そんなのありか22
そして…やって来ましたプレオープンってくらぁっ!
いや、別にヤケクソってぇ訳じゃねぇぞぉぅっ…いや、本当によぉぅい。
いや、なに…プレオープンて言ってもでぇい、別に特別なことをする訳ではねぇかんねぇぃ。
提供するのはカレーとサラダとドリンクのみ。
いや…定食にはスイーツが付くがねぇぃ。
それ以外はカレーのみって…それって、どうなのよ?
そんなん思ったりしたが…藤堂師匠監修の下で更に練り上げた究極至高のカレーがよぉぅい、スタッフの不安を消し飛ばしたってねぇぃ。
特に仁菜嬢が大絶賛しぃ…スタッフ達も納得顔になぁっ。
っか、どんだけ信頼されとんねんやぁっ!
しかし…「んぅっ…これが噂のスィーティにてぇん、フルーティなぁぅん…あぅんっ、この旨味はぁん、ふぅぅんっぅ、溢れるほっどぉでぇっすわぁぁん、スパイスの塩梅、配合はぁんっ、藤堂さんでぇっすねぇぃ。
素晴らしい、でぇっすぅぅっ」って…色々とモヤっとする感想を、なぁっ。
っか、若ぇ者なんざぁ真っ赤になって前屈みってよぉぅい。
いや…食べて感想言うのによぉぅい、何で、そんなに色ぺぇんさねぇ、オメェさんよぉぅい。
そんな従姉妹を困ったように見遣りながら試食していたのは佐里亜嬢。
冷静に味の評価を下さるのは、雅にクールビューティってかぁ。
っか…顔と雰囲気は似通ってっが…仁菜嬢の脅威たる程の胸部装甲に比べっとぉ…ゲフン、ゲフン。
ま、そんな試食会を経て味に対してはスタッフ一同が自信を持っている。
そしてスイーツも藤堂師匠がよぉぅい。
今回提供すんのは和テイストなスイーツにて葛切りを使用したフルリとした一品。
優しい甘味からガツンってぇい甘さへと、それがサラリと引くってぇんだから大したモンさねぇぃ。
っか…間口が広くて深いっう感じで…矢張り凄ぇぜぇ藤堂師匠ぉぅっ!
ま、俺だけでなく、厨房スタッフ全員を心酔させるカリスマってぇ程の方だかんよぉぅい。
でもねぇぃ…調理指導っう修行はぁっ、程ほどにしてくだせぇぃやぁぁぁっ!
頼んますわぁっ。
そして満を期して向かえたプレオープンにて、各界の著名人が知り合いや家族を伴い訪れる訳でぇ。
テレビ局だけでなく、新聞、雑誌の記者まで訪れているとのこと。
うん、ホールはぁっ大変やねぇぃ。
って、思っていた時も有りました、ってかぁっ!
何故か挨拶に借り出される、俺と藤堂師匠。
何で俺ぇっ、って思っていたが…俺ってぇ此処のオーナー扱いでしたっけねぇぃ。
マジでぇっ!
引っ張り出されてテーブルを廻る嵌めにぃっ、っか…素人カレーコンテストにて審査員として招かれていた方々の姿が、ねぇぃ。
「貴方、大変美味しゅう御座いますが…どういう事ですの?」って、行き成り詰問を。
え~っとぉ…何が?
戸惑い、他の方々見遣ると…肩を竦めて苦笑いってかぁっ。
いや、ほぉ~んとぉっ、何よ、何ぃっ!?
したら、ご婦人が仰る訳さね。
「あのカレーコンテストのカレーが霞むほどの品が提供できるのでしたら、何故、あの場で出されなかったの御座いますか?
以前に頂いた品を超えるほどの品があるとは…あのカレーを絶品っと皆々様へ告げてしまったではありませんかっ!」ってなぁ。
っか…アータァ………何しとんのぉっ?
ってもなぁっ彼女は有名な料理研究家である著名人にて、その舌には定評のある方。
流石に無碍には出来めぇいよぉぅい。
「それは、あの品は素人たる私が出品した品だからで御座います」
「どう言うことですの?」ってキョトンってなぁっ。
「私は元々会社勤めのサラリーマンでして。
会社関連にてコンクールの成果にて、この仕事に抜擢されましたが素人には代わりありません。
現在は料理人として精進賜りつつ向上に励んでおりますが、実質厨房を切り盛りしおりますのは隣に居ります藤堂で御座います」
って藤堂師匠に…パスってかぁっ。
師匠がチラって俺を見て…う、ううぅっ、後で修行フルコース決定な予感がぁぁっ…皆にも御裾分けを、なぁっ。
分け合って挑むのが解であろうて、ってなぁっ。
「ご紹介にあがりました、藤堂で御座います。
っと、申しましても…皆々様方とは、以前にもご挨拶差し上げたことが御座いますが」って、さ。
いや…師匠だけ予めってぇのは酷くねっ?って思ったりしたんだがよぉぅい…違ぇってねぇい。
実は藤堂師匠…イタリアやフランスで働いていた時や、日本にて働いていた時にぃお歴々と会ったことがあんだとさぁ。
流石は藤堂師匠ってなぁいっ。
「さようで御座いますか…貴方が矢鷹さんと組まれたのであれば、納得のお味で御座います。
大変、美味しゅう御座いました。
また、寄らせて頂きますわ」
そう言われ、ニッコリってなぁ。
その後、藤堂師匠の力作スイーツを堪能されて退席された訳だが…大絶賛だったぜぇい。
っか…それをカメラが捉えていたってよぉぅい。
後にテレビ特番にて放映され雑誌に載ることに…頭を抱えるのは後程ってかぁ?勘弁してくだせぇいやぁっ!




