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俺と彼女と宇宙輸送艦セドナ  作者: 川越トーマ
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火星の歴史

 火星開発の目的は、火星を小惑星帯の鉱物資源開発の前進基地にすると同時に、入植を通じて地球の人口問題を解消することだった。

 宇宙暦元年、莫大な経費と長い時間をかけてテラフォーミングされた火星に入植が開始された。

 当初、火星の住民は科学者や軍人などであったが、調査、研究、環境の調整といった惑星開発の極初期の段階から、土木工事、開墾、農作業といった大量の労働力が必要な段階に進むと、地球で生活に困っていた低所得者層が新天地を求めて続々と火星にやってくるようになった。

 すると急速に人口が膨れ上がり、宇宙暦一〇〇年には火星の人口は三億人を超えた。

 そして、世代交代し自治が行われるようになると、火星は地球からの独立を強く望むようになった。

 宇宙暦一四五年、幾多の小競り合いを経て火星は政治的には地球からの独立を勝ち取った。 

 しかし、火星は引き続き労働力の提供場所でしかなく、地球に富を吸い上げられていた。

 火星の人々の不満は増大し、とうとう宇宙暦二〇九年に、火星政府は火星に存在する地球の資産をすべて没収した。

 公式・非公式の場で平和に向けた様々な交渉が行われたが、成果を見ることはなく非難合戦はエスカレートし、地球の多くの国で、火星を懲らしめるべしという世論が沸き起こった。

 鉱物資源開発の現場である小惑星帯を舞台に火星艦隊と地球艦隊の小競り合いが頻発し、少なからぬ死者も出た。

 そして、とうとう火星と地球が接近する二年に一度のタイミングを見計らって、地球は火星に対し懲罰の意味をこめた大規模な軍事行動を起こした。それが先程の映像の戦いだった。

 戦闘は火星の歴史的な勝利に終わり、今はその戦いから、さらに二年が経過していた。

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