初対戦
「時に軽間くん、」
「はい、何でございましょうか。」
軽間とは、病室にいた部下の一人だ。唯一こいつだけ名前を覚えた。他はまじでわからない。
「いやー、単なる質問なんだけどさ、このチームから少佐が消えたらどうなる?」
軽間は少し疑問を浮かべていたが、すぐに答弁に移った。思った以上の長文が来たので、まとめたのが以下のものだ。
曰く、少佐がいないと戦闘許可が降りず、戦えない。
曰く、少佐が中心の戦術スタイルしかないため、まず持って少佐がいないことを想定していなかった。
曰く、少佐がいないと、それぞれがバラバラの行動をとってしまい、重要なミスにつながるかもしれない
とのことだった。これをさらにようやくすれば、 「少佐がいないと話にならない。」と言うことだろう。知らない人に連れられ、知らないところに連れてこられて、戦えと言う方が無理だ。
「軽間、質問を変える。少佐に有給はあるか?」
「………ないですね。」
「ですよねー。」
数分飛んでいた。気づくとクリスタルから妙な波動が感じられた。
(何だろう…)
俺の疑問に軽間が答えてくれた。
「少佐も気づきましたか。敵がこちらに5人、接近してきています。少佐は後方支援お願いします。」
(え、心読まれた?)
軽間は前線に向かうため、スピードを上げて飛んでいった。
(軽間、俺の分も頼んだぞ。)
ここで、今の俺について整理しておこう。今の俺は第三次世界大戦中の日本軍の第三部隊、中隊長及び、少佐らしい。俺の能力についてだが、俺の能力は「絶対回避」と言うものらしい。どんな攻撃でも避けれるんだとか。
(良かった。ちゃんとチートだ。)
だから俺は、別に前線に出されても良かったんじゃないかなとも思ったが、敵に怯えて、後衛にしてもらった。
「さてと。どうなるか、見ものだな。」
上官っぽく言っているだけの中身はただの一般人の囁き。その囁きが他の者に聞かれることはなかった。
次回「俺が行く。」