姉とは対照的にとにかく無口だった。
それ以外に男が二人。
青銀の髪に赤眼の男がハービヒト。七人の中で一番年下に見えるこの男はとにかく明るく楽天家で、人懐っこい。
そして最後にグラーレント。寡黙でシブい感じの男だ。灰銀に金茶の眼、更に髭が似合いシブさに磨きがかかっている。




