第弐ノ罪
-前回までのあらすじ-
京子の祖父の容態が悪くなり一人で行動することが多くなった大輔。
そこで聞いたのは京子が陰口を言われていることと、京子といるグループの罰ゲームの話。
京子のことを信じた矢先に京子の祖父が亡くなり、京子と電話をすることで京子への信頼を強めた。
が、突然別れを切り出された。
京子の身に何が起こったのか。
そして、大輔に捕らえられた京子は・・・
-事の始まり 京子サイド-
「ん・・・!?」
冷たいコンクリートに横たわる女の子、田中 京子は自分の置かれている状況を悟った。
京子は今、寝ていたのか気を失っていたのか分からないが目覚め、口にタオルを咥えさせられて、手首、足首を縄で縛られている状況だ。
さらに言うとこの錆びた鉄の匂いに使われる事のないドラム缶や鉄棒、鉄板を見れば、ここは家の近くの使われていない古い倉庫だと分かった。
何故こうなったのか、記憶を辿る前に強制的に呼び起こされる。
目の前にいる同級生、つい最近別れたーーーいや、止む無く別れることとなった元彼の棚田大輔だ。
「予定より早く目覚めたな・・・」
大輔は何故こんなことをしているのか話し始める。
京子は大輔の手にあるナイフを見たことで今後の展開を読めた。
取り敢えず確実に自分は大輔に殺される。
京子は数ヶ月前の全ての始まりが走馬灯の如く思い出されていった。
◾️◾️◾️
約四ヶ月前、私は高校二年になった。
去年は別クラスだった小学生からの友達、俊成、政春、そして晴美と同じクラスになれた。
俊成は眼鏡が似合う真面目な子だけど私たちの前だと冗談を言ったり茶化してくる。
政春はお調子者だけど優しい子。
晴美は私と真反対の性格。小さい頃から私の手を引いてくれる。
家もお互い遠くないので小学生の頃からよく遊んでいた。
「おぉ、このメンツが同じクラスとはなぁ」
「俺とマサは去年同じクラスだったけど、まさか全員揃うとはな」
「京子は去年ボッチじゃなかった?あんた引っ込み思案だから」
「えへへ〜バレたかぁ」
メッセージのやり取りはしてたが、最近はお互い塾やらバイトやらで会う機会が減っていたのだ。
こんなたわいもない会話からこのグループの付き合いがまた始まった。
数日経った昼休み、今日はハルちゃんが持ってきたトランプで色々ゲームをした。
「次、大富豪で一位の人は最下位の人に、二位の人は三位の人に罰ゲームを仕掛けるってのはどう?」
「いいねー、面白そう」
「出たよ、晴美の罰ゲーム」
晴美はよく勝負事に罰ゲームをつける。
私は勝負事は強くないので罰ゲームを受けることが多い。
とは言っても酷い事をさせられる訳では無いのだが・・・
「やったー、1抜け」
「あー、惜しい2抜けか」
「クッソ、罰ゲームかー」
「私は純粋に下手くそなんだろうな」
結果1位から順に、晴美、俊成、政春、私だ。
「じゃあ政春の罰ゲームは・・・イケボで告白台詞」
「はあぁ?何言ってんだ?」
「いいじゃんやってよ政春ー」
政春は恥ずかしそうに抵抗するが、ハルちゃんに催促されて
「ったく、しゃーねーな。じ、じゃあいくぞ?お前のことを愛してる。結婚してくれ」
「それプロポーズじゃねーか」
政春は顔を赤くして照れ、私達三人は大笑いした。
「じゃあ私は男子の誰かに告白するってことで!」
晴美は私に中々ハードルの高い罰ゲームを用意してきた。
「えー、それちょっと厳しくない?」
「いいじゃんいいじゃん。オッケーされたら適当に振ったらいいじゃん!京子、中学のときに振ったことあるから慣れてるでしょ?」
「人聞きの悪いこと言わないでよー」
中学のときに押しに弱い私は一度、告白してきた男子と付き合ったことがある。
とは言え全く上手くいかず、すぐに私からお別れした。
振られる側もそうだと思うけど、振る側も結構辛いんだよね。
「じゃあ、あいつはどお?」
そう言って政春は教室の端で本を読んでる男の子を指差した。
「あー、確か棚田君だっけ?去年同じクラスだったけど、ずっと一人でラノベ?読んでたよな」
本当に接点がなかったのだろう、俊成の言葉に所々間があった。
