恋バナ
「ねえ?なんでみんな恋人作らないの?」
「いきなりどうした?」
「いやね、隣のクラスの鈴木さんと森本君が付き合い始めたって聞いて」
「それで?」
「ケイちゃんもユウちゃんもモテそうだなーって思った」
「私は女の子らしくないからな。モテねーよ」
「女の子にモテるんじゃない?」
「何が嬉しいんだ、それ。ケイは女の子らしくてモテそうだけどな」
「そんなことないですよ」
「嘘だー、告白とかされたことあるでしょ?」
「それは、無くはないですけど」
「断ったの?」
「はい」
「恋人つくりたいなーとか思わないの?」
「今は特にないですね」
「まあ、好きでもない人と付き合っても仕方ないしな」
「二人は好きな人いるの?」
「いませんね」「いないな」
「そういうアカネはどうなんだ?」
「えーとね。どうやって好きな人って出来るんだろ?」
「いねーのかよ。まあ、こんなとこで女三人でだべってないで、男と関わればいいんじゃねーの?」
「だったら別にいいかなー」
「なんだ、その程度なのか」
「その程度っていうかね。私はこうやって三人で話してるのが一番楽しいよ」
「私もそう思います」
「そうか」
「ユウちゃんは?」
「私は女の子らしくできないだけだ」
「えー!そこはみんな同じで嬉しいねーって流れでしょう」
「そんな流れは知らん」
「こうやって部室に集まって話してるんですから、きっと同じ気持ちですよ」
「あぁ、はいはい、同じでいいよ」
「照れ隠しだね」「照れ隠しですね」
「うっせえ。じゃあもう今日は帰る」
「わーごめんごめん。もっと楽しくおしゃべりしようよ」
そうして三人は部室で話し続けた。