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「コード〔No.1〕アスカ。性別男、赤銅髪、赤眼。身体能力値、魔力数値共に基準値以上。その他検査結果……」
淡々と機械のように言葉を発する白衣の男。
男の言葉にさして興味は無かった。
何が何だか今だよく理解出来なかったが、どうやら自分がヒトではなくなったのは確からしい。
頭痛が治まった後に朧げにだが思い出した事もある。
確かに名前はアスカだ。
よく覚えてはいないが、恐らく大陸の東の方で暮らしていた気がする。
家族とか周りの人間は思い出せなかった。
ただ、海のイメージはハッキリと浮かぶ。海沿いの村だか街だかに住んでいたのかもしれない。
だがそれも今となってはどうでも良い事だ。
「コード〔NO.2〕リュイエン……」
あの時の男が言っていた通り、目覚めた場所を改めて見渡せば自分の他に六人がいた。
男が五人、女が一人。
自分を入れれば全部で七人。
皆同じく今喋っている奴等に勝手に妖魔とやらにされた元人間達だ。
今はその目が覚めた時にいた場所を出され、よく分からない機械を前にありとあらゆる検査を受けた後だ。
話を聞く限り、自分達七人は見事に『実験』に成功したらしかった。




