弱者
「なあ、俺たち、分かりあう方法はないのか?」
「ああ。ない。」
話しかけたため一旦止まっていた攻撃が再開した。緑色の攻撃方法は主に二つ。小型ナイフの投擲と、銃による攻撃。銃による攻撃は基本使わない様だから、小型ナイフを警戒すれば良いだろう。
「貴様、俺の攻撃が小型ナイフだけだと思ってるのか?そんなわけないだろ?」
「!!」
何だ?この感覚…もしかして…
「お前、心が読めるのか?」
「いや…心が読めるも何も、俺とお前は元々一人なんだから、これはただの独り言だろ?自分の考えがわかって何がおかしい?」
「ごもっとも。」
(今の会話で確信した。勝てる!)
「さあ、どうする?大人しく殺されるか?」
「死んでもごめんだね!」
バン!
緑色は銃を俺に向けて撃った。
「それを待ってた!」
「!!」
緑色の攻撃を条は避けていた。
「回避の能力か。」
緑色は即座に反射し振り向いた。振り向いた先には、こちらに銃口を向けた条が立っていた。
「驚いた、だが、遅い!」
「!?」
バン!
発砲と同時に緑色が消えた。
「お前にできて俺にできないわけないだろ?」
「それを待ってたんだよ!」
「!!」
条は右手で銃を持っていた。が、自分の背後に向けて左手でも銃を持っていた。
「く…」
「…はっ!」
「終わった様だね。」
「!?」
「試験合格おめでとう。条くん。」
「あなたは…」
「私の名前はカナル、この組織のボスだ。」
「?試験…?」
「ああ。君には入隊試験として緑色と戦ってもらった。君が出てきたということは、勝ったんだろ?緑色に。」
「まぁ、はい。」
「まじかよ!」
そう言ったのは響だった。
「あの緑色がまける?この素人に?」
「ああ。もしかしたら再覚醒者かもな。」
「ま、まさか…」
「あの…すいません、全然会話内容についていけないんですけど…」
「ああ、すまないな。君はうちの組織に入ってもらう。」
「え?」
「諸々の説明は彼から聞いてくれ。」
そう言われて初めて、背後にいる青年に気がついた。
次回「アクセル」