大惨事のカウントダウン 「私は今の人間が嫌いだった」
誰かが言った。
「あの黒いウィンドブレイカーって…」
と。
シャン・ド・マルス公園の天気は良好だった。
時刻はフランス時間で午後二時、辺りは燦々とした太陽の光に照らされていた。
その輝きをまともに吸い込み強い熱を帯びた男が羽織る黒いウィンドブレイカー。
タキシードの男、『Représailles』はとある声を聞いて自身にも思うところがありマジマジと見る。そして理解した上で理解したくない事実に辿り着く。
「きっ…貴様っっ…!!まさかっ!まさかそのウィンドブレイカーはっ!」
「あっ?たくさっきからギンギンうるせぇーなー、そこの礼服。てめぇマイクなんか必要ねえだろ」
『狂喜の三挺』はうんざりしたように頭を掻きながら、面倒臭そうに自分の羽織物に目を動かす。
「あー、これ?いやこの間戦っていてなかなか骨のあるやつ見つけてよぉっ! 確か名前は…あぁ忘れたけど結構強いやつだったからPAIの部分だけぶち壊して戦利品として着てる。いやぁ、いいだろ?こいつ。この秘匿性が俺の裸を引き立てるっぅんだよぉうっ!!」
『狂喜の三挺』は恍惚に酔いしれた顔で饒舌になる。その感情は自身の裸を見せつける趣向と、衣服の仲間を侮辱して怒りに狂う姿を拝むのを楽しむ感情に支えられていた。
「貴様、『Lucente』軍曹を…っ!死んでからも辱しめるかっ!」
「そうそうそうっ!確かそんなカンジの名前だったよ!ギャッハッハッ!って…あん?」
『Représailles』の反応を、しいては周りの服々が憎悪にくれる様子をいちいち楽しんでいた『狂喜の三挺』はここで彼にとって意外なものが目に入った。
「なんだっ…なんだよ! お前! どこの解説坊っちゃんかと思いきや…碧倉シャルルじゃねえか?久しいなぁ、5年ぶりかぁ?」
「………………っ」
「おいおい、なんだよ、睨むなよ、まだ根に持ってんのか?俺がお前の親父、〝碧倉光一〟を殺したことを」
「てめぇっ!」
「うおっと、ッハハー!」
男は誰かを挑発することの天才であった。無言で睨み続けていたシャルルだったが遂に怒り頂点に達し顔面に蹴りを一発喰らわそうとする。しかし両手に重火器を持っているというのに男は素早く動いて簡単にそれを避けた。
「〝碧倉光一〟だと?」
『狂喜の三挺』の言葉に強く反応したのはシャルルだけではなかった。『Représailles』や皇帝達、いや…この場にいるほとんどの人が強く反応した。代表するように『Représailles』が言う。
「〝碧倉光一〟と言えば、人類史上最大級の天才であり、『Génie』様と互角の知能指数を持ち、そしてなにより『Génie』様の事実上の生作者か?」
「そうそう、“その”〝碧倉光一〟よぉ、タキシード君。知能指数が互角なのは当然だろ?奴は自分の脳をモデルにあれを造ったんだから。にしてもアレだよなぁー。ノーベルのダイナマイトにアインシュタインの原子爆弾、そして碧倉光一の完全人工知能かぁっ…。ったぁく、天才ってのはホント戦争を面白くしてくれるよなー!!!!」
誰もが注目するなかで男は改めて重火器を構えた。
「つー、わけで。てめぇら皆殺し、ギャッハ」
重なる爆轟と叫轟。
『狂喜の三挺』は突如にして無数の悲劇の種を植え付ける。彼はまず無差別に辺りにいる服々にマシンガンでAMDを放ったのだ。服に開けられた穴は彼らに苦痛を与え叫び声を吐かせる。そしてあまりのダメージから動けなくなる。
彼は狂気なようでいて同時に冷静でもあった。今の初撃で実は誰も死んでいない。彼は非武装の服達の足を止めて自分の盾にしたのだ。そうすれば皇帝達の傍に控えている武装兵もそうそうに手を出せないからだ。ここからイーブン以上の戦況で武装兵と戦えるのである。
