私が幸せになってもいいのですか?
私は名無し、この家サタナージュ家に生まれた妾の子だ。今年で16歳になる。妾の子なので、名をあたえられず、満足なご飯も食べられず、給料なしのただ働きで家のほとんどの家事をしている。名をあたえられていないことからも分かる通り、私は嫌われていた。暴力は日常茶飯事で、体はとっくに限界を迎えていた。今でも生き残っているのは、超健康というスキルのおかげだった。この世界では生まれるときに一人一つのスキルをもって生まれる。私のスキル、超健康はどれだけ栄養不足でも、傷ついていても、魔力さえあれば回復するというものだった。魔力の量も膨大なので、今までに尽きたことはなく、サタナージュ家の壊れないサンドバックと呼ばれていた。
バコッ ドゴッ
「ぁがッ」
「ちょっと、毎回言っているわよね?声を出すなと。お前は私達サタナージュ家の壊れないサンドバックなのよ?サンドバックがしゃべっちゃダメじゃない!」
バキッ
「,,,ッ‼」
「あら?もしかして骨が折れちゃった?最近折れやすいわね?夕ご飯に血が混ざってほしくないし、また明日にしよーっと。」
そう言ってこの家の一人娘、レシーナ・サタナージュは去っていった。
ーあぁ、今日も生き残ってしまった。なぜ私は死ねないのだろう。魔力なんて少なければよかったのに。ー
数十分後名無しは立ち上がった。
まだ痛むが、仕事が終わらなければ骨が皮膚を貫通するまで殴られるのだ。それをまた体験したくないので、痛む体を無理やり起こして厨房へ行った。
「今日は、肉料理の日ね。」
サタナージュ家には、名無しとサタナージュ家の世話役しかいない。裕福だが、私にいろいろな仕事を押し付けて苦しむ姿が見たいそうだ。
トントントンッ ジュ―ッ
ささっと料理を終わらせ、すべての料理をワゴンに乗せ、食卓へ運んだ。
コンコンコンッ
「料理をお持ちいたしました。」
食卓へ入ると、そこにいる全員がこちらを見た。
家主のオルレアン・サタナージュ、その妻のレーナ・サタナージュ、息子のデルケ・サタナージュ、そして先ほど私を殴っていたレシーナ・サタナージュだ。
「今日の夕食です。」
一人一人の目の前に食事を置いていく。
レーナの前に料理を置こうと前かがみになると、隣に座るデルケに腹を殴られた。
「ガハッ!」
「キャーー‼何すんのよお兄様!私に料理がかかったじゃない‼殴るなら料理を置いてからにしてよね。」
デルケは怒った顔をしている。
「チッ、うるせーな。今日はやなこと会ってイラついてんだよ‼」
ダンッ
オルレアンが机をたたいた。
「食事の時間だ!静かに食べろ‼お前は新しい料理を持ってこい‼」
「はい。」
私は急いで厨房へ戻り、新しい食事を作ってレシーナの前に置いた。
そして、急いで自分の部屋へ戻った。
ーあぁ、また今日私はデルケ様に夜中に殴られに来るわね。ー
デルケはよく、嫌なことがあると夜中に名無しの部屋に来て名無しを殴っていく。レシーナと違い、骨が折れようと殴り続けてくる。
だが、今日はどれだけ時間がかかってもデルケは来なかった。
ーデルケ様が来ない?今日は先ほどの殴りで満足した?それにしても今日はやけにドタバタしているのね。ー
部屋の外からは物音や、言い争うような声が聞こえている。
ーあぁ、デルケ様たちがけんかしているのね。それが終わったら、また...ー
ドッドッドッ ダンッ!