「あいつなら成功しても失敗してもバレないって」
このグループのメンバーは一緒にいて楽しい。
でも一つだけ、周りの迷惑を考えないことだけは嫌いだった。
かと言ってここで嫌だなんて言える訳ない。
断られるだろうという願いに近い予想を立て、この罰ゲームを受け入れた。
この甘い考えが全ての元凶だった。
『放課後、体育館裏で待ってる』
こう書いた四つ折りのメモ紙を手にして大輔の前に立つ。
「ねぇ、君?」
「なっ、何?」
「これ、読んどいて」
罰ゲームと分かっていても、こんな手紙を渡すのは中々緊張する。
足早に立ち去った。
「良くやった京子」
ウインクにグッジョブしてくる晴美。
「まぁ、流石に振られると思うけど」
「そんなことないって、キョウちゃん可愛いし」
「なんだ政春、狙ってんのか?」
俊成に指摘されまた顔を赤くしながら否定する政春。
このいつもの感じは私は好きだ。
軽い気持ちで放課後までの時間を過ごした。
「告白文句考えた?京子?」
「振られに行くんだし必要ないよー。さっさと玉砕してくるわ」
「「頑張れー」」
茶化してくる晴美にニヤニヤする男二人を背に体育館裏に一人で行った。
大輔は既に来てきた。
「えっと・・・何かな?」
「・・・っ!私と付き合ってください」
一呼吸置いて、私は勢いよく手を出しお辞儀した。
直球勝負。
振られることが目的だから何も着飾る必要はない。
初対面の人にいきなり告白されても断られる、そんな甘い考えを私は持っていた。
「えっと・・・良いよ」
意外な答えに私は驚きよりも焦燥感に駆られた。
私はこの瞬間、晴美達が来て罰ゲームの事をバラして面白がると思った。
そうなると大輔の心に傷を負いかねない。
だが、周囲で人が出てくる様子は無かった。
私の焦燥は杞憂に終わった。
そのはずだった・・・
「あっ、ありがと!連絡先交換しよ!」
何故了解してくれたのかは今でも知らない。
でも、こうして私達は付き合うことになった。
晴美達の元に戻るとき、何とかなるだろう、なんて甘すぎる考えを持っていた。
まさか数ヶ月後に体を縛られ、ナイフが目の前にあるなんて状況になるとは・・・。
いや、流石に誰もこんな事は想像できないか。
とはいえ悪いことが 起きるなんて疑いすら無かった。
「で、どーだった?」
「おっけーされた」
「おー、キョウちゃんも晴れてリア充かぁ」
私が教室に戻り結果報告すると、相変わらず男二人は茶化してきた。
「最低でも一ヶ月は付き合ってあげなよ。可哀想だし(笑)」
足を組んで座りながら小馬鹿にする様に元凶は言った。
このタイプの晴美は苦手だ。
でも、この時の私は嫌な気はしなかった。
皆んなには内緒にしてるけど、私は実はアニメやゲームが大好きだ。
でも中々同じ趣味の女の子に会わなかったし、このグループの皆んなはどちらかと言うと『アニオタキモイ』って感じだからずっと秘密にしていた。
その分少し大輔と話してみたかったのだ。
みんなと一頻り遊び、家に帰って早速大輔にメッセージを送ることにした。
メッセージ内容に少し悩んだけど、相手が大輔ならこれしかない。
『棚田君って、アニメとか好きだよね?』
どんな返信なのか想像つくが、それでもやはりドキドキする。
『え、好きだけど?』
返信は意外にも遅かった。
いや別に馬鹿にした訳じゃないよ?ボッチだから返信が早いだろうとかじゃなくて、すぐに返信来なくて少し不安になっただけだからね。
『私、実は結構アニメ好きなの!』
食い付き様はどうかなと思っていたら
『まじで!?何のアニメが好きなの?』
もの凄い勢いで返信が来た。
そこからかれこれ二時間くらいアニメやゲームのことで語り明かした。
私はこの趣味に関してここまで人と話したことがなかったから、グループにいるときとは別の、白熱した話に高揚する感じの楽しさを覚えた。
大輔の話は凄く面白かった。
何より文章が上手い。
オススメのアニメのあらすじをネタバレ無し、興味をそそらせ、かつ大体のストーリーが分かる。
いつものグループじゃ、ストーリー全部教えてくれるから見るつもりはさらさらないーーー勿論みんなの話が面白くない訳じゃないよ!?
