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すべての愛に花束を  作者: 雪鶴
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はじめてのはなたば

《6月15日》

パパがママに大きな花束をプレゼントした。

ママは凄く嬉しそう。

でも、何で花束なんだろう。

「パパ、どうしてママに はなたば をあげたの?」

パパとママは顔を見合わせると、僕の目線に合わせるようにかがんだ。

「今日はパパとママの結婚記念日なんだ。結婚して7年目の記念日だ。7年間幸せに過ごせた感謝の気持ちと、これからもよろしくって気持ちを込めてママに花束を渡したんだ。」

「そっか!かんしゃのきもちをつたえるときにあげるんだね!」

「それだけじゃないぞ。ママはパパの大切な人だからな。大好きって気持ちも込めてるんだ。」

「ふふっ。そうね。花束は感謝の気持ちだけじゃなくて、好きって気持ちを伝える時にも渡すのよ。」

感謝の気持ちと好きな気持ちを伝える時に花束を渡すということをパパとママから教えて貰った僕は、とても良い事を思いついた。


《6月16日》

「何を買うか覚えてる?」

「うん!おにくとにんじん!」

「気をつけていくんだぞ。いいか、ちゃんと信号を渡るんだぞ。」

「うん!わかった!パパ、ママ、いってきます!」

「いってらっしゃい。」

僕はスーパーにおつかいに行くことになった。

スーパーの帰りにはお花屋さんがある。

僕は、そのお花屋さんで花束を買うことにしたんだ。


おつかいを終えた僕は、早速お花屋さんに行った。

「はなたばください!」

「いらっしゃいませ!花束ですか?」

「そう!パパとママにあげるの!」

「そっかそっか!それはいいね!お金は持ってきた?」

「うん!もってきたよ!」

僕はお手伝いで貯めたお小遣いをお姉さんに見せた。

「250円かー……これだけだと花束は作れないかなー…」

「だめなの?」

「花束作るにはもうちょっとお金が必要なんだよね。」

「そんなぁ…」

僕の貯めたお金では花束を作ることが出来ない。

それを知って、涙が溢れてきた。

「ぼく…パパとママにすきってつたえたかったのに…」

「うーん…。あ!そうだ!お姉ちゃんが君のお金で特別な花束を作ってあげるよ!どう?」

特別な花束…その言葉に僕は嬉しくなった。

「うん!おねがい!」

僕がお金を渡すと、お姉さんは小さくて可愛い色とりどりの花を3本使い花束を作ってくれた。

「じゃーん!どう?綺麗でしょう?」

「うん!すっごくきれい!」

「ふふふ。実はこれで終わりじゃないんだよ〜。」

そう言うと、お姉さんは可愛いカードを出した。

「このカードに、パパとママへ伝えたい事を書いてごらん。 」

僕は、お姉さんが貸してくれたカラフルのペンでメッセージを書いた。

「できた!」

「うんうん!とっても素敵だね!」

「おねえさんありがとう!」

「気をつけて帰るんだよ!」

「はーい!」

僕は、買い物袋で花束を隠しながらパパとママの待つ家へ帰った。

「ただいまー!」

「おかえり!買い物出来た?」

「できたよ!はい!」

「しっかり買い物出来たな。偉いぞ。」

「うん!それとね…」

そして僕は隠していた花束を2人に渡した。

「これ!パパとママにプレゼントだよ!」

「え?花束?」

「これ…」

パパが、花束の中から見つけたカードをママに見せた。

『だいすきな ぱぱ まま ずっといっしょだよ! ゆう』

「このカード、ユウが書いたの?」

「うん!」

「この花束もユウが買ったのか?」

「そうだよ!だって、ぼくのすきなひとはパパとママだから!」

パパとママはニッコリ笑うと、

「パパ、ママ、くるしいよ〜!」

僕のことをギューッと抱きしめた。

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