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永遠不滅の幻想記  作者: 黎
新たな幻想記の始まり。
5/6

~紅い月の試験開始~

試験会場。紅い月が私達を見守る中。


「次の者。」


眼の前の人形のような女の子の出番になった。

少なくとも前の人のは見えるのだ。

私は一番後ろなので誰にも見られることがないので一安心。


「名前を言え。」


「…………ユウ・ノアール・オーウェルド。」


人形のような女の子の名前はユウ。でも、ユウ・ノアール・オーウェルド…オーウェルド、という言葉は少し聞いたことがあるような気がするけど、全く思い出せない。


「では、はじめに魔法や、能力の適性検査を行う

この水晶に手を触れてくれ」


ユウ。……女の子が水晶に手を触れると、水晶は瞬時に眩しい光を放つ。


「…?!…何…」


光が止んだかと思ったら、そこに残っていたのは水晶が割れた後。


「……は……?…まさか……これが割れるなんて……なんでだ?」


試験監督は困った表情で見ている。

何も答えない女の子。


「…………まぁ、わかったことはある。

適性が無いのだな。

適性が無さすぎて、判断出来ないとなったのか。」


え……?どういう思考回路してるの?

なんて言いたかった。

でも、私には言う勇気がない。

適性が無いわけないことなんて、考えなくてもわかるでしょ…?

でも、試験監督の表情は怯えている。

まるでずっと見ていたくないような、そんな感じの怯え。


「まぁいい。さっさも次へ行け。」


その言葉にはとっとと眼の前から消えてほしいなんて思惑が心の読めない私でも空いて見えた。

女の子が歩いて言ったあとに、試験監督は私の方を向いて


「…ああ、すまない。

変えの水晶を持ってくるから待っててくれ。」


そう言われてしまったので私は何もしないで突っ立っていることしかできなかった…。

そして戻ってきては直ぐに水晶を私に出して、


「早く、これに触れてくれ。」


言われたので私が触れると、淡い水色に光りだした。

そして、その中心には灰色のような…謎の部分があった。


「これは……?」


私は不思議そうに灰色の部分を眺めていると、

試験監督はそれを見て、


「……はぁ……御前もたちまち運が悪いな。

それじゃあ、次へ行け。」


哀れみを向けるような瞳で試験監督は私を見てくる。

運が悪いのは元々、でも、なにか悪いのかな………

灰色の部分はなにか悪いことがあるのかな?

それとも、私の髪色と同じ淡い水色の方に悪いことがあるのかな?

私は不安を抱えて次の場所へと向かった。


私が次のところへ向かえばはじめに見たのは、

列の最後ら辺に並んでいたであろう十数名の新入生。

教卓を中心に席が階段のように広がっている。

たしかプリントを解く…だったはず。

プリントを解くのならすごい複雑じゃないはずだけど…

油断できない。


「…………で……では……これから……試験を始めます………」


次の試験監督は二つ結びの、あの説明をしてくれた女性みたい。

凄い震えている。

さっきまで凄く怖いことがあったような。

そんな………なにがあったの?


「皆さん…席に…付いてください………」


女性の言う通り私は隅の席に座る。

他の人も言う通り個別に座っていく。

そして女性が周りを見て全員が座ったと見たみたいで、プリントを配り始めた。


ちなみに内容はまだ裏面だから分からない。

張り詰めた空気が周りを漂う中、私はコツコツと開始を待った。

女性が配り終えて教卓へと歩いていく。

そして、教卓から周りを軽く見れば上に水が入った砂時計のようなものを出す。


「この砂時計…いえ、…水時計が全て落ちきるまでが試験時間です………では……初め」


響くような鐘の音と共に試験が始まる。

移動中は全く聞こえなかった鐘の音。

もしかきたらこれは防音設備なのかな…?なんて思ってしまうけどプリントを表にして、ペンを持つ。


書かれている問題は…

(紅い月の夜の反対になにがあるか)

多分、それは蒼い月の夜だと思う。

昔に本で読んだことがあるから。


他にも…

(紅い月でもなければ、問一のものでもない。

月一度で起こるみえない月の日に起こることは)

新月かな…?

新月には、たとえ魔力を沢山持っていても能力や魔法の威力が弱くなる。だったよね…?


その後に続く問題は殆どが月か魔法に関係していて、凄く困ることはなかった…

けれども、一つだけ関係しない問題があった。


(神は存在するか)

存在する。存在しなければ、なんで私がここまで悪運となるんだろう。


少し悲しそうになるのを堪えつつ、試験の終了までに答案を見直す。

軽く見直せたとき、

耳に響くような鐘の音が響いた。


「試験…終了……です………プリントを回収しますよ……」


女性が順番にプリントを回収していく。

少し足早なのは気の所為だよね……?

そして、プリントを回収し終えたときに


「…次は……貴方達の…部屋を案内します……」


女性がそういえば私達の周りに光のようなものが一人一つとでも言うばかりに飛び始める。


「……これは……何……?」


「…精霊。

……案内してくれる…精霊です…

その精霊に…ついていけば……貴方達の部屋ですよ………」


そう言われて光を見れば、その光は進み始めたので少し慌てて歩き出す。

転ばないように。そして、落とさないように。


「あ…制服は部屋に置いときましたので……明日はそれを着てきてください………」


去っていくときに声が聞こえたので後ろを振り向けば制服についての話をしていた。

こくり、と頷いて前を向けば少し光が進んでいたので


「まって…?!」


と走り出すことになったのはまた別の話。

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