プロローグ 地獄への入場券
一人の少年が真っ暗な部屋でパソコンを操作していた。
『この度は流星学園に入学していただきありがとうございます』
ネットで度々名前があがる流星学園。その学園を卒業できたらどんな願いも叶うといわれている。
『ただいまより最終確認を行います』
真偽は分からないが実際、その学園の卒業生を名乗る者は皆、願いが叶ったと証言する。
『あなたは殺す覚悟と、殺される覚悟はありますか?』
卒業生の選別方法はただ一つ。自分以外の人間を殺し、勝ち上がるだけ、という学園とは名ばかりのものである。
『あなたの持つ異能の詳細を記入してください』
そして、この世界には「異能」と呼ばれる化学では証明しようのない超能力が存在する。異能は一人一つまでしかなく、唯一無二のものとされている。
『最後に、あなたは生きて帰れる保証はございません。それでも進みますか?』
少年はなんの躊躇いも無くエンターキーを叩く。
『最終確認は終了です。9:00に指定の場所に向かってもらいます。それでは生きて帰れることをお祈りします』
少年はパソコンをそっと閉じ、部屋を出る。
「…待ってろよ。陽平、絶対兄ちゃんが生き返れせてやるからな」
少年は拳をギュッと握りしめ、そう宣言する。