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ギルドマスターとの話

 朝食のサラダを少しパクっておいたのをクロちゃんにあげてる間に、防具を付けたりと身支度を整えた。

 長い髪は、昨日動いてみてわりとと邪魔になったので、宿のおかみさんに紐をもらってしばる。

 こっちにはゴムがないらしい。

 次に異世界来るときには色々自分の世界で用意が必要だな...





 さて、用意が出来た俺たちは、ギルドに来てみた。

 昨日、ゲートを通ろうとする奴が来るのを見張るつもりだったのがコウモリの襲撃で台無しになってしまったわけで。

 コウモリのせいってか、俺が暴走したせいっていうか...

 

 ともかく。


 撤退するときに見えた大きな影。

 完全に怪しいのに、撤退してきてしまった。

 もう、ゲートが何らかの作用で使えなくなっていることはばれたと思っていいだろう。

 そうすると、あとは何かギルドで情報をーー


「... 誰だ、お前ら。」

 受付で用件を伝えると出てきたギルドマスターは、俺たちの顔を見てそう言った。

「昨日無理矢理ギルド登録させられた異世界人ですけど?」

 俺がタグを見せて言う横で、翔があーと無感動な声をあげる。

「ーー俺ら、年齢をいじれるんです。」

「なに? 凄いな、異世界は!」

 翔の言葉に完全に誤解した感じでギルドマスターは感心する。

「あー、いや...」

「一人は性別も変わっているじゃないか!」


 ... ...

 はいはい、慣れてます。慣れてますよ。


「ごめん、俺もともと女だった。」

「しかし、俺、と...」

「すみません、ワタシもともと女なんです。」

 膨れて言い直す。

「そうか... 確かに言われてみれば目鼻立ちは同じ... もともと可愛らしい少年だと思っていたが、そうか、女はずいぶん化けるなぁ。」

 うっせーおっさん。化けるって何だ。


「昨日の今日でなんですが、何か俺たちの他の異世界人で情報はありましたか?」

 気を取り直すように翔が尋ねる。

 とりあえずこれを訊いてみて、何もなかったら吸血鬼について訊いてみる予定なのだがーー


「ああ! そうだ、大変なんだ。昨晩、ゲートの周辺で大きな爆発かなにかがあったようでな...」

 ギルドマスターは難しい顔をして言った。

「... あー。」

「夜の間のことだから何があったかはわからないんだがーー昨晩ゲートの方角で何かが光ったという情報が入ってな。朝一番に様子を見に行かせたんだが、その惨状たるやダイナマイトでも使ったのかというほど地面が抉れていたらしい。」

「... はぁ。」

「しかも、その影響か何か知らんが、ゲートが通れなくなっている様子とのことだ。ーー君たちには申し訳ないが。」

 いたわるように言ってくれるギルドマスター。

 ーー大丈夫です。全部俺たちがやりました、ごめんなさい。

 気まずい思いで天井とか眺めてみる。

「ーーその件は後で考えます。他にはありますか? できれば、若い女性の行方については。」

「... それなんだが...」

 翔の問いに、ギルドマスターは言いづらそうに俺たちの顔を伺う。

「なんや?」

「あのあと、ギルドを訪れた連中には聞いてみたんだが、やはり情報はない。... ただな、この辺じゃ、日が暮れてからは誰も街の外に出ないんだ。だから、夜の間に迷い込んで来た異世界人がいたとしても、発見されずに魔物にやられちまってる可能性がーー」

「夜には街から出ない... それは?」

 淡々と訊く翔に、ギルドマスターは重々しく言う。

「ああーーこの辺りは出るんだよ、吸血鬼が。」


 あー、うん、それも一応知ってました。


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