「ギャッハハハ楽しいねえ楽しいようっ!」
彼は次の標的として武装兵に狙いをつける。
しかしハっとなって一度屈み、その後に振り返って自身の重火器本体を剣のように振り、後ろにいた者に叩きつける。
「ぐっ…!」
その者は強い衝撃で弾き飛ばされる。そして甚だしい痛みに地面に這いつくばらされてしまう。『狂喜の三挺』はその様子を愉しそうに見ていた。
「シャールルゥッ!! てめぇの欠点はその完璧過ぎるコトだぜぇ?その完璧さゆえに“確実に狙いはヘッドショット”だって分かってさえいれば避けるのは容易いんだよっ!」
「くっ…」
「大丈夫か!シャルル!」
ジルベールは地面に寝ている彼の傍に駆け寄る。
その姿を見て『狂喜の三挺』は愉しさで更に顔を歪める。
「おいおい主人公クンッ! てめぇ様はもっといろいろと心配することがあるんじゃねえの?」
そしてそう言うと男は自分の足下で倒れている銀子を指差すように、右足でトントン蹴りながら銃をその身体に向ける。
「さぁーて、こいつはどんな声で哭くのかなぁっ」
「銀子っ!」
「…すまぬっ」
銀子はゆっくりと自分の不甲斐なさを謝った。ジルベールは立ち上がりキッと『狂喜の三挺』を睨む。だがそれはかえって男を興奮させた。
「ハッハッハッハッハッハ!! おいおいおーい!怖いねえ!そこの主人公気取りさんは! ところでよー、お前、なんで俺が“三挺”って呼ばれてっか知ってっか?」
「はっ?」
男は自分の腰元に視線をずらし剥き出しの股間を堂々と見せつける。
そこには黒光りする生々しい三挺目があった。
「俺はAMDで粉砕されたPAICによって解放された女が、感謝の念を持ってこっちを見てきてるのを踏みにじって死ぬまで犯すのが好きなんだよっ!」
彼のこの―――この時代なら尚更の―――異常性癖が万人殺しの所以である。
「しかもこの人間の女、かなりの上玉だしやりがいあるじゃねえか!」
「やめろっ!」
ジルベールは怒鳴る。
「っせーなー、俺はバイセクシャルなんだよっ。後でてめぇもやってやっから、ちょっち待ってろや」
男はうっとうしそうにその制止を無視して引き金に指をかける。
そして彼の二挺は一切の躊躇なく火を噴く。
連轟する激しき爆音と降り注ぐ金属質の脱け殻の雨と蔓延る硝煙の臭い、それと周囲の声とも知れぬ声の負のロンドが響き渡る中で―――――
――――――しかし『狂喜の三挺』の三挺目がその弾を放つことはなかった。
なぜなら『狂喜の三挺』の二挺の先と銀子の上には、AMDで紳士服を剥ぎ取られながらも懸命に銀子を守り続ける――――――
――――…一人の全裸の青年がいたから。
呆気に取られてしまっている『狂喜の三挺』の隙を突いて、ジルベールは無理な姿勢を気にせず男の顔面に右拳を加える。
「ぐっほっ…!?」
『狂喜の三挺』は単純な痛みと不意を突かれたことによってよろめいた。しかし数秒で我に返り初めて怒りを表に出した。
「こんのっ、クソガキッ!! 人間だからって手加減していたら調子に乗りがってぇっ! まずはてめぇをぶち殺す。俺の魔改造M134連装機関銃は、AMD弾と実弾とを自由にシフトチェンジ出来るんだよっ! んで、今は実弾だ。しかもこの距離からならぜってぇ外さねえ。だからさっさと死ねやぁっ!」
ジルベールは流石に目を瞑った。それでも銀子は傷付けまいと自分の後ろに隠し守ろうとする。
この機関銃は秒間100発という連射性能を誇っていて、もし生身の人間が喰らえば痛みを感じる前に死ぬという意味で無痛ガンとも言われている。