皆んなと話せている気になれるから楽しいんだけど大輔との話は自分の趣味と相まって時間を忘れるほどだった。
それからはメッセージのやり取りが中心の付き合いだった。
学校では話し掛けて来ない。
まぁいつものグループと一緒にいるからだと思うけど少し寂しかった。
「そーいえば最近彼氏とはどーなの?」
告白して3日ほど経った昼休み、私たちをくっつけたキューピットは聞いてくる。
「ずっとメッセージ送り合ってるだけかなー」
私としては隠れ趣味がバレる危険があるから大輔との話はなるべく避けたい。
が、しかし
「どんなこと話してるの?」
「やっぱりアニメとかじゃね?」
核心を突いてくる男二人。
「まぁそんな感じかな〜」
話を変えるならここしかないと昨日たまたま観たドラマの話を持ち出そうとするが
「トーク履歴見せてよ!」
一番聞かれてはならない事を天使のキューピットは小悪魔の様ないじわるな笑みを浮かべて聞いてきた。
「え〜また今度ね」
これで引いてくれと心底願う。
「まぁいっか。ところでさ、昨日のドラマ観た?」
「もち!あれは面白かった」
話題がドラマになり内心ホッとするがやはり対策しなければまた聞いてくるだろう。
私は一つの案を実行した。
付き合って一週間経った頃の昼休み、また晴美は尋ねてくる。
「そろそろトーク履歴見せてよー」
えー、と戸惑いつつも携帯を見せる。
何度も見せるのを拒んでは色々怪しまれる。
ここでこの間講じた案が効果を発揮する。
「あれ!?何もないじゃん!?」
「履歴は全部消してるの!ほら、早く返して!」
えー、と三人は面白くないと言った表情だったがそれで良い。
実際は残したい会話をスクリーンショットしてPCに保存してある。
だから携帯を見られても大丈夫なのだ。
「そんなに仲良くないの?」
「もしかして喧嘩中?」
大して心配してなさそうに尋ねる男二人。
「いや、そんな訳でもないんだけど・・・」
このままではまずいと思い話を変えようとした時、
「今日から一緒に帰ったら!?」
「「「えっ?」」」
晴美の突然の提案に三人は困惑した。
「方向が同じだったらでいいからさ!休憩時間にでも誘ってきなよ〜」
わたしはひとつため息を吐いて了解した。
この日の六時間目は体育だ。
クラスメイトが教室を出て行く中、大輔はラノベに夢中で五分くらいは教室にいる。
教室が二人になったとき丁度大輔が席を立った。
「今日、一緒に帰ろ!」
私はそれだけ言い立ち去った。
正直恥ずかしかった。
顔も赤かったのだろう、みんなと合流したとき散々茶化された。
終礼が終わり帰る用意をしてると大輔が颯爽と教室を出る姿を確認した。
「ちょっと京子、ちゃんと帰る約束した?」
「あいつ教室出たぞ?」
「一応ちゃんとしたんだけど・・・あっ」
携帯を見ると大輔からメッセージが来てた。
『クラスの人には知られたくないだろ?先に行っとくから校門を右に出て並木の四本目で待ってる』
「行っといで京子。何かあったら〜まあ連絡してよ」
「分かった」
「セクハラされたら大声で出すんだぞー」
「恋人同士ならセーフじゃないか?」
冗談言ってる二人は置いといて私は走って教室を出た。
「そんなに気を遣わなくたっていいのに〜、ハァッ・・・ハァッ・・・」
膝に手をついて呼吸整える。
「友達グループの事があるだろ、俺は別に待ってるから」
大輔は何故か目を背けながら言った。
「ありがと!・・・ふうぅ、落ち着いてきた。よし、帰ろか!」
偶然にも帰る方向は同じだった。
私は紅葉駅に、大輔とは紅葉駅の道中で別れる。
10分、15分くらいだが、二人でアニメ、ゲーム、ラノベの話で盛り上がった。
特にアニメの話で今期は良作揃いだったのであっという間に別れ場所に着いてしまった。
「じゃ、また明日!」
「またな」
私たちはすんなり別れる。
まぁ家で結局メッセージのやり取りをするんだが、正直、直接話した方が何倍も楽しかった。だが、あまり楽しそうにしてる訳にもいかない。
すぐ着く紅葉駅でみんなと合流する約束になっている。
もうアニメ好きだと言ってしまおうかと思ったが、中学の頃、クラスのアニメ好きの女の子が虐められていたを思い出し、やはり隠す事にした。
とは言ってもいじめの原因は単に『アニメが好きだったから』では無かったが中々酷いものだった。皆んなもアニメに関しては好印象ではないのでやはり言い出せる気がしない。
丁度私もアニメに手を出そうとしてた頃なので見ようか見まいか散々悩んだのを覚えている。
結果どっぷり沼にハマることとなった訳だが。
なんだかんだで四、五年隠し続けていると思えば気苦労も多かったなぁ。
「何疲れた顔で感傷に浸ってんの?」
