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そんなのありか21

新居へと引越し落ち着いた頃に業務が始まった。

先ずは一週間ほどは研修期間っとなり、この店にてプレオープンに向けての準備期間となる訳さね。


先ず、ホールへ厨房、ホール、事務の全スタッフが集まり顔合わせとなる訳だが…何故、居る…大林、さ・まぁっ!

ホールに集まったスタッフ一同に緊張が走ってんぜぇぃ。

そんなスタッフ達にニッコリ微笑んだ大林様が訓示ってかぁっ?


「此処へ集まって頂いた皆さんは、我が社の食品部門にて得られる最高のスタッフだと自負しております。

 私は、本プロジェクトは社の行く末を担う重量なプロジェクトと位置付けております。

 皆さんの働きに期待しておりますので、どうか(はげ)んで頂きたい」ってねぇぃ。


ってぇ…マジ、かぁぁぁっ!


その(あと)でぇ…「では、此処のオーナーを任す矢鷹氏に一言頂こう」って…い、いやぁ…マ・ジ・でぇっ?

(いた)し方ねぇんでぇ、挨拶をばってねぇい。


「ご紹介に上がりました矢鷹と申します。

 事情は周知されているとは思いますが…元々は会社勤めのサラリーマンでした。

 趣味で作っていたカレーに着目される事案があり、この様な晴れがましい立場へとなっておりますが、料理人としては素人に近い身であります。

 藤堂師匠にて日々修行を施されておりますが、まだまだ途上の身なれば、皆様のご協力を承りたく存じます。

 短いですが、これにて挨拶とさせて頂きます」ってなぁっ!


いやぁ~っ、緊張したぜぇぃっ!


そんな俺を苦笑いしつつ見ていた藤堂師匠がねぇぃ。

「おぅ、テメェら、理解しちょるんじゃろーのぅ。

 ユウは此処のオーナーで、大林様の肝煎りじゃけぇ…舐めたら承知せんけんのぉっ!

 それにじゃ…一月たぁいえ、儂ん指導へ喰らい付いて来た男じゃ、ほじゃけぇのぉっ…()うとる意味、分かるのぅ?」


藤堂師匠が告げると…ザワザワって、ねぇぃ。

っか…あんるぇっ?何、その反応ってばよぉぅい?


「あ、のっ…藤堂さんの修行を耐え切った、だっ、とぉ…」

「ああ…しかも、1ヶ月ったぞ、をい」

「おまえ、以前に指導受けただろ?一週間だったけか?どうだ、いけるか?」

「無茶言うなぁっ!あの扱きっうか、拷問に近い修行だぞっ!っか…い、1ヶ月ぅ!?」


なんて声が…いや、マジでぇ?


そんなん思ってっとぉ…「大丈夫じゃ」って。

いや、何がぁっ?


目出度(めでて)ぇことにのぉぅ、こんからテメェらもユウ共々、日々、儂が指導しちゃるけぇのっ。

 喜ぶが()えぞぉ」って…何処をどう喜べば()いんじぁぁぁぁっ!


厨房スタッフ達は、あまりの事に白目って…ええっ、どんだけぇ~


そんなん有ったが決起集会っとも言える顔合わせが済みプレオープンに向けて動き出す、俺達。


ホールスタッフ達はホールの整備と接客に対する研修を繰り返し備えているようだ。

事務スタッフはオープンに向けた手続きや挨拶に調整などの諸々に追われている。


では、俺達、厨房スタッフはっと言うとぉ…

先ずはカレーの下拵えをスタッフと一緒に行なう訳だが、最初に行なったのは全員が俺のレシピにて各々カレーを作成って工程だった。

いやぁ~、全員の足元にも及ばない技量の俺が混ざってっからよぉぅい、目立つのなんのって…

っか、何で俺、此処に混ざってんの?帰って良いっすかぁっ?


そんな虐めに近い環境にて作り上げたカレーなのだが…何故か、俺のカレーが一番出来が良かったってねぇぃ。

って、あんるぇ?


厨房スタッフ達も目を()いて、俺のカレーを試食していた。


「どう言うことだ?味が全く違う…いや、香りかぁっ!」

「おお、確かに!俺達の作った品とは違う芳醇な香りだぁ!」

「いや…しかし、同じ食材で同じ調理工程で作ったんだぞ?

 何故に、此処までの差が?」


スタッフ達が驚いてザワザワってなっ!

いや…それが分からんからこそ、俺が此処に居る訳でぇ。


「どうじゃ、ユウと一緒に作ったことで、ユウが此処に居る意味が分かったじゃろうが」って藤堂師匠。

その一言に頷く厨房スタッフ達。

い、いや…素人の俺を(うやま)わなくて、()えんじゃよ?


っかさぁっ、このデモンストレーションっう感じの工程にて、厨房スタッフ一同が纏った感じに…

いや、流石は藤堂師匠って感じだろうかねぇぃ、いよぉっ、藤堂師匠、日本一ぃっ!

っうことでぇ…調理修行ぉ手を抜いても()えんじゃよ?

っかさぁ、手加減して下さいやぁぁぁっ!白目。


そんな感じで日々を過し迎えたプレオープンの日。

大林様が招いたのは…各界の著名人って…いや、マジぃぃぃっ!


先ず、最初にプレオープンに招く客について知ったのは、当然、事務スタッフでぇ…蔵さんが慌てた様に藤堂師匠にコールってかぁっ!

ところが藤堂師匠ってば流石って言うのか…「ほぉぉぉうっ、流石は大林様じゃのぅ、面白(おもしれ)ぇじゃねぇけぇ」ってさっ。


い、いや…俺達には話している内容は分からなかったのだが…

「テメェらぁっ気合入れろぉぉっ!

 プレオープンの客は各界の著名人じゃけぇのぅっ!

 大林様に恥ぃん掻かせたら承知せんけぇのっ!」


って、(かつ)…って、え、ええええぇ~っ!

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