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ファーストクリスタル  作者: 音坂波
11/16

強さを

「…っ!!」

やはり庇うんじゃ無かったかな…

血はあまり出ていない。致命傷ではないが頭を殴られたため、視界が歪んでいる。

「し、少佐…すいません…お、俺…」

「いい、逃げろ…」

「…出来ません!少佐を置いて離れるなんて…」

まぁ、そうだよな。俺は記憶のないただの一般人…信用してくれるわけがないな…が、

「いけ!これは少佐命令だ!」

「…」

「必ず、生きて帰ってきてください…」


「仲間を庇うとは、余裕だな…」

「あぁ。お前なんて余裕だよ。」

技術でも力でも負けている。ならば気持ちだけでも勝たないと…

「じゃあ、行くぜ!」

(来る!)

男はこちらに向かい、武器を使わず殴りかかってきた。俺はそんな攻撃、簡単に避けれる…

男の拳が俺に当たった瞬間、俺の体は動いた。

「!!」

「消えた…」

「いや、避けたんだよ。」

俺が唯一覚えている自分の能力。『絶対回避』やはり強い。どんなに早くても、避けることができる。すなわち最強、ということ。

俺は背後に回り込み、撃ち抜こうとした。男に銃口を向け、引き金を引こうとした瞬間…

「遅い。こんなものか…」

「えっ…」

気づけば手持ち銃が壊されている。

「能力を使うまでもないな。」

やばい。今回はおそらく致命傷になっている。一刻も早く終わらせないと、負ける…

「じゃあな。」

男は俺に一撃を叩き込んだ。


「…さ、…さ」

声が聞こえる…俺は何を…

「!!」

「な、何でここにいる…早部!」

そこには俺が逃したはずの早部がいた。

「何でって、こっちが聞きたいですよ。少佐がこっちに飛んできたんじゃないですか。」

「あ、そうだったのか。」

俺は立ちあがろうとした。が、

「うっ、体が動かない…」

まずい…動かないと。早部がやられる!

だが、体はもう限界を超えており、もう動くことは出来ない。

(くそ、俺は…何も出来ない…)

早部は敵の接近に気付き、銃を構えた。

(頼む頼む頼む!誰でもいい。何でもいい。天使でも悪魔でもいい。俺にあいつを倒せる力を…)

体が限界を超え、意識を保てなくなった。そう、俺は意識を失いかけていた。


バサッ

「!!」

(何の音だろう…少佐かな…)

俺は少佐に何かあったのかなと思い振り返った。振り返った先には、地面に倒れ込む少佐がいた。

「少佐!」

俺は少佐の元に駆け寄った。

「少佐!少佐!少佐!少佐!」

すると、少佐は目を覚ました。

「少佐…」

「戦況は?」

「?」

「戦況はどうなっているのだと聞いている。早部隊員」

「!!」

目の前にいるのは、さっきまでの少佐ではない。今いるのは、日本軍を代表する少佐だ。雰囲気が違っていた。

「5人の敵と遭遇し、四名撃破。と同時に軽間隊員が負傷したため、二名で搬送しています。」

「分かった。下がってよし」


「さぁ、楽しい狩りの時間だ」

次回「緑色の」

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