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手術後に見た世界。

もし、普通じゃないと気づいたら、壊れちゃうから。


もう少しだけ、このままで居させて。



正樹side


「迎えにきましたよ。」

本当に私が手を加えて作った家電ロボット。

体の成長は一年に3センチ伸びて体重は1キロから3キロ。

食べた分、いや食べさせられる分の設定にしておいたはず。

次はどんな人間にしてあげようか。

今回は感情を入れる実験もしたい。

ああ、楽しい…!

「ゴホンッ、こちらです。」

手術室に案内をすると少し緊張しているのか、俯いていた。

我ながら人間らしい行動をさせているなと感心した。

「では始めます。麻酔を打ちますのでリラックスしてください。」

「…はい。」

意識は、落ちたか。

傷があれば修復させて、今回は知能を高く設定させてプログラムを超えたアンドロイドを作ろうか。

身長体重は変えずに面倒臭いことが起きそうだから自分をアンドロイドと自覚させて周りには隠す力を付けたい。

そのためにまずは全てを把握する必要があるな。

カタカタと備品を扱った。

あ、報告書も書かなくては。

西宮日奈子さん、いや、これからの『五十嵐日奈子さん』が起きるまでに時間があれば書いてしまおう。

「えーっと、えーちゃんとかなんとか言ってたよな。

その人にわかんないように作んないと。」

見た目はもちろんのこと、性格も変えなくてはアンドロイド制作がバレてしまう。

政府非公認だからバレたら即捕まる。

日奈子という名前は変えてやりたくない。

だから、名前以外は全部変えてやる…。


日奈子side


「ん…。」

「起きましたか。五十嵐日奈子さん。」

高嶺正樹。23歳。僕を作った張本人であり何かに焦っている。

僕はプログラムでそれを超えることを期待された試作品。

五十嵐日奈子、それが僕の名前であることは、確かである。

元の名前は西宮日奈子。これは覚えてないと伝えた方が効果的。

元のことは名前以外の記憶なし。

ざっとこんなところか。

「僕は五十嵐日奈子、なんですね。

よろしくお願いします。高嶺正樹様。」

「様はつけなくて良いです。堅苦しいものは嫌いなんですよ。」

高嶺正樹のファイルを作りそこに保存しておくことが最適か。

そして西宮日奈子のことも記録する用のファイルを作って調べようか。

「わかりました。正樹さん。

ところで私はどんなことを演じれば良かったのでしょう。」

「よくわかってらっしゃるようですね。

貴方には五十嵐日奈子。

明るくて誰にでも優しく対応できる優等生を要等高校(カナメラコウコウ)で演じてもらいます。

貴方にカメラをつけて改善点を見つけて次のアンドロイド制作に活かします。」

「理解いたしました。

女性を演じるにあたって体つきや言葉遣いを変えるところはありますでしょうか。」

「体つきはこちらの方でもう一度手術で変えます。

そこで何か希望があれば、最初のカルテに書いてもらい、実践します。

言葉遣いは僕を私に、全ての人間に対して下の名前にさん付け。

君付け、ちゃん付け、タメ口を望まれた場合は変えてください。」

「全て把握しました。

貴方と私用のファイルの他、クラスメイト及び私と行動する者のファイルを作らせていただきます。」

「ああ、わかりました。

その他の詳しい情報は貴方のメールに俺から送らせてもらいますので、お待ちください。

今日は、この病棟に泊まってもらうので扱いは客人となりますのでよろしくお願いします。」

「はい。」

今回ので色々掴めましたね。貴方の想像通り、プログラムを超えて見せましょう。

君はもう、他とは違う機械なんだ。


精々人に夢を見せて差し上げろ。

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