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そんなのありか27

佐久間氏による聴き取りにより俺が下拵えや調理の一部に関わってないケースがあるてぇことが判明した訳だがよぉぅ…これって、俺が全ての工程に参加しなくても良いってぇことなのかねぇい。

もし、そうだとしたらよぉぅ、上手くやれば効率が劇的に上がるんじゃね?


そのことに気付いた俺達はよぉ、明日の仕込みにて遣り方を色々と変えるように方針を決めるってかぁ。

先ずは確認作業からってねぇい。


方針が固まるてぇと佐久間氏が告げる訳よ。

「今の件を確認されやしたら、一度ご連絡頂けねぇかと。

 いやぁ、此方でも色々と考えておきやすんで…取り敢えずは、調査する機材などを選定しておきやす」って…ん?機材?あんだぁ、それ?


「機材って…アンタァ、何する気さね?」って、思わずねぇいっ。

「お、旦那も実は、俺と同じ語り口けぇいっ?こりゃぁ嬉しいねぇいっ」

しまったぁっ!つい…

俺が嫌そうにしたことを察したのか、少し不満げな顔を覗かせた後で佐久間氏が続ける。


「機材についてでやすがねぇ、ま、こりぁお楽しみってぇことで。

 ただ色々と手配が必要でしてねぇ、少々お時間を頂くことになりやす。

 なんでぇ、準備が整いやしたら、ご一報差し上げやすんでお待ち下せい」


そう告げると、話は終わったとばかりに立ち上がる佐久間氏。

こうして対談は終わり佐久間氏は帰って行った訳だが…(ようや)く、これで自由の身となった訳だ。

いやぁ、疲れたねぇい。


「ふぃぃっ、漸く終わったぁぁっ!」っと、伸びを1つ。

「なぁ~んじぁっ、だらしねぇーのぅ。

 それにじゃ…まだ、終わっちょらんけぇなっ」


気が抜けたように伸びをした俺へ師匠が突っ込みを、ねぇい。

って…い、いや…終わりました、よ、ねぇい?


キョトンっとしてっとぉ…

「ユウ、われ、明日の調理工程…どがぁすんなぁい?」って、そんなことを…って、えっ?

「あのぉ…明日のって?」

思わず口に出る出る法隆寺ってかぁっ!いや、仕方ねぇよねぇいだろーがよぉぅ!だってよぉうぃ、今日は週に1度の休日だってばよぉうっ!


「あんなぁ…」って呆れたように俺を一瞥(いちべつ)した師匠が続ける。

「明日の調理工程ちゅモンをのぅ、明日考えちょったら間に合わんじゃろーがっ!

 今から段取りちゅうもんをせんとのぉぅ。

 ほれ、遣るぞっ!」


い、いや…ま、マジ、でぇっ?い、やぁ~っ!


でぇ、明日、どのように調理を進めるかを師匠と打ち合わすことに、よぉぅ。

俺の休日ぅ~、ぐっすん。


そして翌日…出勤して来たスタッフ達に朝のミーティングにて変更した調理工程を伝える。

俺が加わる調理工程を減らした調理工程を設ける訳だが…それで商品が、お釈迦になったら笑えねぇいってなぁ。


でぇ、師匠と昨日話た結果、別枠にて少量作成っうことによぉう…いや、手間が余分にぃぃぃっ!

当然スタッフ達は嫌な顔をねぇぃ。

そら、今でもオーバーワークてぇのによぉうぃ、それに向けて更に仕事をブッ込むてぇのはぁっ本来、頂けねぇいねぇいっ。


けどよぉうぃ、これは決定事項なんでぇいっ!

いや…実際はよぉうぃ、現状の工程に付随した形で調理を進められるように調整してっから、実質キツクなるのはよぉうぃ、俺だけさね。

って、マジでぇ?…マジなんです、ぐっすん。


説明を続けると安堵の溜息がスタッフ達から漏れるのが聞えんねぇい。

いや、良かったねぇい、アータ達…俺はぁっ!全然っよ・く・ありやせぇぇぇんっ!


そして…地獄のデスマーチが始まる。

いやぁ、走り回りましたよ、本当によぉうぃ。


中年にぁ、こりゃ…きっちーわぁっ!

元々がディスクワークのサラリーマンてぇのを長年遣って来た、俺。

しかも残業、残業って、不規則な生活を送って来た訳でぇ…つまりぃ、肉体労働にぁ慣れてねぇんだよぉうぃ!

厨房スタッフ達より倍以上、疲れてやすが…なにか?


そんな甲斐があってか、色々と判明し始める訳でぇっ…まず、俺は下拵えに参加しなくて良いことが、ねぇい。

い、いや…今迄の苦労は、よぉうぃ…


更にぃっ、煮込みやブレンド処置や味付けに到るまで俺が加わらなくても、ある程度は大丈夫(でぇーじょぶ)ってよぉうぃ。

ただ…分量を増やすとぉっ…


「う~むぅ…あまりユウが調理工程から抜けるとじゃ、矢張り品質が下がるのぅ。

 こっちは既にダメじゃわいや。

 こりぁ賄いに回すしか、ねぇのぅ」

師匠が渋い顔でなぁっ。


い、いや…どう言う絡繰かは分からんのだがねぇい、あまり調理工程から俺が抜けると品質が劣化。

それが少量なら発生しねぇんだがよぉうぃ、量が増えると、ねぇい。


現在、確実に言えることはぁっ、素材を煮込む前の準備工程である下拵えに対してよぉうぃ、俺が加わらねぇでもでぇ大丈夫(でぇーじょうぶ)ってなぁっ!

いやぁ~、これだけでも随分と楽になったぜぇいっ。


って、師匠…俺の時間が開いたからって…調理修行を入れなくても、良いんじゃよ?

っか、止めてぇ~だぁっ!


ま、そんな感じで少しは謎って言うんかねぇいっ…それが判明したんだが、よぉうぃ。

結局は、俺が関わらねぇとカレーが完成しねぇってことは変わらねぇってねぇい。


故に大規模な増産へ踏み切ることなんざぁ無理ってヤツさね。

此方の検証は、ある程度終わったてぇ言えっだろーさぁ。

後は佐久間氏待ちってぇヤツか、ねぇい。

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