盗み聞き(ショートショートショート)
「君と一緒の墓に入りたい。」
とても古臭い、下手をしたら伝わらないかもしれないプロポーズの台詞を捧げる。
上手く想いが伝わっているのだろうか?
素直に結婚してくださいの方がよかったかも。
彼女は少し驚いた様子で固まっている。
しかし、それは私の杞憂だったようで、君は顔を真っ赤にして涙を流して喜んでいた。
彼女の想いもどうやら一緒だったようだ。
僕は彼女が本当に大好きだ。
彼女が幸せになればそれでいい。
だからその想いだけは叶えてあげることにした。