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川に流された女の子(音読用番号入り)※AIノベリスト作品

作者: ハムエッグ&AI

①むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。

おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

「おや?こんなところでどうしたんだい?」

川のそばでおばあさんが声をかけます。そこには小さな女の子がいて、川の流れを見つめていました。「わたしね、川に流されたの」

女の子が言いました。

②「それは大変だ!さっそく助けてあげよう!」

おばあさんは川に飛び込んで流されていた女の子を助け上げました。

「ありがとう、おばあちゃん」

「いいんだよ。それより、どうして川は流れてるんだろうねえ」

「うーん……なんでだろう?」

女の子は首をかしげました。すると、そこへおじいさんが現れました。

③「おお、無事だったか」

「はい、この通りです」

おばあさんは笑顔で答えました。おじいさんは心配そうに尋ねます。

「それで、その子は一体誰なんだい?」

「はい、この子は川に流されたそうなんです」

「ふむ……。それなら、わしらが面倒をみようじゃないか」

④こうして、おじいさんとおばあさんちには女の子が住むことになりました。女の子の名前は『アリス』といいました。

アリスはとても可愛らしく、頭もよく、すぐに二人とも大好きになりました。しかし、一つだけ困ったことがありました。

⑤「今日も元気だごはんがうまい!」

おじいさんはご飯を食べながら叫びます。

「まあまあ、落ち着いてくださいな」

おばあさんがそれをたしなめます。そして、二人はアリスの方を見ました。

「アリス、どうだい?おいしいかい?」

おじいさんが聞きます。

⑥「うん、とっても美味しいよ」

アリスは嬉しそうに答えました。

「そうかそうか。じゃあ、もっと食べなさい」

「でも、もうこれ以上食べられないよ」

「遠慮することはないぞ」

「いえ、ほんとうにもう無理……」

アリスの言葉を無視して、おじいさんはどんどん料理を進めていきます。アリスは苦しそうにしています。

⑦「おやめになって下さい!」

おばあさんが強い口調で言いました。その迫力に押されて、おじいさんはおとなしく引き下がりました。

「ごめんよ、アリス。ついやりすぎてしまったようだ」

「いいんですよ、おじいさん。わたしのためにしてくれたことなのですから」

アリスは優しい笑みを浮かべて答えました。

⑧「そうだね、すまない」

おじいさんは素直に謝りました。

「ほら、あなたのせいでアリスが落ち込んじゃってるじゃないですか」

「わ、悪かったよ」

今度はおばあさんの勢いに負けてしまいました。それからというもの、二人はアリスに優しく接するようになりました。

⑨ある日のこと、おじいさんは山へ芝刈りに行きました。おばあさんは川へ洗濯に行きました。いつものようにおばあさんが川に来てみると、誰かが川に浮かんでいるのが見えました。よく見るとそれは人ではなく、大きなカバンでした。

「あらまぁ、こんなところに人が浮かんでいますよ。これは大変だ」

おばあさんはすぐに川に入り、人を引き上げました。それは一人の男で、とても顔色が悪く、今にも死んでしまいそうでした。

⑩「大丈夫ですか?」

おばあさんが声をかけると、男はゆっくりと目を開けました。

「う……うぅ……。ここはどこだ?」

男が弱々しく呟きます。おばあさんはそれにこたえようとしました。しかしその時、男の後ろから大きな黒い影が現れました。おばあさんはその正体を知りませんが、とにかくそれが危険なものであることはわかりました。

「危ない!!」

⑪おばあさんは大きな声で叫びます。その言葉に反応してか、男は振り向きました。そして、すぐにおばあさんに向かってこう言いました。

「ありがとうございます。おかげで助かりました」

おばあさんは驚きました。なぜなら、さっきまで死にかけていたはずの人間が、自分の力で立ち上がったのですから。おばあさんは恐る恐る尋ねます。

⑫「あの……どうして死ななかったのでしょうか?」

「ああ、あれはただの影ですよ。気にしないでください」

「そ、そうなんですか……」

そんな会話をしている間にも、影はどんどん大きくなっていきました。おばあさんは逃げ出そうとしますが、足がすくんで動けなくなっていました。

⑬「仕方ありませんね……少し待っていて下さい」

男はそう言うと、おばあさんを置いてどこかに行ってしまいました。しばらくして、男は手に何かを持って戻って来ました。それは小さな瓶に入った液体でした。

「これを飲んで下さい」

⑭そう言っておばあさんに渡します。おばあさんはそれを受け取り、中身を飲み干しました。すると不思議なことに、さっきまでの恐怖心が無くなっていたのです。「ありがとうございます。これで戦えます」

おばあさんはそう言い残して、謎の敵に立ち向かっていきました。おばあさんの攻撃によって、敵の体はみるみる小さくなっていってしまいました。やがて、それは一匹の小さなネズミになりました。

⑮「お見事です」

男が拍手をしながら現れました。

「いいえいいえ、これもあなたのくれた薬のおかげです」

「ところで、あなたは何者なのですか?」

「私は『白兎』。時間と空間を司る旅人です」

「そうだったんですか!私の名前は『アリッサ・コーエン』といいます。ところで、どうしてこの国に来たんですか?」

⑯「実は、この国の王様に頼まれたんです。『アリス』という女の子を探して連れてきてほしいと」

「なんですって!?」

おばあさんは驚いてしまいました。なぜなら、おじいさんとおばあさんの家にいる女の子こそが『アリス』だったからです。

「まさか、この子が『アリス』だとは思いませんでした」

「では、この子を城に連れて行けば良いのですね?」

⑰「はい、お願いできますか?」

「もちろんです」

こうして、おばあさんはアリスを連れておじいさんたちのところへ行きました。

「おお、アリスじゃないか!」

おじいさんは嬉しそうな表情でアリスを迎えました。

⑱「おじいさん、おばあさん。わたし、この人たちと一緒に行くことになったの」

「そうかい。気をつけて行っておいで」

おじいさんは笑顔で送りだそうとしてくれました。

「おじいさん、おばあさん。今まで本当にありがとうございました!」

アリスは深々と頭を下げました。おばあさんも一緒に頭を下げます。

⑲「こちらこそありがとう」

「それじゃあ、行きましょうか」

「はい」

こうして、アリスは新たな旅へと出発しました。そして、二人は幸せに暮らしましたとさ。

めでたしめでたし

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