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女子高生カグラのラグナロク戦記~日本編  作者: 七海玲也
第一章 プロローグ
1/15

始まりを告げる音

 初めましての方、今まで読んで下さっている方、七海玲也と申します。


『勝ち気なアテナ~』から少し経ち、待たれていた方もいらっしゃったかも知れませんが、ようやく……よーーーやく発表することが出来ました。


 諸事情により色々とありまして、ホントにもう色々と……


 と、まあ私情のことはさておき、今回はCROSS×OVER作品とは異なる新たな試みとして、現代×神話=異能力を題材にしております。


 ありきたりと言ってしまえばありきたりですが、そこは設定によりオリジナリティーを出していければ良いかなと思っております。


 さて、タイトルに日本編とあるように、他の国などにも行く設定になっております。

 当たり前に神話は沢山の国に存在し、誰しも名前くらいは有名な神々もおりますので、そこの辺りを中心に描いていけたら読みやすく、面白くなるのではと考えております。


 現代では日本には外国の方も大勢いらっしゃいますし、その逆もしかりですので、日本編だからと言って日本の神話ばかりといったことではありません、と先に言っておこうかと思います。

 と言うのも、七海自身が日本神話より海外神話の方が好きだからというのは内緒ですが。。


 長くなった前置きですが、これより本編になります。

 まだまだ至らない部分も多いですが、どうぞお楽しみ下さい。

 では、後書きでお会い致しましょう。

 七海玲也でした。

 新幹線に揺られ、私の隣には爽やかな好青年であるリアークの巧斗(たくと)が座っている。

 私の能力を調べる為に、東城都から随分と離れた土地に向かうのだと。


「何度も聞くけどさ、私にそんな力なんてあるの?

 生まれてこのかた、超能力じみたことなんて何もなかったのよ?」


「確かにありますよ。

 なんと言うか、能力を持っている人は匂い(・・)で分かりますから」


「……私って、そんなに匂うかしら」


 毎日のようにお風呂も入っているし、今朝だってシャワーは浴びてきている。

 シャツを前に引っ張り鼻を引くつかせるも、良い香りしかしないように思う。

 汗だってかいてないし。


「はははは。

 そういった匂いではないですよ。

 雰囲気とかそういった類いのものですから」


 神の力を持った者を見分ける能力が巧斗にはあると言っているが、そんなにホイホイ分かるものなのか疑わしい。


「ふーん。

 誰でもってわけじゃないんだものね?」


「簡単に説明すると、食器が沢山ある中で幾つかに特に美味しいご飯やおかずが入っているのを嗅ぎ分ける、みたいなもんですからね」


「……。

 その例え、よく分からないわ」


 その例えに私は苦笑いしか出来なかった。

 神がどうだとか言ってた割にご飯だとか言われても、どうも分かりづらい。


「まだ時間もありますから、整理してお話しましょうか。

 世界中あらゆる神話がありますよね?

 その神々は実際に存在し、あらゆる戦いにより肉体は滅びましましたが、そこは神なので魂までは消滅しませんでした。

 そこで必要になった体という器を得るために人間を創りました」


 神話が実話など妄想も良いところだとは思うが、実際に先輩が戦っていたのをこの目で見てしまっては信じられなくもない。


「ただし、器を維持するには仮の魂でも入れておかなければなりません。

 そこで、今の人々がいるのです。

 その中でも選ばれた人間の中に、神が宿ることになったのです」


「それでさっきの例えになるってことね」


 要するに普通の人の中に神を宿した人がいる、それを見極める能力を巧斗は持っているということか。


「そうです、分かりやすい例えでしょう」


 理解した私に、どうだと言わんばかりの誇らしげな顔を見せる巧斗の目の前で、手を縦にし横に振って見せた。


「全っ然!

 ――で?

 選ばれる基準とか、色々とあるんでしょ?」


「基準、というか男女や神の力によって宿り易いなどはありますよ。

 ある程度の力を持つ神ならば、女性の方が宿り易く力を発揮しやすいですが、神の下僕(しもべ)程度であれば男性の方が何かと都合が良く、最高位に近づくにつれ男女差は無いですね。

 力の無い下僕だからこそ、硬い器を選ぶといった感じでしょうか。

 それでも女性の方が動き易いので、敢えて女性を選ぶといった半神も多いですね」


「結局、どっちでも構わないってことなのね。

 女性の方が神聖な扱いを受けたりするのは、それと関係あるみたいね」


 今は処女だからどうだとか全く聞かないが、生け贄やら何やらは処女の女性だとアニメやら昔話でよく耳にする。


「まさにその通りですよ。

 そして、過去から今に至っても争いが絶えないのは、相反れない神の下僕が政治や戦争によって戦っているのですが、それも終わりを迎えるのかも知れませんね」


「どういうこと?」


「神々が覚醒し始めているのですよ。

 あの公園で見た戦いが本格化し、いずれかの勢力が地球を支配するのも時間の問題かと思われています。

 だからこうして能力者、我々は神の力を持つ者(ディバイナー)と呼んでいますが、神楽のようなディバイナーを捜し集めているのです」


「だったら先輩を助けること出来たんじゃないの!?

 集めていたんだったら、他にも加勢出来たでしょ!」


 水元(みずもと)先輩は一人で三人を相手に戦っていた。

 そして、私達が行った時には傷だらけで……。


「前にも言いましたが、開空公園近くには彼女しかいませんでしたし、相手の半女神(ヴァルキュリア)の結界が強く感知が遅れたから仕方ないんです」


「仕方ないって――そんな……」


「我々だって彼女を失い辛いのですから分かって下さい。

 あんなことにならない為にも、神楽の秘められた能力に期待しているのです。

 (あい)さんの力でも覚醒出来なかった神楽の力に」


 私がリアークに所属すると決め事務所に向かうと、覚醒させると言われ催眠術のようなことをされた。

 しかし、私には何の変化も起きず、誰もが不思議そうにしていた。


「それを調べるのに今向かっているのよね。

 私は、誰も死なせはしない……」


「それが神楽の周りも幸せになる道だと思います。

 さぁ、着きますよ。

 降りる準備を」


 知人が戦い、命を落とす。

 戦争とは無縁のものだと思っていた日々が、今は懐かしく思う。

 教科書で知る争いとはまるで違い、人知れずに戦い命を散らす。

 新幹線の停車音が、私の開戦を告げているようだった。

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