「へぇ?はっハルちゃん?」
目の前にいつものメンバーがいた。
「なんか上の空だったぞ」
「あのアニオタの話、結構キツそうだな、キョウちゃん」
「う、うん。まあね」
理由は違うがそういう事にしとこう。
このグループはみんな家が近いので数十分は一緒に帰ることになる。
その間私達の話になると厄介なので先手を打つことにした。
「そーいえば、ハルちゃんは彼氏と最近どうなの?」
晴美は去年くらいから他校の年上と付き合っている。
写真を見せてもらったがガタイが良く金髪ピヤスと怖い感じの人だった。
「最近また他校と喧嘩したみたいで本当心配させないで欲しいわ」
漫画みたいな他校同士の殴り合いとか本当にあるんだと、恐らく晴美以外全員がそう思ったに違いない。
「中々物騒な話だな」
「ハルちゃんも気をつけてね〜」
喧嘩とは程遠い二人が心配した。
何とか大輔との話題を回避し帰宅できた。
家に帰りご飯を済ませ部屋でPCを開く。
数年前にハマっていたが高校受験で消して以来やっていなかったゲームをまた始めようと思ったのだ。
そのゲームは『NFL-Neo Fantasy Life』だ。
大人気のオンラインRPGゲームでフレンドと協力して冒険したりチャットができたりする。
さらにこのゲームの凄い点はPC版とモバイル版で同じアカウントを使えるとこだ。
つまり、PCでプレイしたデータを外でスマホを使ってプレイできるのだ。
二年もプレイしていなければ新要素に新キャラにと、正直付いて行けるか不安だった。
まぁ一時間もプレイすればどっぷり沼にはまってしまったのだが。
操作にも慣れ、何気なくフレンド欄を見てみた。
数人しかおらず、残っている人もログイン日数が年単位の人ばかりだ。
フレンド検索欄で大輔のプレイヤーネームを調べるとヒットした。
しかもプレイ中の様だ。
申請ボタンにカーソルを合わせてみるが
「もうちょっと強くなってからフレンドになろかな」
フレンド欄を閉じ、大輔とのメッセージのやり取りを始めながらNFLに没頭した。
「あれ?キョウちゃん、そのゲーム前やってたやつ?」
学校の帰り、紅葉駅で待ちながらNFLをしていると政春に気づかれた。
今日は晴美は彼氏のもとへ、俊成はバイトなので大輔と別れた後、政春と二人で帰るのだ。
「そ、そうだよ!だ、・・・棚田君がやっていたからもう一回くらいやろ〜かな〜と思って」
動揺が隠せないまま答えてしまった。
「もしかして、棚田のこと好きになっちゃったの?」
「まさか、そんなことないよ〜」
実際このとき、好きかどうかは自分でも分からなかった。
「好きになったら困ることでもあるの?」
少し意地悪めに訊ねると
「別に・・・早く帰ろーぜ」
と改札の方へ歩き始めた。
私もゲームを閉じて後を付いて行った。
大輔とアニメやゲームの話をしたり、NFLを密かにしたり、いつものメンバーから恋話をさせないようにする生活に慣れてきた頃、私と大輔は初デートに二人の好きなアニメの劇場版を観に行った。
その日の朝はどんな服で行くか迷ってしまい、集合時間ギリギリで着く時間に家を出た。
紅葉駅の改札を出ると柱に背中を預けてスマホを見ている大輔を発見した。
「早く行かなきゃ〜、、、はっっ!」
もしやと思い、私はスマホを取り出しNFLにログインしてフレンド検索で大輔のゲーム名を調べた。
最終ログインの表記がオンラインになっている!
素晴らしいアイディアを思いついた。
『お待たせ!右の方に振り向いて!』
『よろしくお願いします!』の定型文を変え、フレンド申請してみた。
大輔はまじまじとスマホの画面を見て、ぱっとこちらを振り向いた。
「NFLやってたの?」
大輔の心底驚いた顔を見て思わずニヤけてしまった。
「昔ちょっとやって辞めたんだけど、大輔がやってるからまた始めて、、結構やり込んじゃって」
大輔はすごく嬉しそうな顔をした。
それを見て私もつい笑みが溢れた。
映画館までの道のりで話題が尽きることはなかった。
映画を観終わった後も感想を言い合い、いつも以上に盛り上がった。
「意外だな、京子がこんなにアニメ好きだったなんて」
「まぁ普段は隠してるからね。周りにアニメ好きいなかったから」
フードコートでハンバーガーを頬張りながら話す。
大輔と話すときもほとんど大輔が話すので向こうは『アニメを知っている』程度にしか思ってなかったのだろう。
「確かにあのグループはアニメ観なさそうだな」
「そーなんだよー、晴美達も観てくれないかな〜」
「そのグルでは何の話ししてるんだ?」
「うーん、普段の話とかドラマの話とかバライティーの話かなー。ドラマもバライティーも少しは観てるから話せるんだけど、知らないのが出ると聞くのが多いかな〜。ストーリー教えてくれるから楽しいけど!」
