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創世記と恋物語  作者: みいみ
創世記と恋物語 -白日-
32/53

【06-3】普通

 文音ちゃんのSNS更新が、ぴたっと止まった。いや、もっと前から止まっていた。『解放と夜明け』のMVを発表した8月10日以降、1度も投稿がない。だけど、9月になった直後の深夜にまた更新された。私も半分寝ているような時間だった。そこに書かれていた内容は、難しい言葉が並べ立てられているいつもと違う意味で訳が分からなかった。しかしその意味を悟った途端眠気が吹き飛んだ。1文1文を読むうちに、頭がふらつきそうだった。


『私は、あなたを信じていた』

『あなたは、私が普通でいることを許さなかったのか』

『私の鍵を、あなたは破壊した』

『あなただけは、言わずとも分かってくれる。そう思っていた愚かな時期が私にもあった』

『何も、最初から信じてはならなかった』


 これはオタクとしてのクソデカ解釈でも、私としての恋心でもない。間違いなく、あなた=澪で、私=文音ちゃんだ。だけど、私は文音ちゃんが「アイドルにならない」選択をしたところで責める気は全くなかった。そして、文音ちゃんが太鼓のことを秘密にしておきたかったのも分かっていた。分かっておきながら人に話したことは、私の大きな罪だ。

 

 でも、1つ言い訳をするならば、今回の騒ぎに私がどう動いたかはギリギリ無関係だ。ゆめみちゃんに私が文音ちゃんの過去を話してしまったことと、ファンが過去の文音ちゃんの動画を見つけてしまったことの2つに繋がりはないはずだ。あったとしても、ものすごく低い確率の話だ。


 そして、意味もなく開けっ放しだった私のアカウントのDMに、文音ちゃんのアカウントからメッセージが届いた。


『あなたから私へ弁解することがあるのなら、私たちが産み落とされた日の中間点を逆転した日の15時、ここに来なさい』


 文音ちゃんの誕生日が6月18日。私の誕生日が7月30日。なんで文音ちゃんが私の誕生日を知ってるのかは置いておいて、その真ん中は計算すると7月9日らしい。ひっくり返せば9月7日になる。1週間後か……。場所はまさかの座標指定で、検索すると私の家からそこそこ近い公園だった。


 場所を導き出した後も、私はずっと思考を巡らせ続けていた。一体、文音ちゃんは私にどんな誤解をしてしまったのだろう。私は、どんな罪を言い渡されるのだろう。アイドルではない、「普通」のままの文音ちゃんでも、私は絶対に想い続けたのに。

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