表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

私と愉快な仲間達

私と先輩とオジサン……時々友人

 はいは~い。私とキテレツな友人のお話、始まるよ~。


 今回のお話は。

【ガチロリの後輩クン、辛抱たまらずガチでやらかし事件】

をお送りしようかと、途中まで書いてたけど……。ヤバすぎるので消してしまいました。


 あれは、新聞にも載ったからシャレにならん……(笑)


 と言う訳で、今回は私自身の身に起きた、数々のエピソードの中から。

【今日から僕右翼団体構成員! とっとと逃げ出してやる】

をお送りします(う~ん……私の人生って……ネタに包まれてるな……)


 あれは、まだ私や友人達が10代の青春真っ盛りだった頃。

私や友人達は、よくあるパターンに本能が赴くまま、ひた走っていた。爆音鳴らす派手に改造したバイクに乗って……。


 あの日は、確か……珍走団の集まりが終わって、解散場所に友達と一緒にたむろしてた時だったと思う。

埠頭の入り口から、1台の車がやって来た。

ライトをピカピカ、パッシングを繰り返して向かってくる。

現れたのは、真っ黒クロ○けも、びっくりの、フルスモークの正に【黒】と言った感じの、少し型遅れの、おべんちゅ。


 この時、私と友人は、ここに残っていた事を、酷く後悔した。

あの時、さっさとお家に帰っていれば……。


 見ただけで分かる。

もっとも嫌われている先輩が、お乗りあそばしてらっしゃる、お車だ。ヤツは私達の年代の奴等から。

【歩く不幸配達人】と陰で呼ばれていた。

この先輩が、また、まぁタチの悪い事、悪い事。


 「あれって……アレだよな? 何で?」


 『いや……知らねぇよ……自販機荒しで、塀の向こうに居るはずだろ?』


 この先輩、昔の不良の絵に書いたような、エリートコースをばく進された方。中学卒業と同時に、道を極めに行かれた。

そこで、男を磨いてくれたら、助かるのだが、本来は、とっても気弱で、ケンカもめっちゃ弱い。同年代には、媚びを売り。年下にはタカリまくる。無茶を言う。直ぐに怖い人を連れてくる。


 道を極めに行かれたのだが、元々に根性なんて物が存在しない方。半年ももたずに、逃亡しちゃう。

そのまま、どこか遠くにずっと逃げてればいいのに、どこかの右翼団体に所属して、堂々凱旋。


 もう……嫌な予感しかしない……。


 車から降りて来たのは、紛れもしない。1度、思いっきりブン殴ってやりたいと常々思ってた、嫌らしい笑みを浮かべた、我らがアイドル。


 『おう! 集会終わりか?』


 「あっこんばんは、はい、さっき解散しました(見りゃ分かるだろ? 目付いてんだろ? お前でも)」


 『お前らだけか?』


 「そうっすね、みんな帰って、俺らも、もう帰ろうって言ってたとこなんですよ(お願い! このまま素直に帰して!)」


 『そっか、お前ら、ちょっと付き合えよ』


 「…………。(嫌です! 絶対に嫌です! どこにも行きたくありません)」


 『ちょっと金が入ったから、飲みに連れてってやるよ』


 やばい! 本格的にやばい! この先輩、後輩に何かを奢るなんて時は、絶対にその後、ものすごい頼み事してくるんだ。

私の後輩B君は、風俗に連れていって貰った、次の日に、自販機のドアにバールを差し込んでた。


 「あ~いや……ここに単車置きっぱなしにしとくと、お巡りさんに持ってかれちゃうんで……」


 『そうなのか? あっお前らちょっと待ってろよ』


 そう言い残して、車に戻り、何やらゴソゴソと探し物をしてるようだ。そして、手に何やら紙を数枚持って戻ってくる。

そのまま、車に乗って、どっか行っちゃえばいいのに……。


 『え~っと……お前らここに、ちょっと名前書けよ』


 嫌です~! 本気で嫌です。何? 何? 借金の借用書か何かですか? 臓器販売の同意書ですか? 真面目に嫌な予感がする。

神様、お願いだから、私をここから消して下さい。


 「なんすか? それ」


 『うん? あ~まぁ何でもいいから書けよ』


 「嫌ですよ~借金の借用書とかじゃないんですか?」


 『違う、違う、そんなんじゃないから』


 「あの~俺……死んだジイチャンの遺言で知らない紙に名前書くなって言われてるんです……」


 この時の私は、本当に名前を書くのが嫌だった。

マンガみたいな言い訳してでも、書きたくなかった。

因みに一緒に居た友人は、とっくの昔に、お地蔵さんのように、何も語らず、そのまま夜の暗闇に溶けようと頑張っていた。

私は、当時から、口が達者だったので、丸投げされてしまっていたのだ。


 『なぁ、お前ら、名前書くのと、893に追い込み掛けられるのと、どっちがいい?』


 出た~先輩の伝家の宝刀! はい、私達終了~。

どっちも嫌じゃボケ! と言うか、地元から消えて帰ってくるな!

と言えたら、どれだけいいか。

今のように、スマホも無い時代。携帯はあったが、まだまだ持ってる人も少ない。私達の連絡ツールは、ポケットベル。

助けも呼べない……。


 「何の紙か見させて貰ってもいいです?」


そう私が言うと、伝家の宝刀を出した先輩は、断られる訳が無いと、素直に紙を差し出した。

おい! 後ろで石像になってる友人よ、お前、根性出してこの2枚の紙を食ってくれよ!