ものすごい足音とともに勢いよく扉が開かれた。
ーあぁ、話し合いが終わって、私を殴りに来たのね。早く立たないと。ー
そう思い立って後ろを向くと、見たこともない男性がとても驚いた顔をした男性が立っていた。
「お客様ですか?話を聞いたのですね。どうぞ、お好きなところをお殴りください。」
そう言って私が殴られるのを目をつぶって待っていると。何も感じなかった。
「君は、生きているのか?」
ーそうか、私は骨の形がはっきりわかるくらいがりがりだものね。殴り替えがないと、落胆しているのね。ー
「生きておりますよ。どうせすぐ治るのでお好きどうぞ。」
何の感情も感じさせない声でそう言った。
「君は、この家の者か?」
「はい。妾の子です。」
「そうか、妾の子か。だからこんなにも...」
男性はそれからブツブツとずっと言っていた。
ーこの人は何をしてるんだろう。この部屋を知っているということは、壊れないサンドバックを求めてきたということだろう。私のいるこの部屋は、隠し部屋だ。だからこの家の者に聞かない限り、知る手立てはないはずなのだ。ー
ブツブツと言っている男性を前に私はどうすればいいのかわからず、ただ突っ立ってた。
すると、また男性がはいいてきた。
「隊長!急にいなくならないでくださいよって女の子⁉しかもガリガリッ⁉しかも、この部屋隠し部屋じゃないですか‼」
隊長と呼ばれた男性はその声で我に返ったようだ。
「すまない、君の名前は何だい?」
ーなに?この人。なんで殴りに来た私の名を?ー
「ないです。私に名前はないです。」
そういうと、男性二人は悲しい目をした。
「そうか、俺は騎士団の隊長をしているナハトだ。」
「僕は、副団長のラノア。僕たちは平民だから家名はないよ。」
「なぜ私に名前を?今から殴る相手に教える必要はないのでは?」
ナハトという人は、一瞬怒りに満ちた目をして、すぐにやさしい目つきに変わった。
「俺たちは君を殴らない。今から君を騎士団で保護する。」
「保護?」
「保護?私はここから出られるんですか?外の世界を見ることができるのですか?」
私は、警戒しながらも、目を輝かせていた。
「あぁ、これからは、殴られることも食事を抜かれることも、今君が苦しむ原因になることはすべてなくなる。外の世界だって自由にみられるようになる。約束しよう、君が苦しむことを俺たちはしないということを。」
私のほほに暖かい何かが流れた。
「本当に?もう、骨が折れるまで殴られたりしないの?おいしいご飯を食べれるの?外がどんな世界か、見れるの?」
「あぁ、約束する。だからこの手を取ってくれ。俺の手を取ってくれるなら、これからは俺が君を守ると約束しよう。」
名無しは、ナハトの手を取り生まれて初めて、にっこりと笑った。
どこかへ向かって走る馬車の中には、ナハトとラノア、そして、ナハトの膝で寝ている少女がいた。
「それにしてもサタナージュ家の奴ら、血のつながっている家族にこんなことをしていたとは。良かったんですか?隊長。サタナージュ家にいる者は全員捕らえて、処刑せよ。との命令でしたのに。国王陛下直々の。」
ナハトはジトッという目でラノアを見ながら少女の頭をなでていた。
「確かにこの少女はサタナージュ家の血縁者ではあるが、暴力を毎日のように受け、満足な食事も与えられていなかったんだぞ?そんな子を処刑するなどあってはならないことだ。だから、今王城へ向かって王にこの少女だけは何の罪に問わないようにお願いしに行くんだろう?」
この二人は、王に
「サタナージュ家にいる者すべてを捕らえ、国民の前でその罪を明らかにさせろ。」
という命令を受けているのだ。
王もまさか、サタナージュ家に妾の子がおり、その子が酷い暴力を受けているなど思っていないのだ。
だから二人は、この少女を助けてもいいか尋ねに王城へ向かっているのだ。
「この子には助けると言っちゃいましたが、王に殺せと命令されたらどうするんですか?」
「王はそんなに厳しくないだろう?王は子供が大好きで、孤児院に多額の寄付をしているんだ、この少女の事情を知れば守ってやれと言われるだろうさ。」
