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短編小説

学校30

作者: とり
掲載日:2025/02/27

 




 晴れて入試(健康(けんこう)診断(しんだん)で「特に問題(もんだい)なし」の一文(いちぶん)をもらう)を突破(とっぱ)したオレは、入学して30秒(びょう)で卒業できるという高校に入(はい)った。


 今日は待(ま)ちに待った入学式だ。四月初旬(しょじゅん)の快晴に、八分(はちぶ)咲きの桜が薄紅(うすべに)の花弁(かべん)を散らしている。


 式は屋外(おくがい)でおこなわれた。

 生徒(新入生(しんにゅうせい))総勢約百名(ひゃくめい)、プラス保護者(ほごしゃ)がパイプイスに座って見守(みまも)る中、校長(こうちょう)先生(せんせい)の祝辞(しゅくじ)が述(の)べられる。


「みなさん、入学おめでとう。と言ってるあいだに30秒が経(た)ちました。卒業(そつぎょう)、おめでとうございます!!」


 舞台(ぶたい)そでに設置されていた〈入学式〉の掛(か)け紙(がみ)が、待機(たいき)していた教師たちにめくられて〈卒業式〉に変わる。


『わああああ!!』


 オレたちは感極(かんきわ)まって事前(じぜん)に渡されていた卒業証書(そつぎょうしょうしょ)を手に立ち上(あ)がり、ありもしない思い出に涙(なみだ)し、たまたま隣(となり)にいただけの生徒と抱(だ)き合(あ)って、感動(かんどう)の卒業(フィナーレ)を迎(むか)えたのだった。




                   完(かん)





 ※このものがたりはフィクションです。


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― 新着の感想 ―
思わずツッコミを入れました。 「それって、健康診断の時間が一番長くないか?!」 最高にコストパフォーマンスの良い式。 後ろに保護者もいるし、家族関係も円満? 弟が似たようなもので、わけあって高校…
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