「そっちはそっちで色々大変だな」
二人とも食べ終え、取り敢えずゲーセンへ行った。
普段いつものメンバーでもゲーセンは行くが基本メダルゲームしかしない。勿論そっちも楽しいが、私は大抵一人で少し遠めのゲーセンへ行きクレーンゲームでアニメのグッズやフィギュアを取ったり、音ゲーをしに行くことの方が多い。
今日は大輔と一緒だからクレーンゲームや音ゲーがメインになるだろう。
入って早々視線を感じたので周囲をキョロキョロしてしまった。
一人のときも視線を感じるのでやはり見られたくないときはビクビクしてしまうものなのか。
でも、遊んでるうちに気にならなくなり随分と楽しんだ。
今日観てきたアニメのグッズを取り、音ゲーでは大輔に負けず劣らずでいい勝負だった。
帰りは家の近くまで送ってもらった。
こういう所はしっかりしてるんだよなぁ。
また明日から学校で色々秘密にしなければと思うと少し憂鬱だったが楽しかったのは間違いないのでその日は大輔と笑顔で別れた。
◾️◾️◾️
学生なら毎年一度や二度行われる行事、校外学習。校外学習の班といえば色んな子と仲良くなるという目的でくじ引きになるのが主流。晴美達以外に友達のいない私にとって、去年までこの行事は嫌いだった。ただ黙って班の人について行き、お昼は一人で食べる。晴美達と同じクラスになったところで班が違えば何も変わらない。
でも今年は違う。
晴美達と同じクラスになれたし、大輔もいる。
結局クラスで好きな人と班になれることになったので晴美達と一緒に周ることになった。
「あ〜、こーゆー堅いの面倒くさいなぁ」
「校外学習なんてそんなもんだろ」
配られたプリントの場所を巡るというものだが実際周ってみると私は楽しい。
しかし、俊成は楽しむというより課題を熟す熟感じだし、晴美と政春はやる気がないようだ。
真面目に携帯の地図を見ながら次何処へ行くかを考えてる俊成の傍で、晴美は顔をしかめてプリントを眺めていた。
「でもクラスの男子とか繁華街で遊んでるらしいよー、ほら」
政春がネットあげられたクラスの男子が繁華街で遊んでいる写真を見つけてしまった。
そんなもの晴美に見せてしまったら次に言うことは決まっている。
「よし、じゃあ繁華街へレッツゴー!」
「それだったらこのプリントどうすんだ?」
「そうだよぉハルちゃん、これ終わらせないと先生に怒られるよ〜」
とは言っても私達の静止を聞く訳がない。二人は繁華街の方面へ歩いていく。
「大丈夫、大丈夫!クラスの子が答え分かったら回すらしいからー」
こっち、こっちと手招きする晴美に私達はため息を吐きながらもついて行くのだ。
繁華街は随分と賑わっていた。私達の学校の生徒だけでなく、他の学校の生徒の姿もあり、さらに外国の観光客もいたのでごった返していたのだ。繁華街にいても先生に見つからないのはこれが理由だ。巡回どころではない人の数に目が行き届かないのだ。
「本当に大丈夫なの?」
この人数とはいえ、予想以上に自分の見覚えのある顔を見かけたので心配になってしまう。
「んー?大丈夫だよ!あんたの彼氏が答え送ってくるらしいし、他のクラスの子で周ってる子にも一応お願いしたからそんな心配しないで」
それを聞いて安心した。後で労ってあげよ。
「にしても京子、私服少なくない?この前もそれ着てたでしょ?」
先生に見つからない理由のもう一つはこれだ。いつもは制服だが、校外学習は私服なのだ。
私は自分で服を買いに行くことは殆どしない。大抵は晴美達と遊びに行くときに買い物するのだが最近あまり行かないので私服のストックが少ないのだ。まぁ殆ど制服で過ごすので気にしていなかったのだが。
「あちゃバレたかー、まぁ最近私服着ないからいいかなーって」
「でも彼氏と出掛けるときに困っちゃうよ・・・そうだ!これ終わったらそのままデートしなよ!」
「え?」
突然の提案に呆気に取られる。
「ははっ、校外学習が終わってからデートって定番だなぁ。なら、俺は政春とデートか?」
「えー、それは勘弁・・・キョウちゃんほんとに行くの?」
「んー・・・」
少し迷った。本心は勿論デートしたい。折角の遠出だ。しかし大っぴらに行きたいと言う訳にもいかない。どう答えれば・・・
「彼氏に服選んでもらいなよ!エロエロの服選ばれるかもしんないけど」
「いや、俺の見立てでは純白のワンピースと見たなっ」
よくふざける晴美と俊成だが、今はこれを利用させてもらおう。
「じゃあ、そうしよっかな〜」
「彼に選んだ服、今度絶対見せてよ〜」
分かった、分かったと適当にあしらい喜んでる表情を出さないように大輔にメッセージを送った。返事は直ぐに来た。