「たしかに何もなければ言うと思いますが、今はそう言ってくれるかわからないですよね?だって、サタナージュ家は王に毒を盛り暗殺しようとしたんですよ?ほかにもいろんな悪事が見つかりましたし。」
「それを俺たちが説得するんだよ。こんなにガリガリで外に出たことがない少女が処刑されるなんて、それこそ間違っているんだよ。」
3人が乗った馬車が王宮に着いた。
「んッ、ここは?」
「起きたか、ここは王宮だ。今から君には王に会ってもらう。そこで自分がどんな生活を送っていたのか話してくれ。」
「わかった。」
コンコンコンッ
「入れ。」
「失礼します。」
ガチャッ
そこにはベットに横になっている男性がいた。
「お加減はどうですか?陛下。」
「大丈夫だ。それよりもその君が抱えている少女は?ものすごくガリガリだけど生きているのかい?」
陛下と呼ばれた男性は体を起こした。
「生きておりますよ。この少女はサタナージュ家の妾の子だそうです。陛下の命令では、サタナージュ家の者はみな捕らえよとのことでしたが、この少女だけは処刑しないでいただけないでしょうか?」
陛下は考えるような顔をした後、少女に訊ねた。
「君がどんな生活を送っていて、どんな扱いを受けていたのか聞いてもいいかい?内容によっては、助けることができるかもしれない。」
ー私を助ける?さっき処刑とか言っていたけどどういうことなんだろう?でも、この人はとても優しい目をしてるから、何を言っても大丈夫な気がする。ー
「私はサタナージュ家に生まれた妾の子です。名前はなくて、よく壊れないサンドバックと呼ばれてました。」
そこにいる全員の顔が険しくなった。
「壊れないサンドバック?どういう意味なんだい?」
陛下が先に質問した。
「私のスキルは、超健康です。超健康は、たとえどんなに栄養を取っていなくても健康そのもので、どれだけけがを負っても、時間がたてば回復するというスキルです。」
それを聞いた3人はとても嫌な予感がした。酔い用を取っていても死なず、傷を負っても回復する、そして壊れないサンドバックと呼ばれている。それだけでも、どんな扱いかは想像がつく。
「私は毎日、暴力を受けていました。酷い時は、骨が皮膚を貫通したり、骨が肺や心臓に刺さったりもしました。でも、どんな傷でも時間さえ経てば回復してしまうので壊れないサンドバックと呼ばれていました。何回か自殺しようとしましたが、首を絞めても、炎の中に飛び込んでも、毒を飲んでも、回復してしまい、失敗してしまいました。食事は食べ残しを貰うので、ほとんど貰えず、こんなガリガリな体になってしまいました。最近では骨も折れやすくて、すぐに骨折していました。他にも、家の家事のほとんどは私が行っていました。洗濯、掃除、料理、寝室準備など言いきれない程やっていました。」
名無しが話終わる頃には、3人の顔色はものすごく悪くなっていた。
「俺が思っていたよりも、数倍も悪い状態じゃないか。一応は血が繋がっている家族だろう!?何故そんな扱いができるんだ!!」
ー妾の子はみんなそんな扱いではないの?これが当たり前だと思ってた。ー
「本当だな。そんな扱いを受けているのだから、この少女はサタナージュ家とは関係ないと言い切れるだろう。ゲホッゴホッ」
陛下は血を吐いた。
「陛下!?くっ、どれだけ時間が経っても陛下の毒は消えないのか!?」
ー毒?陛下は毒に侵されているの?この人は、多分とても優しい人だ。この人達は、私の話をしっかり聞いてくれた。だからー
「陛下!あの、私の血を飲んでください!!」
そう言って自分の指を噛みちぎった。
「なっ!どういうことだ?」
「私の血を飲めば、私のスキルが少しの間血を飲んだ人も使えるようになります!」
「そんなの聞いたことがないぞ!?だが、かけて見るのも悪くないかもしれない。」
陛下は、私の血を垂らした水を飲んだ。そして、陛下の毒は消え、体に一切の不調がなくなった。
「この子は私の命の恩人だ!私もできる限り守ると約束しよう。カーチェス・ディルヘイヤの名にかけて!」
「はっ!ありがとうございます、陛下!」
