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人間は絶対、訓練した熊にはかなわない!!

 

 ゲームの準備をする為、テーブルから離れる五木。

 

「へぇ。 五木もゲームとかするんだな。 ちょっと意外かも」

「そうですかね……? ゲームするって言っても、一人でのんびり進めるようなゲームばかりですよ? うまくないですし」

「対戦ゲーは相手がいないとつまらないしな。 でも、俺とゲームするってことは、対戦ゲームも少しだけ持ってるってことか。 または、協力プレイするゲームだとか?」

「どっちも一応ありますけど、今からやろうと思っているのは対戦ゲームですよ」

 

 五木がゲーム機にソフトをセットし、電源を入れる。 

 ハードは、十年以上前に発売され、既に生産が終了している古いものだった。 こういうところは五木らしい。

 

「対戦ゲームか。 有名タイトルかな?」

「ところがどっこい、マイナーゲームです。 中古で五十円でした!」


……なにそれ凄いクソゲー臭がするぞ。

 

「どれどれ……。 へぇ、格ゲーか。 選択キャラクターもそんな少ないわけじゃないな。 でも、なんで五木はこれ買おうと思ったんだ?」

「安かったから……ですかね」

 

 五十円。 自販機でジュースを買うより安い。 とても経済的な理由だった。

 

「よし、俺はこの、いかにも主人公っぽいキャラを選ぶとするかな」

「じゃあ私はこの熊を……。 操作方法は……」

 

 五木から操作方法の説明を受ける。 結構単純そうなゲームで、理解はしやすい。

 

「よし、始めるとするか!」

「はい!」

 

 いざ、対戦。 初めてやるゲームだが、ゲームがあまり得意じゃなさそうな五木相手だったら勝てそうな気がする。

 

……。

 

『K.O.!』


………………。

 

『K.O.!』


……………………。


『K.O.!』

 

「あ、あれ……?」

 

 と、思っていたのに。 俺は五木に連敗していた。

 しかしそれは、五木のプレイヤースキルが高いとかそういうわけではなく、

 

「わーい、また勝ちました」

「……あの、五木さん?」

「はい、なんでしょう」

「そのキャラ……というか、動物……。 反則じゃありませんかね?」

「だって、熊ですから」

「そりゃ熊だけど、一撃で即死って……」

「熊の一撃は即死級なのです」

「……まあいい。 熊の一撃が即死級なのは我慢するとして、だ。 こちらの攻撃がまったく効かないのはどういうことだ……?」

「熊は防御力もあるんですよ? 頑丈な皮膚に、厚い脂肪。 それらを覆う太い毛皮。 人間の攻撃がまったく効かないのもしょうがないです」

「……ぐ……。 わかった、じゃあ俺も熊を使ってやるよ!!」

「はい、いいですよ」

 

 このまま負けっぱなしでは気が済まない。 熊VS熊だ。

 

……………………。

 

『K.O.!』

 

「ええ……」

「ふぅ……。 なんとか勝てました」

 

 熊同士だったら良い勝負ができるんじゃないかと思っていたが、そんなことはなかった。

 

「なあ五木」

「はい?」

「頑丈な皮膚に、厚い脂肪を持ち、防御力のある熊が、同じ熊の一撃で即死ってどういうことだ?」

「だって、熊ですから」

「納得できるかっ!」

 

 五十円で売られているのが納得できる出来だ。 間違いなく、これはクソゲー。

 ネタ目的でやるにしても、たった一時間くらいで遊び尽くせてしまうボリュームだし。

 

「気を取り直して、他のゲームもやりますか!」

「そうだな……」

 

……。

 

『ミッション発生! 蛇口を締めるんだ!』

 

………………。

 

『ミッション発生! さっきの蛇口は締めてはいけなかった! 来た道を戻り、蛇口を開けるんだ!』

 

…………………………。

 

『ミッション発生! 蛇口を……』

 

「……飽きたな」

「……飽きましたね」

 

 他にもいくつか二人プレイできるゲームをやったりしたわけだが、どれも安く中古で買ったものばかりらしく、どれもクソゲーだった。

 

 協力プレイできるゲームでは、ひたすら安っぽいCGのキャラクターを動かし、同じ建物の中でワンパターンなミッションを消化し続けるだけという。 しかもカメラワークが最悪。 画面見づらすぎ。 


……それにしても、映画をゲーム化した作品のクソゲー率の高さは何故なんだろうか。

 

「なんかすみませんね……。 あんまり良いゲームがなくて。 一人用なら面白いの持ってるんですが」

「いいや、割りと面白かったよ。 新品で買った人とゲーム制作会社には申し訳ないが、クソゲーを中古で安く買いまくってプレイするのも中々贅沢な遊びなのかもしれない……」

「お財布には優しいですよね」

「良い暇つぶしにもなる。 ……っと、もう七時過ぎてるのか……」

 

 いつの間にか、五木の家に来てから二時間以上経過していたようだ。 

 

「お腹、減りましたよね? 夕飯作りますよ!」

「そうだな……。 お言葉に甘えますか」

「人見君は食べれない食べ物とか特にありますか? 余り物で料理するので、何作るかまだ決めてなかったりするんですよ」

「うーん、特にないかな」

「わかりました。 じゃあ、できるだけ早く作っちゃいますね。 わたしが料理してる間、好きに漫画読んだりゲームとかしてていいですからねー。 人見君のことだから信頼はしてますけど、部屋を漁ったりはしないでくださいね! 絶対ですよ!」

「ああ、漁らないって。 漫画でも読んで待ってるよ」

 

 フリにしか聞こえなかったけど、漁ったら流石に五木も怒りそうだ。 普段怒ったりしない五木みたいな子を怒らせるとどうなるかわからないから、余計なことはやめておこう。 

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