『いいよー解散場所の近くの橋のところで集合しよ』
OKと返信して晴美達の元に戻った。
◾️◾️◾️
「あっ、お待たせー」
大輔は先に着いていた。
「どう?楽しかった?」
「まぁ今までは班の人に無言でついて行くだけだから一人の方が自由気ままに楽しめたかな」
「良かったじゃん!こっちはほとんど繁華街で食べ歩きとかしてたかなー、ハルちゃん達歴史的建造物とか堅苦しいの好きじゃないって言って周らなかったし」
「答えを教えた俺に感謝するんだな、それで、今からどうする?」
「ありがとありがと、あっ、はいこれあげる!ちょっと冷めちゃってるけど美味しいよ!私は繁華街なら案内できるよ?」
大輔と会う前に繁華街に寄って買った肉饅を手渡した。
「ん?ありがと。クラスの人たちまだ居ると思うぞ?俺は今日周ったところしか案内できないけど・・・あ、これ美味い」
「大輔が良いならもう一回行こ!」
「わざわざ今から行く人もいないだろうしな。じゃ、行くか」
大輔は肉饅を頬張りながら二度目の校外学習を始めた。
やっぱり大輔の話は聞いてて楽しい。口では一周目に得た知識だから〜とは言っても、分かりやすく、ときにストーリー調に話すので追加で調べたり元々知っていた知識もあるのだろう。やはり大輔の話は興味が唆られる。
周り終える頃には夕陽が随分と傾いていた。
「ちょっと早いけど、夜ご飯行く?」
「いいよ!・・・あっ、その前に寄りたい所あるんだけどいい?」
おういいぞ、と澄んなり応じてくれたが服屋の前に立ったとき、凄く動揺していた。
「どしたの?なんか面白い顔してるけど?」
「お、俺は普段、こんなオシャンティーな場所は行かないんだよ」
どうやら大輔の言っていることは本当らしく店に入るなり物珍しそうに周りをキョロキョロ見回していた。
「今日は大輔に服選んで貰うからね!」
「んっ!?・・・まぁいいけど知ってると思うが流行とかファッションとかよく分からんぞ?」
「いいの、いいの!何着かピックアップするからそっから選んで!」
まあ、それならと承諾してくれた。
普段私は地味目の服を好んで買う。派手目なのが似合うのは晴美で、私はあまり似合わない。
五分くらい悩みつつ待たせるのも悪いので、パッと無難なのを二着選び、交互に体に重ねて大輔に見せてみた。
うーんと悩み、チラッと横を見た大輔の視線が止まった。
「その・・・これなんかどうだ?」
そう言って大輔が持ってきたのは白黒のチェックのワンピースだ。驚いた。結構可愛い。
「あ、ちょっとハードル高かったか、ごめんごめん」
そう言って元の場所に戻そうとするので、引き留めて
「違う!違う!ちょっとびっくりしただけ!試着するから待ってて!」
大輔から服を受け取り試着室に入る。
目の前の鏡に映ったのは少し顔を赤らめて嬉しそうにしている私の顔だった。
この時の私はまだ、何故こんな顔をしているか分からなかった。
試着してみると結構良いと思った。
「どう?大輔?」
試着室のカーテンを開け姿を見せると、大輔は少し頬を染めてフイと横向き
「お、おう、似合ってると思うぞ」
と言った。
「じ、じゃあこれにするね!」
反射的に言ってカーテンを閉めた。自分の心臓の音がよく聞こえてくる。
何故こうもドキドキしているのか分からないが取り敢えず落ち着きながら着替えた。
「ちょっと買ってくるね!」
駄目だ。まともに顔を合わせられない。謎の気恥ずかしさに襲われながら会計を済ませた。
どうにか落ち着き、夜ご飯を食べる頃には平生に戻れた。その後のアニメショップやゲーセンを覗いた時も、帰ってから大輔と一緒にゲームをしたときもいつも通りだった。
寝るときふと、試着室で何故あんな顔をしたのか考えてみたがこの時の私には検討もつかなかった。今だから理解できる。この日からなんだろう。大輔のことを好きになったのは。
◾️◾️◾️
その後何度かゲーセンや映画、カラオケで遊び、遂に少し遠い巨大テーマパーク、『Movie Island』に行くことになった。実は私、年間パスを持っているほどガチ勢である。勿論晴美達と一緒に行くこともよくあるのだが、劇場アニメのコラボもよくするので、その度に一人で行っては楽しんでいるのだ。
一日中楽しむため開場に合わせて行くので朝は早い。
ということで用意は前日の夜から行っていた訳だが、
「あ〜、全然決まらない・・・いつも通りの服装で行くか、いや季節感があるこっちかな・・・」
服装を決めるのにかなり時間がかかり気づけば深夜の二時になっていた。
結局、この前大輔に選んでくれたワンピースにデニムの羽織りを着ることにした。
下手に寝て、寝坊するのは笑えないのでPCでアニメを観たりゲームをして何とか寝落ちを回避した。
