3.ミネside 初歩的なことが抜けてたりすることもある
「いない・・・・?」
さっきまで、ドアの手すりを握って回すまで
私は、過去にないほど胸が踊っていた。
あの、異世界人は朝、起こしにきたのが
私だったら驚くだろうか、怒るだろうか
はたまた、先日見たような
笑顔を見せてくれるだろうか
とにかく、楽しみにしていた。
しかし、ドアを開けてみると
ベットの上に膨らみは、なく
彼女のたった1つのバックが
なくなっていた。
簡易的な机の上には
「お世話になりました。決して、害にならないことを誓います。関わったこと全て他言しません。」
と、メモが残してあった。
「司祭様!お母様が罰せられるのは、やはり何かの間違いではないでしょうか!」
唖然としてると、涙目で肩を震わせている
侍女が入ってくる。
後ろからは、侍女長が一礼をしてから発言する。
「昨日は、司祭様のお考えがあるのだと
思っていましたが私達には皆、あの方に恩があります。何か、罪に問われることがあるとしても情状酌量の余地はないのでしょうか。あの方がこちらに来てまだ5日目。何か悪事をやるのにもたかが知れてると思うのです。どうか、こちらの嘆願書を受け取り下さい。」
「待て。何の話をしているのだ。」
そこから、事情を良く聞くと
異世界人が命を狙われてると勘違いして
ここを夜逃げのように出ていった可能性が
高いということが分かった。
この国が、女性1人の生活費すらも
惜しく殺そうとするなどと考えるなど
不敬である。ましてや、神に遣える
私がそんな野蛮だと思われているなら
心外だ。
早く連れ戻して、分からせるまで
教会で過ごさせなければ
私は、捜索願いを出すため
王の元へ向かい、また唖然とすることになる。
異世界人の名前を誰1人知らないことに・・・・
寝起きドッキリ失敗