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冒険者ギルド

「よくここまでたどり着けたなぁ小僧ども。」

 どう対応しようか固まってた俺たちに、おっさんはにかっと笑って労ってきた。

「... へ?」

「だってお前ら、西の森のゲートから迷い混んで来ちまったんだろう? 途中魔物にやられずよく来られたもんだ。」

「あー... えっと、まぁ... ?」

 へらりと笑いながら、俺はそっとクロちゃんを懐へ隠す。

「大変だったろうが、ここまで来れたなら安心しろ。ギルドに頼んだら元の世界まで送ってくれるからな。」

「えーと...」

「まぁ、ついてこい。疲れただろ。ギルドも水くらい出してくれるだろう。」

 おっさんはどんどん一人で話を進めて、俺らについてくるように促した。 


「... どうする?」

「立ち話もなんだし、とりあえずついていってから話を聞こうか。」

「せやな。喉乾いとるし。」

 翔の言葉に勇が同意し、俺たちはおっさんに連れられて、村の中へと入っていった。




「ここが冒険者ギルドだ。うちみたいな警備のいない村では村の自治も担ってる。ーーおーい、また異世界人が迷い混んでたぞー。」

 また?

 気になることを言うおっさんの呼び掛けに、ギルドの中にいた何人かがこちらを見る。

「ーーゲートが繋がったままとはいえ、一生のうちに異世界人を何度も見るなんて珍しいこともあるもんだ。」

 言いながら出てきたのは、見るからに強そうな初老の男性だった。

「じゃあな、任せたぜギルドマスター。」

 おっさんは去っていった。

 

 えーと。


「まぁこっちに来て座りなさい。何か飲むか?」

「... ありがとうございます。お願いします。」

 ギルドマスターの言葉に、翔が応えて勧められた椅子に座る。

 奥からお姉さんが出てきて、お茶を置いて行ってくれた。

 ありがたくいただく。... ちょっと癖のある味だけど、悪くない。


「さて、突然知らない土地に迷い混んで大変だっただろう。ここはドムガルム国フィッツラル領べラムの村だ。」

 うわ、覚えられる自信ない。

 とりあえず頷きで返す俺たちに、初老は続ける。

「わしはこの村の冒険者ギルドマスター、ガルネクと言う。数日前も迷い人をゲートまで送ったばかりだ。君らも安心しなさい。」

 その言葉に、俺たちは顔を見合わせる。

「俺らの前にもここへ来た人がいて、しかも送ってくれたんですか?」

 翔が代表して訊ねた。

 そんな話、じーさんからは聞いていない。

「ああ、ご高齢の女性だった。西の森の街道で発見されてな。たまたま旅人が保護してここまで連れてきてくれたので、ギルドでゲートを探して送っていったのだが... 混乱していたせいか持病なのか、少々会話が成立せんかったな... 」

「... 徘徊老人が迷い混んだか。それで異世界がどうとか騒ぎにならなかったんだな。」

 翔が口元に手を当てて呟く。

「... 君たちはだいぶ落ち着いているようだが。」

「ええ、まぁ。ところで、こちらで保護されたのはその高齢女性だけですか? 若いーー十代後半くらいの女性は?」

「いや、そのあとは君たちだけだ。」

「そうですか... 」

 その答えに、翔はため息をつく。


「ギルマスはんは、ゲートやら異世界やら、よう知ってはるんですか?」

 勇が訊ねた。

「ああ、よく知っているわけではないが、仕事柄異世界の存在は聞いたことはあった。本物のゲートに関わったのは今回が初めてだが、ゲートを発見した場合のマニュアルは各ギルドに通達されているらな。」

「つまり、条約加盟国か。」

と、翔。

 なるほど。異世界を認識し、互いに不可侵の条約に加盟しているから、徘徊異世界老人が迷い混んでも、子どもが三人迷い混んでも、こうして対応してくれる、と。

 納得する俺たちを見て。

「ーー君たちは、迷子じゃないな?」

 ギルドマスターは、面白そうに言った。


 しばし、考えるが。ーー今更か。


「そうです。俺たちの世界から、女性が五人立て続けに失踪したそうです。俺たちは、その人たちを助けに来ました。」

 翔が、ギルドマスターをじっと見つめ返して言った。

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