NFLにログインしたとき、ふとフレンド欄を見ると大輔のアカウントが"オンライン"の表記になっていた。
少しおかしく思い、ふふっと笑みを浮かべて、デイリーミッションだけ済ませた。
眠気が出てきたので早めに家を出て外の風で眠気を飛ばしながら集合場所の紅葉駅に向かった。
少しして、いつも遊ぶ格好の大輔が現れた。
「おはよ!楽しみで昨日眠れなかったよ〜。大輔もゲームしてたでしょ」
「!?何故わかったし?」
「今日朝インしたらオンラインになってたから」
予定より早めの出発だが、やはり大輔との会話に困ることはなかった。
話の中で今日どう周るかを決めた。
私は絶叫系は好きな方だし大輔も得意な方なので朝早く来た甲斐があったみたいだ。
到着と同時に一番人気のコースターに乗った。
すぐに並んだので30分程で乗れた。
ピーク時には200分を超えるので正しい判断だった。
絶叫系が好きとは言えやはり頂上までの登りは緊張してしまう。
「この時間は慣れないな〜、ううっ、怖いよ〜ドキドキするよ〜」
そう言いながらあわあわしている私に対して大輔は落ち着きながら相槌していた。
そうこう言ってる内に頂上へ辿り着き・・・
やはり絶叫コースターはスッキリする。
「あー、楽しかったー」
そう言いつつグッと伸びをする。
あれだけ冷静だった大輔が心ここにあらずという感じだった。
意外と怖かったのかな。
休日だけあってパーク内は人も多い。
その分待ち時間も長い訳だが私達にとってそんなに苦でもなかった。
いつものようにアニメやゲームの話をしたりNFLで一緒にクエストしたので会話が無くて気まずいなんて状況は一切なかった。
「すまん、トイレ行ってもいいか?」
大体のアトラクションを乗り終え、パーク内を歩いていたら突然大輔が聞いてきた。
「別に聞く事じゃないと思うんだけど・・・もしかして長い方?」
「適当に時間を潰してくれて構わない。すぐ出るから」
「ゆっくりしてきて!座って待ってるから!」
トイレの前の待合広場で溜まっていたメールの返信をしながら待っていた。
すると、
「ねぇ君、今何してんの?一人?それとも友達と来たの?」
突然かけられた声にビクッとなりながら顔を上げると同い年か一つくらい上の男二人がいた。
「えっと・・・」
返事に戸惑っているにも関わらず、男たちは口説きを続ける。
「俺たちと一緒に周らない?」
「奢ってあげるよー!」
普段からも晴美目当てでナンパされるが気の強い晴美が華麗に追っ払ってくれるのだが、今回はそうもいかない。
すぐさま大輔にメッセージを送り、スタンプを連打して助けを求めた。
「黙ってちゃ、何にもわかんないよー」
既読が付かず焦り始める。
「無視は酷いんじゃない?ちょっと歩こうよ」「ねぇーねぇー俺達と遊ぼーよー」
「やめてください」
「ツレないなー、一緒に楽しいことしよーよ」
腕を掴み、強引気味に連れ出そうとしてきた。
心から恐怖心で埋め尽くされてきたそのとき、
「お前ら何してんだ?」
ナンパ野郎二人の後ろから
「こいつの彼氏だ」
私の心を撃ち晴らす声が聞こえたのだ。
「悪いな、俺が遅くなったばかりに」
どうにかナンパを追っ払って申し訳なさそうにしている大輔を見て私の胸の鼓動は高なった。「うん・・・ありがと・・・」
私は大輔の服の裾を掴み俯きながら後ろをついて行った。
待ち時間の短いゆったりとしたアトラクションを何個か乗ったことでナンパの一件は二人とも忘れたが、私の脳裏にはあの時の大輔の姿がはっきり写っていた。
辺りも暗くなり、朝から歩き回って疲れたので少し早く場所を取り夜行パレードを観ることにした。
既に少しだけ、パレードを観る列ができていたが、メインストリートの最前列という絶好のポジションを獲得できた。
パレードが始まるまではいつも通り。
一日中話したり、ゲームをしても全く飽き飽きしないは不思議なものだ。
パレードが始まり二人とも静かに眺めていた。
「綺麗だね〜」
そう言って大輔に肩を寄せたーーーーーーーー
「ーー子、京子、そろそろ起きろ、いつまでも寝るんじゃない」
頬を抓られる感覚がある。
「ん・・・んへぇ?」
情けない声を出してしまった。
頭が真っ白でボヤけた視界が段々晴れてくる。
少し呆れたような顔をして頬を抓っている大輔の顔があった。
「待って、寝ちゃってた?」
「おう、ヨダレ垂らして気持ち良さそうに」
最悪だ。大輔に醜態を晒してしまった。
「ごめん!昨日寝てなくてつい・・・ハンカチ、ハンカチ」
反射的に言い訳をしてしまった。それでも恥ずかしさと申し訳なさが消えない。
「それはいいから、さっさと帰ろうぜ」