ー今のって名の誓い?自分の名前をかけて誓うってことは、命をかけて誓っているということ。誰かがそう言っていたのを聞いたことがある。私は、本当に助かるんだ。あの地獄から。ー
「ナハト、君の家で彼女を預かっていてくれ。騎士団隊長の君の方が彼女を守れるだろう。」
「かしこまりました。」
「そういえばずっと彼女って呼んでたらなんですから、名前つけちゃいましょうよ!」
それから、陛下、ナハトさん、ラノアさんは必死に私の名前を考えてくれた。
「フェリシテなんてどうだ?どこかの国で至福という意味なんだそうだ。」
「フェリシテ...」
私は、泣き出してしまった。
ー私にも名前がもらえた。私はもう壊れないサタナージュ家のサンドバックなんかじゃない!ー
「ありがとう、ございます。私はフェリシテ、もうサンドバックになんてならなくていいんですね。」
フェリシテは涙を流しながらも、とてもいい笑顔で笑った。
「「ッ‼」」
その笑顔に三人の男性は心を打ちぬかれた。
「隊長、陛下、この子将来絶対に人気者になりますよ。」
「そうだな。」
ラノアと陛下はこそこそと何か話していた。
「フェリシテ、そういえば君は何歳なんだい?年齢によっては、君の婚約者を見つけておかないとだからね。今年で10歳くらいかい?」
陛下が尋ねてきて、フェリシテは慌てて否定した。
「ち、違います!私は16歳です‼」
「「は?」」
「え?こんなにもちっちゃいのにですか?え?まじで言ってます?」
ラノアが言った言葉にフェリシテは口をプクッと膨らませた。
「今までちゃんとした栄養を取ったことがないからです‼ちゃんと大きくなるはずですもん‼」
自分の体を見ながらいう言葉に男三人は笑顔になった。
「フェリシテ、君の体はまだ栄養を取らずにいられるかい?いられるのなら、サタナージュ家が国民の前で罪を明らかにするまでは、今の状態を保ってほしいんだ。」
「どういうことですか‼」
ナハトは大きな声を出した。
「落ち着けナハト、私も今すぐたくさんのものを食べさせてやりたいが、フェリシテはサタナージュ家の血縁者だ。国王を暗殺しようとした血縁者を側近や大臣たちが生きていることに何も言わないと思うか?」
「うっ、それは...」
「だから、フェリシテにはこのままの状態でサタナージュ家の罪を明らかにする時までいてもらい。この子も被害者なのだと知らせるんだ。そうすれば、少しは反発を抑えられるだろう?」
陛下は私を助けるために先のことまで考えてくれていた。
「ですが...」
「大丈夫です。」
「フェリシテ⁉」
「私は、サタナージュ家の一員だったなんて思われたくないです。だから、このままの状態で大丈夫です。」
そうして私は、サタナージュ家が裁かれるまではご飯はあまり食べることができなくなった。だが、前みたいに汚い隠し部屋が部屋ではなくなり、家事もしなくてよくなった。
そして、私はナハトさんの家に来た。そこは、大きなお屋敷だった。
「わぁ、大きい!」
「確かにそうだな。陛下が隊長になったんだからこのくらいの家に住めってここの土地をあたえられてな。」
ガチャッ
「「おかえりなさいませ、ナハト様。」」
たくさんのメイドや執事たちが私たちを出迎えた。
「そちらが、フェリシテ様ですね。私は執事長のアレンと申します。どうぞよろしくお願いします。そして私の隣にいるのは...」
「メイドのシリアと申します。フェリシテ様のお世話をさせていただきます。」
ここで働いている人たちには、先に私の状態やこれからどうするのかを伝えていたので、あまり驚く人はいなかった。
シリアさんに案内されるまま、私は屋敷の中に入った。
「確かにガリガリだとは来ていましたが、あんなにとは...しかもあれで16歳なんですよね?これは誠心誠意仕えていかないとですね。サタナージュ家とはこの世のクズですね。クズが裁かれるまできちんとした食事がとれないなんて、なんとおいたわしや。」
「あぁ、フェリシテには今までの分も幸せになってもらわないと。」
そんな話をアレンさんとナハトがしていたそうだ。
二週間後、サタナージュ家の罪が公表される日。
