表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
短編集  作者: 近藤匠
16/60

黒い球体

目を覚まし、起き上がったときに何かにぶつかった。

部屋に黒い球体が浮かんでいる。

触れるが、全く動かない。

どういう原理で浮いているのか?これは何なのか?色々考えたが、考えても何もわからなかった。

仕方がないので、そのまま仕事に出た。

まだ寝ぼけているだけなのかもしれないと思った。


仕事を終え帰ると、やはり、黒い球体は同じ場所に浮いていた。

全く動かすこともできない。

これは夢なのだろうか。もしくは幻覚か。

しかし、考えても仕方ないと思い、放置するしかなかった。


次の日になっても、黒い球体はそこにあった。

心なしか少し大きくなっているような気がした。

これは俺にだけ見えているものなのだろうか?

触れるが、俺にしか触れないのだろうか?

そう思い、友人を家に呼んだ。

すると、友人にも見えるし、触れるみたいだった。

どうやら俺の妄想や幻覚ではないとわかって安心した。


そう思って、少し放置していたが、やはり、少しずつ大きくなっていた。

このまま行くと、部屋を覆いつくしてしまうんじゃないかと思い、大家さんに連絡した。

大家さんが来るまでに、友人宅に大切なものは避難させておいた。


そして大家さんが来てくれたので、黒い球体のことを説明した。

大家さんにも見えるようで、このままでは住めないので、今月分の家賃は払うので出て行ってもいいですかと言っておいた。

大家さんはこのままどこまでアレが大きくなるのかわからないので、しかるべきところに連絡をいれて、住民は避難するように伝えると言っていた。


その日から、友人宅で少しの間お世話になることにした。

テレビをつけると、黒い球体はニュースなどで取り上げられていた。

しかし、研究者や専門家にも、あれが何なのかわからないようだった。


あれから数か月が経ち。新しい住居で一人暮らしをしていたが。

毎日のように黒い球体は報道されている。

最近は地面にまで到達したようだ。

アパートはおろか、隣の家まで破壊してしまったらしい。


このままいくと、あと1年ほどで、日本が押しつぶされる大きさになるそうだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