『光の王国の奴隷』
『光の王国の奴隷』
漆黒が支配する夜にまぎれ
冷たい雨のなかを駆け抜け
まだ見ぬ光溢れる世界へと
我々は逃走を試みる
その瞳に映し出されたのは希望?それとも絶望?
欲しいものを掴み取るはずだった手は
悲しく宙をさまよう
この世に渦巻く人の業と欲望から
誰も逃れることは許されない
賢者さえもただの歯車
すべての者は奴隷として仕える
君主不在のこの光り輝く王国
仮面なしじゃ生きていけない
腐敗した空気が民を侵す
その心、白から黒へ
今日の真実は明日には意味をなくす
強大な力の矛先は弱者にしか向かない
他者を貶め自分を高めてはまた堕ちていく
それでも君はいきたいのかい?
もがき苦しみながらも慾を捨てられない者がいる
失ったものを必死に取り戻そうとしてる者がいる
別に構いやしない
しかしその領域に達したときに現実を知らなければならなくなる
そこに希望など初めから存在していなかったことを
結局囚われの身であった君は次に何を欲するだろう?
もう戻ることは叶わない
既に獲得していた自由は対価として取り去られたから