国民には、中央広場で王族から大事な発表があると張り紙を張って伝えてあり、住民全員が中央広場にいるか、スキルによる放送を聞くかに分かれた。
「これより、国王陛下によるお話です!」
国民全員が片膝をついた。
「皆の者!頭をあげてくれ!私はディルへイヤ王国国王、カーチェス・ディルへイヤだ。今回集まってもらったのは、私の命を狙い、多大な罪を犯したサタナージュ家を裁くためである。」
その言葉に、国民はざわついた。
「私は奇跡的に一命を取りとどめた。だが、サタナージュ家をそのままにはしておけない!なのでこうして皆の前で全ての罪を明らかにし、処刑する ‼」
その言葉に誰もが賛成した。カーチェス国王は、国のあらゆる問題を解決し、国民からの人気がすごいのだ。なので、その命を狙ったという、サタナージュ家の処刑を誰一人反対しなかったのだ。
「それでは、サタナージュ家の者たちをここへ!」
城の騎士たちがサタナージュ家の者たちを全員陛下がいるところへ連れてきた。
「陛下!急に何をなされるのですか⁉私たちはあなた様を毒殺しようとしておりません。何かの間違いです!」
「証拠は出ている、お前たちもナハトのスキルが魔力感知だということを知っているだろう?毒にはオルレアンの魔力が宿っていることが分かりました。これは、名の誓いによって確認済みだ。カーチェス・ディルヘイヤの名に誓って真実だと宣言する!」
陛下がそういうと、サタナージュ家の者はみな悔しそうな顔をした。サタナージュ家は、王を失脚させたいと思っている者の集まりだったのだ。
「チッ、名の誓いをされたか。だがな、俺達には人質もいるんだ。俺たちの屋敷には隠し部屋がある!!俺たちを解放しなければ、その少女は死ぬぞ!!ハハハハハ。」
「それは、フェリシテのことか?」
「は?」
「フェリシテ!こちらへ。」
呼ばれたので、私は陛下たちがいるところに行った。
「な!なぜお前が外に出ている!?隠し部屋に隠していただろう!?」
「フェリシテは俺の魔力感知で、見つけたんだ。」
ナハトさんは、私を守るように前へ出た。
「クソッ、ノコノコとついて行きやがって。お前なんて生ませなければ良かった。」
「サンドバックの癖に!!」
「あなたが不貞なんてするからでしょう。なんなのよ、名前まで貰っちゃって!!あんたなんか一生不幸でいればいいのに!!」
「クソッ、あの日もっと殴っていればよかった。クソみたいに殴って、動けないようにしてやれば俺たちの邪魔できなかったのに!!」
サタナージュ家の人達はずっと私に向かって暴言を言っている。
「すまない、こんな言葉をきかせることになって。だが、それも今日までだ。これからは、不幸な目には合わせない。」
「っ!ありがとうございます。」
陛下がサタナージュ家の前にでて見下ろした。
「そこまでだ。お前たちの最大の罪はここにいるものも察しがついているだろう。ここにいる者たちは、横領罪、人身売買、私刑、詐欺罪、謀反などの罪を犯している。そして、ここにいる妾の子だが、血の繋がった家族を長年虐待していた。この少女は名前を与えられず、毎日のように暴力を受け、ご飯を満足に食べることができなかった。フェリシテという名前は、騎士団団長のナハトがつけたものだ。ナハトがつけなければ、彼女に名前はなかった。このように、この少女は、この国のゴミ達に幸せを奪われていた!見ればわかるだろう!彼女こそが、サタナージュ家の一番の被害者だと!」
シュンッ ガンッ
「がッ!」
国民のひとりがオルレアンに石を投げた。その石が、当たったことにより、次々にサタナージュ家に石が投げられた。
そうして、傷だらけになった。サタナージュ家は処刑された。フェリシテは、サタナージュ家の1番の被害者ということで、なんの罪にも問われず、ナハトの家に正式に引き取られた。
「これからは、ここに住んでくれ。もう君が、不幸になることはない。俺が君を守ろう。俺の名にかけて。」
ドキッ
「ありがとうございます。これからよろしくお願いします。」
2年後、貴族社会には超絶美人の女性がいるという噂が国で流れた。その人物の名はフェリシテ・ノーナン。騎士団長ナハト・ノーナンの妻だ。