即座に弾丸の放たれる音々。
しかし、今度はマシンガンの弾がジルベールに当たることはなかった。
なぜなら彼の前に一人の男が立ち塞がったのだ。
「あっ…あんた」
男の名は『Galantuomo』。
『幸服な世界』の軍部総司令であり、白い軍服と防弾チョッキのPAICであった。
『Galantuomo』は喰らった弾をものともしないでジルベールに振り返る。
「正直、我は迷っている。貴様の言う衣服と人間が仲良くなる平和について、それは正しいのか間違っているのか。ただ…だが我は貴様が命を懸けて姫殿下を護ろうとした信念は正しいと思うのだ!」
「おじさんっ!」
「『Galantuomo』殿、感謝致すぞっ!」
ジルベールと銀子は共に喜び合い感謝の辞を述べる。彼らは命が助かったのを嬉しがっているのではない。自分達の意志が周りに確実に伝播していることが分かって嬉しかったのだ。
「ったく、ナニお前ら人間と衣服で馴れ合ってんの?キモチワルイ。別に実弾防がれたって、てめぇらにはAMDが効くだろうが!さっさと絶望の淵に舞い戻してやっから覚悟しろや!」
そんな中で一人だけ面白くない『狂喜の三挺』はカチャカチャと魔改造M136マシンガンを弄りながら怒鳴りつける。
「シャルル君とやら、戦えるか?」
『Galantuomo』は目だけ動かしシャルルを捉え話し掛ける。
「体が無事かという意味では戦えますが、勝てるかという意味では戦えません」
「ほうっ、あの〝碧倉光一〟の息子だというのに情けないな」
「俺は〝碧倉光一〟になりきれない、ただの〝碧倉〟だからですよ」
「?」
『Galantuomo』がシャルルの意味深長な意見を解釈しかねているようなのを悟って話を進める。
「まあ、この話はいいです。俺はフランス軍の兵士だったころ、模擬演習で何度かあの男と闘かったことがあるんですが一度も勝ったことがないんです」
「M134だなんて本来は銃架使用が前提のマシンガンを両手にそれぞれ持っている奴なら、いろいろと戦い方があるだろう?」
「さっき、俺を簡単にいなしたときの事を覚えてます?あんなにあっさり何も持っていないかのようにM134を振り回したのを。奴は格闘銃術とジャマダハル剣術と幾つかの近代格闘技を参考にして独自の理論を加えた重火器格闘を扱えるんです。奴に弱点はありません」
「ふむ、要は一人では勝てなかったということか?」
「だからそうだと…!」
「なら、2人で協力して戦おう」
「…………っ!」
この実戦的にはあまりに現実的で、しかしこの時代としてはあまりに非現実的な提案にシャルルは一瞬驚き、そして柔和な笑顔に変換する。
「ふっふふ…ははっ、バカみたいだ。だがむざむざやられるのも嫌だしな」
「決まったようだな。では、行くぞっ」
男2人がタイミングを合わせて戦いの体勢に入ろうとした時だった。
「ちょっと待ってくれないか、シャルル」
黒ビキニの女性の『Invidiosa』が彼らを止めるように前に出た。出鼻を挫かれてずっこけそうになるのをなんとか押さえながらも、シャルルは『Invidiosa』が何か考えがあるのかと考えて様子を見守る。
「ずっと考えていたんだが、やっと分かったんだよ。成る程な。今までそうやって邪魔な奴を廃してきたわけか」
「あん?なんだそこの女、俺の戦い方が分かったところでなんだって言うんだ?そんなこと分かったところで…」
「ああ。お前の話じゃないんだよ“ジョージ”」
「あっ?」
『Invidiosa』の戯れ言を鼻で笑おうと考えていた『狂喜の三挺』は、自分が見当違いのことを言っていたと気付いたこと、そして意外な人物に意外な二人称で呼ばれたことに驚いた。
