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流星学園  作者: 森宮寺ゆう
一学期『願いを叶えに』
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第35話 死体処理

「どーしましょうか?この方の死体」

 幽羅が雷蔵の生死を観察しながら不安そうに二人に向かって話しかける。由佐は少々死体から目を背けるようにして、弦は顎に手を当てて目の前の死体をどうしようか悩んでいた。

「隠すか?こいつをどこかにでも埋めるか?」

 弦の提案に幽羅は悩みつつも首を縦に振る。

「まあ、この状態で放置はさすがにマズいですし。やったほうがよさそうですね。正直だいぶ手遅れ感ありますけど…」

 幽羅は雷蔵の死体を担いで、窓の外に投げ捨てる。

「うぇ!?よ、よく死体に触れるね…」

 幽羅と弦は窓の外へと飛び出し、それを驚きながら由佐が二人を追って窓を飛び越えて外に飛び出した。

「この辺の土にでも埋めましょうか」

 枯れた花が雑に植えられている花壇の土を足でパタパタと踏む。

「ここを…掘るの?」

 スコップを持っているわけでもない幽羅と弦がどう土を掘ろうか悩んでいると、控えめな挙手を由佐がした。

「…掘れるのか?」

「土掘るくらいなら~、でも死体は触りたくないよ」

 由佐は死体を避けるようにしながら花壇に近づき、犬の様に両手で花壇に穴を作る。数分もすれば穴が大きくなり、雷蔵を入れるには十分な大きさの穴が出来上っていた。

「出来たよ。ホントに入れるの…?」

「もう殺してしまいましたからねぇ。夢蔵さんがあそこで気絶くらいで止めてくれればやりようはあったんですがね~」

 幽羅はそう言いながら慣れた手つきで雷蔵の体を引きずり穴の中に放り込む。

「さてと…後は土をこいつのかぶせてやるか」

 弦は山になっている土を崩して雷蔵の入った穴を塞ぐ。

「これで、学園の人間にバレなければいいんですが…」

「ま、それよりかは相手が見逃してくれるほうに懸けたほうがいいだろ。向こうにも気づかれているんだろ?」

 弦と幽羅は花壇の土を足で押し固めながら雑談のようなノリでそんな会話を続けていた。

「こ、これからどうするの?」

 由佐は死体を埋める二人を見ながら不安そうな声を漏らしていた。

「とりあえず…各自家に戻りましょうか。ここにいるよりはマシでしょう」

 幽羅の言葉に弦と由佐はゆっくりと頷く。それから三人は黙ってその場から離れていった。

(まさか、こんなすぐに接敵するとは思いませんでしたね。とはいえ始末できましたし、プラマイのマイナスって感じですかね)

 弦と由佐の二人とは真反対の方向に歩を進める幽羅はポケットにしまっていたメモ帳を取り出す。そこには幽羅が描いた由佐の姉の似顔絵があった。

「あの地下で見たことを言うのはやめたほうがいいかもしれませんね」

 幽羅はそう言いながら目をつぶって地下施設で見た光景を思い出す。幽羅は弦たちに自身が見た光景を報告していた…一つを除いて。

「あの方が…日弧さんのお姉さんなんでしょうね」

 地下施設では見たのはあらゆる生物の死骸や死骸だったものたち。そこには当たり前のように人のものがあった。そこで幽羅が見たのは研究員の女と女が作ったであろう実験生物。

「日弧さんに伝えるか戸惑っているうちに解散してしまいましたが、結果的になんとか嬉しい展開になりましたね。さすがにあれは伝えれませんよ」

 幽羅は一度大きなため息をついてから一言つぶやいた。

「貴方のお姉さんは多分に人間じゃない、って…言うわけにもいきませんしね~」

 幽羅はそう言って再度大きく深いため息をついた。

 ◇◇◇

「以外にも、早く殺されてしまいましたね」

 数匹のコウモリを連れた研究服の女性が花壇の土に手をのばした。

「ま、あなたの異能は欲しかったのよね。物体を転移させる能力。いいわね~、創作意欲をかき乱されるわ!」

 女は目をキラキラとさせながら土の中に入っている雷蔵を無理やり引っ張り出した。

「あなたの仇はあなたが討ってもらうよ。ふふっ」

 女は不気味な笑い声をあげながら雷蔵の腕を肩にのせていった。

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