緑色の
「ほお、少しは強くなったか?雰囲気が変わったな。」
早部が飛び立ち数秒後、奴は降りてきた。
「なかなかのやり手だな。名は?」
「林だ。お前は。」
「俺は…わかりやすく言えば…綠色の悪魔だ」
ほお、なるほどな。と言わんばかりに頷いていた。
「どうする?怖気付いたならやめるか?」
「ふ、ほざけ。」
両者共に向かい合い、銃を構える。二人の距離は10メートルほどだろうか。
「では、行くぞ。」
林は緑色の悪魔に向かい銃を発射した。それと同時に悪魔は走り出した。残り2メートルほど。
ダンッ
間合に入った。撃ち抜く…が、相手は読んでいたのか、反撃が飛んできた。右手にねぎり拳を作り、上空から叩き落とされる。
「!!…消えた…」
「終わりだ。」
悪魔は林の背後に回り込んだ。そして引き金を引く。その時林は…
「はっ、使ったな!その回避の能力を!」
「?」
悪魔は一瞬戸惑ったが、そのまま引き金を引いた。
バンッ
一面に煙が広がる。灰色の煙で前が見えない。
「終わったか…」
「!!」
煙の中から、太く筋肉のついた男性の腕が出てきた。その手は止まることなく悪魔の首を掴んだ。
「お前の回避能力は、最強だが、デメリットもある。そのデメリットは、使用してから再び使用可能になるまでの時間だろ?」
「チッ、知ってたのかよ」
「ああ。知っていれば大したことないな!」
「お前の方は…ああ、覚醒した能力者か。能力は鋼鉄化とかか。なるほど。この銃じゃ無理だな。」
「ご明答。まぁ、分かったところで意味ないけどな。」
「それはどうかな。」
「何?」
以前林は悪魔の首をとらえている。
「遅かったな。響。」
林は長い槍のようなもので貫かれた。
「無茶言うな。さっき聞いて駆けつけたんだ。」
全体的に黄色が多い服装で、頭には黄色い帽子をかぶっていた。その響と呼ばれる少年は、こちらを見て言った。
「どうする?こっちに戻るか?」
「いや、そう言う話は俺じゃなくてこっちに話せ。じゃあ、またな。」
悪魔は空中でゆっくりと目を閉じた。
「ん?ここどこ…?」
目を覚ました途端空中にいたので驚いた。敵はどうなったのだろう。分からない。いや、それよりも、今俺を運んでくれているこの少年は誰だろう…
「あ、目覚めましたか。いやー、急に彼を解放するからビビりましたよ。」
「ん?カレー?なんのこと?」
「ああ、覚えてないんですね。わかりました。あとは基地で話しましょう。」
「え、どこに連れて行くつもりですか?」
「んーっと…対地球外生命体特殊対策機関だったはず。長すぎて曖昧だけど。簡単に言ったら、UMAと戦う部隊のこと。」
「はぁ。で、俺を連れて行って何をするつもりですか?」
「君たちを一つにする。」
「え?」
次回「ループ」