 紙には。

 【入団届け】と書いてあり、中身を読むと、どうやら右翼団体への入団申込書のようだ。

この時に、私の灰色の脳細胞は、某サイボーグの001よりも、高速に働き、この後の展開を、思い描いた。

そして、導き出した答えは……。


 「勝てる!(かも知れない……多分……きっと……)」


 であった……。


 「あ~右翼の申込書ですか~、先輩今、右翼やってますもんね、いいですよ、名前書きます」


 こら! 友人! こっそり突っつくな! お前何もして無かったろ! こうなりゃ道連れじゃ!


 こうして、この夜、私と友人は、めでたく、某右翼団体の構成員になったのであった……。 


 『明日の夕方に、ポケベル鳴らすから、すぐ連絡してこいよ』


 その言葉を残し、颯爽と走り去る、お下品極まりない、おべんちゅ。


 次の日、忘れん坊の先輩には、珍しく、ちゃんと夕方にポケベルか鳴った。折り返し近くの公衆電話から電話を掛けてみると。


 『政治結社○○』


 と電話に出た人が言ってる……。

結社って……悪の秘密結社ショッカー以来聞いたの初めてだわ!

そのまま、先輩に電話を変わって貰い、結社があるビルまで、友人と行った……。


 ビルの前では、緑色の『七生報國』とか『憂國列士』なんて刺繍してある、戦闘服に身を包んだ先輩が、わざわざ待っていた。

この野郎、本当に、後輩イジメる時だけ無駄にマメになりやがる。

近くまで行ったんですが、分からなくて帰りました。が使えないじゃないか。


 私と友人は、無事に、結社の事務所に入って、長テーブルの椅子に、借りてきた猫のように、チョコンと座っている。

事務所に居た人が、缶コーヒーをくれたが、プルプル震えてる手じゃ開けられない。


 しばらく、事務所に居た人と先輩と私と友人で、話をしてたか、何を話してたのか、本当に覚えてない。


 30分か1時間か、それとももっとなのか、経った時に、1人の、オジサンが事務所にやって来た。

そのオジサンを見た瞬間に、先輩と事務所に居た人が、一斉に立ち上がり、大きな声で。


 『ご苦労様です!』


 あ~このオジサンが、偉い人なのね。

私は、認識したと同時に、これまで出した事の無いような大きな声で。


 「お話があります! 聞いて下さい」


 そう叫んだ。そして、次の瞬間、そのオジサンの方に体を向け、床に正座をして、座り、頭を下げた。

そう、日本人の必殺謝罪技【THE☆DOGEZA】をぶちかましたのだ。

私の姿を見た友人も、少し遅れて私の横に正座して座る。


 オジサンの顔を伺うと、言ってみろ。って言われてるような顔をしてたから。


 「俺とコイツは、昨日、ここに居る先輩に脅されて、申込書に名前を書きました。書かないと893に追い込み掛けさせるって言われて」


 そうオジサンに伝えると、オジサンの顔が、どんどん赤くなっていく。私は、この時間違えたか? やらかしちゃったか? そう思ったが、次の瞬間、オジサンの目の前にあったガラスの灰皿が消えている。

灰皿は、見事なコントロールによって、先輩の顔面に直撃してた。

鼻を手で押さえる先輩。手のすき間から、ダラダラと流れ落ちる鼻血。

私はこの瞬間を目撃して、真っ先に思った事は、恐怖でも不安でも無く。オジサンナイス! 先輩ざまぁみろ! であった。

こんな状況で、そんな事を真っ先に思う私も、やはりどうかしている。


 『馬鹿野郎! 俺ら右翼と893と一緒にするな! テメーこそ893に居て、ヘタ打って、ウチに助け求めて転がり込んできた、根性無しじゃねぇか! コイツら見てみろ! いきなりこんな事務所に連れて来られて、すげ~怖いだろうに、根性出して、言ってるんだぞ』


 オジサン……ホレそう……。


 『申込書持ってこい!』


 オジサンは、私と友人が見てる前で、申込書にライターで火を突けて燃やしてくれた。

その後、無駄にオジサンに気に入られた私は、違う意味でスカウトされたのだが、丁重に、お断り申し上げたのは、言うまでも無い。

帰り際、オジサンにオジサンの名前が書いてある名刺を渡されて。


 『何か困った事あったら電話してこい』


 そう言われた。はい、絶対に何かあっても電話はしません。

助けて貰ったが最後、街宣車に乗って、北方領土へんか~ん! とか叫んでる未来しか訪れませんから。


 無事に無傷で事務所の入ってるビルから出てきた、私と友人。

私の目の前で、心底良かったと。ニコニコと笑顔をしていた友人に私は、無言で蹴りを思いっきり入れてやった。


 最初から最後まで、石像だったお前が俺より良い笑顔で笑うな!

と言う、理不尽な理由で……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ギリギリキタァ~~~!! 右の人達は、意外と筋を通せば、話を聞いてくれたりしますからね。 良かったです、良かったです♪ 私も、友達の借金で。 神戸方面にある、某Y口組のお屋敷に招待された…
2019/04/25 03:15 退会済み
管理
[一言]  友人さんの反応が正しい。  一先ず、まとも(?)な結社で良かったですね。    私の友人は………止めました。  黒い街宣車に、大変恐ろしい事をしたとだけ述べます。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