「いや、ジョージは英語読みか、お前にはこう言った方が伝わるかな“Γεώργιος”」
「はあっ?何で、てめぇ、俺の名を………はっ!」
「ふふふっ、やっぱか…」
あまりに驚きにくれていた『狂喜の三挺』は注意力が散漫になっていたようで、『Invidiosa』に誘導されたことに気付くのに時間がかかってしまった。
「成る程な、この“ジョージ”…いや、『狂喜の三挺』とお前はグルだったのか」
『Invidiosa』はそのままとある男に目を向ける。
「なあ?『Représailles』枢機卿サンよ」
全員の目がタキシードの男に釘付けになる。
彼は集まる視線に多少焦りながらも冷静を装おうとする。
「ふっ何を言っているんだ?そこの貴様」
「おかしいと思っていたんだよ。『狂喜の三挺』は最初「音速爆撃機で来た」とか言っていたけど、最新鋭のレーダー装置が旧世代のステルス機構程度に、いや…熱源も、ソニックブームも、何も関知しないで敵の侵入を許すなんて有り得るか?」
「未熟だなあ、『Invidiosa』くん。科学がいくら先端を行こうが完璧なんてことはないんだよ」
「それが起きるのが十京分の一だとしてもか?」
「ぐっ」
「私はお前の特殊部隊として多くの人と戦ってきたよ。顔は今日まで見たことがなかったが、その同僚に“ジョージ”という名の組織最強の男がいると聞いてね。全てが繋がったよ」
「っぐ、衣服の同志よ!お前らは人間に寝返ったような奴の話を信じるのか!」
戦況が悪くなった『Représailles』枢機卿は別口の攻め方をすることにした。つまり衣服の同志を味方につけて相手が裏切り者だということを追求しようとしたのだ。
だが、『Invidiosa』の方はその卑怯な遣り方を堂々と受けた。彼は『Représailles』枢機卿だけでなく周りを見回しながら言う。
「昨日まで、私は今の人間が嫌いだった。だって人間は私から存在価値を奪ったから。だからそんな人間なんて滅亡すればいいと思っていた。でも違った、私にはまだ価値はあった!ただ私自身が見えなくなっていただけだった!」
ここでジルベールの所に歩みより、彼の肩を叩く。
「それをこいつがそれを教えてくれた。人間がだ。確かに人間は私達がいなければオシャレもすることも出来ない、けど…人間のこういったオシャレへの志しがないと私達って本当の意味で生きているって言えないんじゃないかなっ!それに気づいている同志もいるんじゃないか?」
この『Invidiosa』の言葉に周りの衣服は少しざわつき始める。
彼女に変わって今度はちょこんとアニエスが緊張しながら前に出る。
「わっ…私は今の人間だけど服がないと全然外も歩けないっ。こういう人って意外と珍しくなくてたくさんいる。彼らは皆、家に閉じ籠って服を着ている。私達の服飾ギルドはそんな人達に衣服を作ってあげるのが仕事」
アニエスは気持ちが乗ってきてボリュームを少しずつあげる。
「でも、彼らはきっと外で服を着て楽しくどこかにお出かけしたいと思ってるはずなのっ! 変なこと言うけど私今こんな戦いの最中にいるけど、こんな可愛いドレスを着てこんなパーティー会場に来れてすごく幸せな気分なんだよ」
アニエスはドレス(メイド バイ ジルベール)を見せびらかすように体を動かしてドレスを揺らめかす。赤と黒の二色で織りなされたドレスは気品と気高さを内包していた。
彼女のその素直な言葉に衣服の一部からは「久しぶりに生身の人間に着てもらって旅行とか行きたいな」「イキイキとした人間に触れてる時ってこっちも楽しいんだよな」「やべぇ、思い出したら涙出てきた」などという声があがる。
