~紅い月の試験会場~
私が試験に付けば、周りには沢山の人がいた。
「沢山いる……皆新入生なのかな…?」
皆特徴が盛り沢山だけれども。その中で特に目に入った人といえば、
橙色…いや。私が知ってる食べ物で考えると蜜柑みたいな髪色、そして瞳の色をした少し身長が平均より高そうな女の子。
長い金髪をハーフサイドテール?というのかな?に纏めた紅い目の身長が低い女の子。
吸血鬼のようにも見える…?
白髪を少しサイドに纏めた黒色の羽を生やした、高身長の女の子。
少し女の子というよりかは男の子にも見えそうな。
私は少し困りながら空を見上げては試験開始を刻々と待つ。
空を見上げているだけじゃ少し暇だったので周りを見るとフードを被った不思議な人がいた。
「………?…」
太陽もないのだからフードは必要ないはず。なのになんでフードを被っているのだろう。なんて思っていると月の光で少し顔が見えてきた。
「……人……形…?」
私の呟きが誰にも届くことは無かったものの、
少し見えた顔は人形のように整っており、そもそも瞳が意思を持っていないような、雰囲気自体が異質と思う。
普通の人とは違うような、そんな異質さを感じた。
彼女は一体誰なのだろう?
そう思って再び見れば彼女は歩いていて、私と近い位置にくれば
「夢が叶うのなら、どうする____ 」
今思えばそれは、彼女の意思で言ったものじゃないのかもしれない。
私に対して言ったものじゃないかもしれない。
けれども、その声が、透明感のある、透き通った声が私の耳を貫いた。
夢が叶うのならば、私は____
「私は……」
言いかけたその時、鐘の音が鳴り響く。
試験の説明が行われる事を知らせるような鐘が。
「諸君。
この紅い月の夜に集まってくれてありがとう。
これから諸君等には試験を始めてもらう。
但し、試験が悪かったからと言って今更この学園に入れないということはないが、
諸君等の学園生活が重々しくなるから、油断と慢心をしないことだ。」
試験官、というよりもここの教師なんだろうか?
真っ赤に燃えているようなそこまで長くない赤い髪。
その片隅には同じ教師なのかわからないほどに弱々しい雰囲気がある、下に二つ結びをしている女性がいた。
「これから試験について説明させてもらう。
試験は簡単だ。
能力や魔法、知識それを測るだけだ。」
測る方法を知りたいかも……これは…なんて思っていたら、
「は……測り方は……能力や魔法は適性検査…を…行います……
知識は……プリントを……解いてもらいます…」
二つ結びの女性が答えてくれた。
凄くなにかに怯えているような…?
でも、わたしたちに怯えているわけじゃない…よね?
「説明有り難い。
じゃあ、諸君等よ。
列に並べ!」
その声を合図にどんどん人が並んでいく。
私は急いで並んだ。
かなり後ろの方に、というよりも一番後ろになっちゃったけど…
私の前には人形のような女の子がいる。
「どうしよう……」
一番後ろ。既にやばいし危機感しか覚えられない。
この人数。何列かあってもかなり時間が長そう…
沢山人がいる。
何人ぐらいだろう。なんて数え始めたらきりがないほどに…
「どのぐらいかかるんだろう……」
そこまでかかるとは思わなかった。
そしてもしも神様に直接会えるのだとしたら行ってやりたい。
____なんでこんなことになったのぉぉぉぉぉ…。