告白4
翌日の朝、いつものように迎えに来てケンジが言った。
「昨日なんで勝手に帰ったんだよ。探してたんだぞ」
「だって、ユイが用事があるって言ってたし」
「本当に許可取ってたんだな」
「あぁ、聞いたんだな。それで?どうなったんだ?」
「断ったよ。好きな人がいるからって」
「山本のことか?」
「エイプリルフールの話を引っ張ってくんな」
「なんだ、ちゃんと好きな女がいんのか?」
「いるよ。ずっとな」
「そうか」
なんだか怖くて相手が誰なのか訊けなかった。
そしてしばらく無言のまま歩いていると。
「誰だか気になんねえの?」
とケンジの方から切り出してきた。
「なんだ?訊けば教えてくれんのか?」
「あぁ、昨日南と話して色々考えたんだよ。そんで告白してみようかなって」
「それで私に話して応援してくれってか?」
「いや、違うんだ。俺が好きなのは」
「待て待て、私は聞かなきゃなんないのか?」
「あぁ、聞いてくれ」
「俺が好きなのはお前なんだ、ミホ」
突然のことで頭が真っ白になった。
顔が熱くなっているのがわかる。
「なんか言ってくれよ」
そうケンジが言う。
「もしかして、またからかったりしてるんじゃねえだろうな?」
嬉しいはずなのにそんな言葉が出てしまう。
しかし、ケンジは真剣な表情で言った。
「違う。俺は真剣にお前が好きだ。付き合ってくれ」
そう言って、ケンジは右手を差し出した。
私が何も言えずにいると。
「それともお前には他に好きな人がいるのか?」
とケンジは言った。
「いや、その、なんて言うか、突然で驚いてて」
しかし考えることなど何もない。
私はこいつのことが好きなんだから。
「こちらこそよろしくお願いします」
そう言ってケンジの右手を掴んだ。
知り合いに恋愛モノのハッピーエンドを書いてくれって言われたから書いたけど、こんなんでいいのかな?