少佐の卑怯な作戦
「えーっと…君は…?」
「わたしは早部三等兵です。軽間副隊長は二人に任せました。」
「分かった。で?お前は何をしに?」
(助かったー。ありがとう早部!)
「はっ、一人手が空いていたので、少佐の交戦に参戦する所存でございます。」
俺は一人、早部の名を心に刻むのであった。
「フン、二人になったからと言って、何ができると言うのだ?」
「あぁ、お前らには分からないか。二人の強さが。」
俺と早部はほぼ同時に飛び出した。こちらは二人。対するは三人。勝てるだろうか…いや、勝ってみせる!軽間のためにも。
同時に左右に飛び出した二人は、三人を挟むような形で展開した。そして…
「これぞ最強!両サイドからひたすら打ちまくる!」
少佐の考えとは思えないぐらい卑怯な作戦。相手に効くわけが…
「ぐはっ、さ…流石だ、緑色の悪魔。」
意外と効いていた。
(えーっと…勝った?…!勝ったぞー)
心の中で俺はめっさ喜んだ。
「や、やりましたね!少佐!」
「ああ、お前のおかげだ!早部!」
そんな二人の会話にあの男が入ってくる。
「少…佐…」
「!!」
「その声、軽間か!無事だったんだな!」
「いえ、今は…まだ、運ばれてゲホッ、いる途中です…グハッ、その前に,敵の情報を…ガハッ、」
「大丈夫だ!安心しろ、敵は倒した!」
「まだ、です…僕が倒したの、は…一人…だ…け…。」
「軽間!」
「大丈夫です。気絶しただけです。」
軽間が最後にくれた情報。敵の反応は五人。軽間が一人、俺たちが三人…ん?あと一人は…
後ろから殴りかかってくる男に気づかなかった早部を、俺はかばった。
「チッ、雑魚が。」
次回「緑色の悪魔」