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ファーストクリスタル  作者: 音坂波
13/16

ループ

「ボス、連れてきましたよ。」

「ああ。ありがとう。」

あのまま連れてこられた基地。ボスと呼ばれた者が暗闇から姿を現した。

「え?女性…」

「やぁ、久しいね。緑色。」

「すいません、俺、記憶がなくて…」

「そうか。記憶喪失なのか。仕方ない。」

そう言ってボスは部屋を後にした。

俺は何が何だか分からないのでひとまず連れてきた青年を見た。だが、青年はこちらに気づいたにも関わらず背中を向けやがった。

(こいつ…)

すると奥からボスが戻ってきた。

「使うのが久しぶりだから操作方法覚えてるかな…」

ボスの手には野球ボールぐらいのサイズのオーブを持っていた。

「それは…一体…?」

疑問を問いかけたが、問答無用で使ってきた。

ボスは俺に近づき、右手に持ったオーブをつけていった。

「アーティファクト起動。」

「え?何…」

この後の記憶はない。何が何やら。


「ん…ここは…」

「目覚めたか。」

前から話しかけてきたのは、俺だった。

「?」

俺が二人いる…

「ああ。二人いる。今回のループのお前、前回の俺だ。」

「え、ループ?」

「ああ。俺たちはループしている。」

(何言ってるかわかんねぇ)

「まぁ、気にする必要はない。今から君は死ぬんだから。」

「え…」

目の前にいた緑色が消えている。

(どこ行った…)

「!!」

とっさに避けだが、気づかなかったら背中に剣が刺さっていた。

「こわ!」

(何なんだこれ…)

「説明されなかったのか?一つにすると言われなかったか?」

「いや、言われたけど…」

「仕方ない。軽く説明する。俺たちの組織は地球外生命体と戦っている。」

「はぁ。」

「そして俺たちは激戦を乗り越え、ラスボスまで辿り着いた…」


「タンガ、ジン、私についてこい。他のものは緑色の指示に従うように。」

「了解。」

全体に指揮を出したのは、女の剣士だった。両手で持てるぐらい大きな剣を持っている。その剣士について行く二人の剣士。二人とも片手で持てるくらいの大きさの剣を持っている。10人くらいだろうか。一塊になっていた集団から3人は抜け出した。

しばらく走っていると、ボスらしき敵が現れた。赤い仮面をつけた4本腕。人の見た目から離れた異質な存在。それを目にした女の剣士は言った。

「やっと見つけたぞ。カハラ星人。」

「何度もこりずにご苦労だな。」

「ああ。今回は万全の状態だ。今までは仲間は殺されてきたが、今回は誰もかけることなく、ここまできた。終わりだよ。カハラ星人。」

「仕方ない。今回はここで終わろうか。次回が楽しみだな。ラームの剣士達。」

そう言って、カハラ星人の体から無数の光が飛び出し、辺りを覆った。


「そして、地球はもう一度始まった。」

「ごめん、めっちゃ解説してくれてたけど、全然分かんない。」

「はぁ。まぁ、説明はこのくらいで良いだろう。要するに、俺には前回のループの記憶がある。だから、体の主導権を俺にして、お前という自我が存在しない様にする。」

「え、俺って、殺されるの?」

「ああ。じゃあな。」

緑色の右手に持ったナイフが俺の首に向かって飛んできた。

次回「弱者」

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