「ふざけんなっ!だからって私がっ…我々が今まで受けてきた数々の侮辱を忘れろというのか!」
『Représailles』枢機卿はそんな空気に怒りを覚えて皆に思い出させようと渇を入れる。
「ふっ…ああそうさ。俺はあの男と組んでいた。だが、聞いてくれ! それは屈辱の事実を知らないぬくぬくと温室で育ってきた王公貴族共がトップでは我々下々の意志を反映出来ないと思ったからだ! 奴らを無き者に、いや…別に生きていても構わん、彼らが人間の醜悪さ恐ろしさが分かってもらえるだけでも良かった! なぜならそうすれば真に我々衣服は一致団結して今日まで悪行の限りを尽くした人間を滅することが出来るのだ!」
『Représailles』枢機卿は開き直った。彼は最早この戦いが終わって王公弑逆の罪で自分が責められようともどうでもいいのだった。彼の中にあるのはただの純粋な憎しみの進行だったのだ。
「まあさ!まあさ! なんか暴露本ばりにいろいろカミングアウトしちゃってるけど、俺にとっては別にどうでもいーんだよね!誰の下につこうが、どんな奴を裏切ろうが、主義が主張が支離滅裂だろうが、戦争さえ出来ればなんでもいーんだよっ!」
『狂喜の三挺』が言っていることとは裏腹に『Représailles』の宣言に呼応したようにテンションをあげた。彼はその勢いで再びマシンガンでの攻撃を開始しようとしたが、何かに反応して前を向いたまま右手の一挺で後方を撃つ。
すると彼らのはるか後方で小爆発が起こる。『狂喜の三挺』の放った銃弾がグレネード内臓だったではない。弾が向かってきていた“ミサイル”に当たり誘爆を起こしたのだ。
後ろをマトモに見もせずバッティングを成し遂げた『狂喜の三挺』はうざったそうに後ろを見る。
「王様、てめぇが出てきやがったな」
その場にいた皆がつられてその方向を見る。
そこには武装した裸の軍勢とその先頭に立つ一人の肥えたオッサンがいた。
「ちっ、やはり生きてやがったか『狂喜の三挺』。まさかお前が向こうと繋がっていたとはな」
M136AT-4携行対戦車砲を手にして佇んでいた裸のオッサンの正体は『楽園再生』のトップ、『裸の王様』であった。
「ふっ、本当は『脱がし屋』に『狂喜の三挺』討伐を期待していたんだが、何者かにやられてね私が直々に出たのだよ」
「ふんっ、この俺が『脱がし屋』レベルの三流に殺られるかよ」
「そして、久し振りだな『Représailles』。PAI研究所以来か?会いたかったぞ」
そう言って視線をタキシードの男に移す。
「くそっ、『狂喜の三挺』のためにレーダーを切っていたのを悟られたか。相変わらず抜け目がないな“藤五郎”」
「その名を憶えててくれるとは嬉しいよ。私に抜け目のないのは当然だろう。私はPAI研究では『AIの穴を突く』という【分析】の仕事をしていたのだ。貴様らの隙は見逃さない。さて、最終決戦と行こうか!『Représailles』!」
「貴様の首を『Génie』様の墓前に捧げて勝利を報告するのが楽しみだよ!“藤五郎”!」
二頭の頂点は互いに威嚇する。人間側にも衣服側にも稲妻のような緊張感が走り抜ける。しかし彼ら両者の幾部は迷っていた。見つけあぐねていたこの戦いの意味を。混乱しつつも、自分達の指導者の勇ましい様を見ることによってなんとか自分達の主義主張を心に止められることが出来るのだった。
だが、そんな柔な繋がりを〝そのモノ〟が見逃すわけもなかった。
「ふふふっ、これで全員が揃ったな」
嵐を予感する戦争の頂上決戦の匂いを嗅いで〝そのモノ〟は静かに笑った。
【あとがき】
いろいろあったなー
残り二回です。
では明日。