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女子高生カグラのラグナロク戦記~日本編  作者: 七海玲也
第二章 神戦争
13/15

生徒会長 美呼

「失礼しまぁす」


 そう言って生徒会室の扉を開けると、四人の生徒が腰を下ろしていた。


「やっと来た、神楽ちゃん。

 ここ座ればいいよ」


 雷羅は隣の席を引くと私に対し手招きをしている。


「遅くなりました。

 一年の火野神楽です」


「分かってるわよ、貴女待ちでしたから。

 私は生徒会長の財天寺(ざいてんじ)美呼(みこ)ですわ。

 こっちの真面目そうなのが風雅(ふうが)快聖(かいせい)で、そっちのは二年の沙門(さもん)礼士(れいじ)君」


「よぉ、可愛コちゃん。

 ヨロシクな」


「ど、どうも」


 髪を逆立て机に座る沙門礼士は見た目からして勉強とは縁がなさそうで、いわゆるあまり関わりたくない部類に入る。


「風雅だ。

 宜しく」


「あ、宜しくお願いします」


 こっちはこっちで無愛想で、眼鏡の奥から無機質感漂う瞳を覗かせている。


「挨拶もこれでいいですわね?

 早速本題ですけど、この学校の未覚醒能力者は私を含め五人。

 この五人は別行動を取り、トリアゼロの尖兵を阻止せよ、との命令が下りましたの。

 地図を見て下さい。

 我々の現在地はここ。

 そして、北地道がトリアゼロの支配下。

 情報によると、宮州(きゅうしゅう)地区も戦いが激化しているそうで、そこから考えられることは、本部のある東城を囲む様に進行していると予想しますわ。

 それに加え、各地区においては今まで以上にトリアゼロの半女神(ヴァルキュリア)、並びに半神(ヴァルキリー)との戦闘も活発化しているようで、本部はそれらが進行する為の尖兵だと睨んでいるようですの。

 そこで下ったのが、各地区の尖兵を見つけ次第排除せよとのことです」


 机に広げられた日本地図を囲み、財天寺美呼が丁寧な口調で分かりやすく教えてくれている。


「てーっと、オレらのすることはヤツラをぶちのめせばイイんだろ?

 五人もいりゃあ簡単じゃねぇか、なぁ?」


「え?

 あー、いや。

 そうですかね?」


 沙門の問いにはしどろもどろに応えるしか出来なかった。


「それが、そうでもないのですわ。

 各地区、各都道府県を五人で回り東城まで行くにはかなりの時間を要するでしょう。

 ですので、日本海側、太平洋側の二手に分かれることになりましたの」


「おっ!

 だったらオレは可愛コちゃん二人と行くわ。

 三年同士だから文句ねぇよな?」


「お生憎様、女子と男子に分かれることに決まりましたの。

 実力的なものと能力、ホテルに泊まったりした際のことなど全て考慮した結果ですわ」


「はぁ?

 オレがこいつと?

 マジあり得ねぇんだけど」


 本気で嫌な顔をする沙門と違い、風雅は表情一つ変えずにいる。

 私としてはこの上ない限りだったが。


「お前は黙って俺に従っていればいい」


「はぁん?

 調子にノってんじゃねぇぞ。

 校内一だかなんだか知んねぇが、実戦じゃあオレのが上なんだからな!」


「なるほどな。

 だったら、力仕事は任せるとしよう」


「んだとコラぁ?」


 沙門と風雅、一触即発の雰囲気になるところに堂々と立ち塞がっている財天寺さんのなんたることや。


「あの、一ついいですか?

 学校の単位ってどうなるのでしょうか?」


 その雰囲気を変えたく純粋な疑問を口にすると、全員が目を丸くし私に視線を送った。


「そうですわね。

 普通なら気になるところですわね。

 単位の方は東城に着ければ問題はなくなります。

 要するに、課外活動として認められるように政府には手を打ってあるそうですの。

 なので、ご心配なく」


「これでお前も心置きなく闘えるってわけだ!」


 沙門は私に向かい、手を銃の形に構えると同時にウィンクして見せた。


「い、いや、そういうわけでは……」


「では、これで私の話は以上になりますわ。

 もし分からないことがあれば、貴女達は私に、沙門君は風雅に聞いて下さいね。

 それでは三日後の土曜日に出発致しますので、それまでに荷物をまとめ校舎前に集まるようお願いしますわ」


 それで話し合いは終わりになり、私達は各々のすべきことへ足を向けた。

 私と雷羅は当然のように談話室の席に着くと、これからの予定と気持ちを心行くまで話すことになった。

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