そう言って立ち上がり、手を差し伸べた。
「お前の寝顔を見れたから良かったかな」
ちょっと照れ臭そうに言ってくれたその言葉は恥ずかしさは増せど申し訳なさを無くならせてくれた。
「今日も送ってくれてありがとね」
遊びに行く都度ちゃんと家の近くまで送ってくれる。
「今日は楽しかった!また明日学校でね!話しかけてくれてもいいんだよ?」
「気が向いたらな」
「ツンデレさんなのかな?まあいいや、じゃあね」
そしてほっぺにキスしてやった。
お風呂に入り、パジャマに着替え、自分の部屋に戻ってベットに大の字で寝転がった。
「な〜〜んであんなことしたんだろぉ」
そして一人で悶えていた。
気持ちが盛り上がったとはいえ、何故あんな事をしてしまったのか。
考えても仕方がないのですぐに寝た。
翌日、学校で顔を合わせても特に反応はなかったのでキスの一件は私の胸の内にしまっておくことにした。
「そーいや、なんか浮かれた話ないの?京子?」
こういう勘は何故か鋭い晴美がお昼ご飯のサンドイッチを食べながら聞いてきた。
「まあ、無いことは無いけど・・・」
「おっ、なになに?」
政春も目をキラキラさせてるし、この前行ったテーマパークの話をした。勿論キスの件以外を。
「キョウちゃん本当に大丈夫だった?」
「あのオタクでもナンパを追っ払えるんだなぁ」
「本当に大丈夫だから心配しないで、マサ君」
二人とも大輔がナンパから守ったことが意外だったらしい。
まぁ、守ってもらった私も結構意外だと思ったが。
「それで惚れた訳?」
サンドイッチを食べ終え、パックジュースを飲みながら晴美が訊いてきた。
「そ、そ、そんなことないよ」
私は慌てて否定した。
「ふーん」
「あっ・・・あのっ!」
政春が何か言いかけたがチャイムによってかき消されてしまった。
「何?マサ君?」
「いや、何でもない」
◾️◾️◾️
時が経ち、中間テストが迫っていた。
私も大輔も帰宅部なので一週間前とかはあまり関係ない。
とはいえ、勉強できる方ではないので大輔と一緒に勉強した。
まぁ2日間、互いの家で勉強したけど最終的にゲームしちゃうから一緒に勉強するのは無しになったんけどね。
問題が起きたのは大輔とテスト勉強した二日後のことだ。
その日は昼休みに晴美から放課後、一緒に勉強するお誘いをされたのだ。
それも二人で。
他の男子二人は塾とバイトで来れないらしい。
私の家ですることになった。
「京子の部屋久しぶりだね。小学生ぶりとかじゃない?」
「学校もあるし外で遊ぶことが多いからね」
私たちは地べたに座り、向かい合って問題集を解き始めた。
晴美は私より勉強できる方なので今日は教えてもらう気満々だったわけだが・・・
「ねぇ、京子?」
「何?ハルちゃん?」
次の台詞が私を凍りつかせた。
「あの罰ゲームから二ヶ月だよね?そろそろ別れなよ」
「えっと・・・どうしたの急に?」
「えまぁ罰ゲームとはいえちゃんと一ヶ月以上は付き合ったわけだし?そろそろいいかなぁって」
余計なお世話だ。
大輔のことは嫌いじゃない。
むしろ・・・
返事に戸惑っていたが、次の一言で黙った。
「でも、よくあんなキモオタと付き合えたねぇ」
ヘラヘラと明らかに侮辱を込めた笑みを浮かべながら話していた。
私は怒ることも反論することもできず、ただ有耶無耶に答えるしか出来なかった。
「じゃ、夏休みまでには別れてねー。そしたらいっぱい遊べるじゃん!」
帰り際に言われた。
どうやら私の幸せと思える時間は少なくなっていたようだ。
そしてもう一つの問題。
その日、晴美が帰ったあとに仕事のはずである母から留守電があったことに気付いた。
『もしもし京子、今日のお昼におじいちゃんが倒れたの。心臓が悪いみたい。とりあえず大丈夫だから心配しないで。今病院にいて帰れそうにないから適当にご飯食べて寝ておいて。それじゃあ』
理解が追いつかなかった。
祖父が心臓が何かの病気で倒れたと。そして母は病院で帰ってこない。
現実味がなかったが今の自分は何をすれば良いか、いや何ができるかすら分からなかった。
だからその日はすぐに寝ることにした。
翌日、放課後に病院へ行った。
祖父は呼吸器を付けて寝ていた。
たまに意識が戻って声を微かに出すがほとんど寝ているらしい。
不思議にも悲しいとか絶望とかは無かった。
むしろ無気力なおじいちゃんを見ても何も感じない自分が少し怖いと思ってしまった。
だからその日からよく病院に通うことにした。
今回もお読み頂きありがとうございます!
次回は京子サイドの後半部分。
まだ主人公は出てきません・・・
長いお話ですが、次回もよろしくお願いします!
それでは、皆さんの人生に幸あれ!




