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転職天災
最愛の女性「瀬良」が殺された。
指定暴力団 惣流組の雇った狙撃専門の殺し屋が警察に追い詰められ、逃げ込んだ病院で自爆したのだ。
がんの母親の看病をするために病院を訪れていた瀬良は爆破事件のあとにナースステーションがあった場所から変わり果てた姿で見つかった。
俺、「高野涼」が釈放されてはじめに聞いたニュースだった。
暴力事件で二か月前服役していたが、その2ヶ月くらい瀬良を拝みたかった。ホントは正当防衛なのによ。
クソ裁判め。前科があるからってこの野郎。
俺は自分を悔い、病み、怒り、軽蔑した。
だが奴らのことはその何百倍にも何千倍にも怒った。
奴らを許しはしない。
サラリーマン人生も 平穏な生活も、おさらばだ。
どうせ族あがりなんだ。もともとこっち側だったろ…
瀬良の仇を打てるなら、奴らの人生を踏みにじれるなら。
俺は「殺し屋」になってやる。