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流星学園  作者: 森宮寺ゆう
一学期『願いを叶えに』
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第22話 終幕

「なんじゃ。急に暴れおって」

 郷火の背後から突っ込んでくるつかさに刀を叩きつける。

「あなたの負けです!正義がいる限り、悪の負けは絶対なのです!」

 つかさは体を硬質化させた郷火の攻撃を防ぎながら拳を振り下ろす。

(ッ!急激に、力が強まった。怒りの力とは、侮れぬものじゃな)

 郷火は攻撃を避け、つかさの拳は地面に向かって突き進んでいった。拳と地面が激突した瞬間、激しい轟音をたてながら、地面のコンクリートが粉々に砕けていく。

「うりゃあ!!」

 郷火は宙に散らばるコンクリート片を刀ではじいてつかさの顔面に当てる

「眼球に破片をぶつけてきましたか。悪者らしい手法ですね」

 つかさは目を硬質化させ、郷火の行動に文句を言いながら攻撃を食らわせる。

「悪者らしい、のう。まぁ、お主が正義を名乗るならわしは悪で良い。ただ、客観視、お主を正義と言う人間はおらぬだろうな」

「いちいち、言わなくて結構。とても耳障りなのですよ!」

 つかさの手刀のスピードは徐々に徐々に上がっていき、残像が取り残されるまで加速していった。郷火はそれを当たり前のように刀で受け止める。

「素晴らしい!良いぞ!良いぞぉ!!」

 郷火はつかさよりも早く、スピードを上げ、鞘と刀を振るう。

(さらに、スピードを上げてこられた!?)

 スピードで郷火を出し抜こうとしていたつかさはそれ以上のスピードで攻撃を繰り出す郷火に驚きを隠せずにいた。

「まだ、そんな力を隠し持っていたのですか!?卑怯だと思わないのですか!?」

「お互い様じゃろう」

 郷火の刀とつかさの拳がぶつかり合い、すさまじい衝撃波が生まれる。地面が揺れ、とても頑丈そうだった塔にヒビが出来るのが見えた。

 しかし、二人はそんなこと気にする素振りを見せず、ただお互いに攻撃を浴びせ合うことに必死になっていた。二人の動きはとても素早く、激しく、残像さえ追いつけないでいた。だが、激しい攻防の割には両者ダメージを食らっている様子はない

(速い。わしの、動きにここまで、合わせれるとは、さすがじゃ…が、今は、何分経ったのじゃろうか。に十分、以上は確実に、経っておろう。少し遊び過ぎた)

 郷火はさっきまで刀と鞘で攻撃を受けて止めていた。しかし、郷火は防御を最低限で、攻撃のみに集中することにした。

「肉を切らせ、骨を断つ。時間をかけ過ぎた。速攻で潰させてもらおう」

 つかさの両腕が郷火の体を貫く。しかし、体を捻ったことにより、九死に一生を得た郷火は刀でつかさの腕を斬り落とし、鞘で喉を押しつぶす。

(硬化が…間に…)

 つかさは怯んでいる絶好のチャンスを逃すまいと、郷火はさらに激しい連撃を食らわせる。

 つかさの整っていた顔に無数のキズができ、全身は大量の血で覆われている。右足に関しては皮一枚で保っているような状態だ。

「ケホッ…カホッ…」

 郷火に吹き飛ばされて尻もちをついたが、即座にトドメをさされることは無かった。だが、動けないでいるつかさにはどれだけの時間があったところで殺されるというオチは見えていた。

「さぁ、終いじゃ。食らえ、冥蓮華(メレンゲ)ェ!!」

 郷火が刀を握り直し、大きく振りかぶる。その瞬間、郷火の体に異変が起きた。

 郷火の腹部にはさっきまでは無かった大きな穴ができていた。その穴は郷火がつかさの異能を見るために食らった時のものと酷似している。

(ッ!?。桜転開刻(オウテンカイコク)の効果が…切れた。もう、三十分も経っておったのか)

「…何が?」

 つかさは状況が理解できていない様子で目を丸くする。

「くっそ。後、もう少しじゃったのに…まさか、時間配分を失敗、してしまった、とは…」

 郷火は悔しそうな表情を全面に出しながら、両手から武器を落とし、その場にどさりと倒れてしまった。あと一歩、郷火が踏み込んでいたらつかさの首を斬り落とせたであろう位置で、刀を落としてしまった。

「どうなって?…いえ、これは、神の導きなのでしょうか。やはり、神は、私を見ていらっしゃったのですね!」

 ほどなくして消滅していった郷火と倒壊していくビルを見て、つかさは天に向かって手を伸ばし、神に手を合わせる。

 そんなことをしているつかさの上方で、拍手の音が聞こえてくる。

「鳳凰寺つかささん。おめでとうございます」

 戦闘が始まる直前に撤退を選択した丸眼鏡の女性が、宙をゆっくりと降下しながら手を叩いていた。

「素晴らしい戦いでした。あなたたちの戦いを見さしていただきましたよ。パチパチ~」

 女性は唐突にポケットに手を入れ拳銃を取り出しながら、つかさに向ける。

「パーン」

 女性は銃弾を発砲する。しかし、つかさは満身創痍ながらも銃弾を掴み、女性に投げ返す。

「おーっと。この程度なら、異能を使わずに反撃できるのですね。フフッ、さすが」

 女性は脳を貫かれながらも、笑ってつかさに賞賛を送る。

「一位おめでとうございます。それと、情報提供、ありがとうございました」

 女性の体がプツンと消えると同時に、つかさの視界も真っ暗になる。

『生存者が一名となりました。摸擬戦を終了します。お疲れ様でした』

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