価値観の行方 「思うに…、裸とは最もエロスを…」
「すいませんがねぇ。そこの人…ちょっとー…止まってはもらえませんか?」
二人の男が突っ立っていた。頭に被っている警官帽と彼らが手にしている特徴的な手帳が彼らがフランスの警察官であることを証明していた。彼らは目を尖らせて彼らの前にいる3人を見る。
ジルベールは顔に一筋の汗を垂らした。
その滴が少しずつスピードを上げながら首、胸、腹、股関節、膝、アキレス腱と通って床に染み入る。彼はその一連の流れの間も新たな仲間を生み出していた。そして肌表面の湿り気が増えるのとは対称的に口の中は沙漠のように渇ききっていた。
全裸の男がフランスの端の方で緊張していたのだ。
厳格な様子の男警官二人に職質を喰らえばほとんどの人間が縮み上がるだろう。そしてジルベールも例外ではなかったわけだ。だが、彼は別に猥褻物陳列罪で取り締まられているわけではなかった。なぜなら、それならばまずはその警察官達は“全裸で歩いている自分達”を逮捕しなければならないからだ。その警官の目はジルベールの隣の橙髪の少女に向けられていた。彼女は黙ったまま俯いてしまっている。
「(シャルルぅ…やっぱり無理があるよぉぉっ……)」
彼は少女を挟んで隣にいるストレートな紺髪の青年に弱々しげに視線を送る。
しかしシャルルの方は打って変わってリラックスしているようだった。
やがて、警察官は痺れを切らして少女に問う。
「おい貴様、なぜ肌身を包帯で覆っている? はっ、確か聞いたことがあるぞ。古来の日本にはサラシと呼ばれる下着があると。となると、すまないが貴様を証秘罪で連行しなければならない」
警察にそう言われても相変わらずアニエスは黙りを決め込んでいた。それはビビっていたのも一つの理由だが、それよりも包帯で恥部を覆っただけの即席の下着姿が晒されていることに赤面していたのだった。
ここで警官とアニエスの間にシャルルがゆっくりと入っていった。
「いえいえ紳士殿、彼女には深い理由があるのですよ。これを聞かずして法律に従順な無機質な行為をするということは、完全なる自由を掲げる『楽園再生』の一員としてどうなのでしょうか?」
我が友は俳優だったのかとジルベールは思わず湧き出た唾を一口に飲み込む。
彼はテアトル・フランセに再臨したタルマのように一言一言を紡いでいく。その芯の通った饒舌に圧されればいかに警官と言えど聞かざるを得なかった。
「そ、それは申し訳ない。では理由を聞かせ願おう」
「はい、実は彼女………」
そこでシャルルはしゃがみこみ、頭が丁度アニエスのデリケートゾーンに届くくらいで止まる。アニエスが何をしようとしているのか理解できずに混乱しているのにも構わずにシャルルは一気に言い放った。
「……痔なんです」
「はっ!?」
「へ?」
「「ぬっ?」」
ジルベールやアニエス、警官達は放った言葉は違えど誰もが同じように戸惑いと驚きの入り交じった一言を吐いた。
「それも痔核、痔裂、痔瘻を同時に複雑に深刻に発生してましてね、処置は施しているとはいえ見るも無惨な状態ですよ?あっ、一応確認しますか?」
「いや…、いい。それで胸部は?」
「よくぞ聞いてくれました紳士殿。彼女、華の女子高生が重度の痔でただでさえ不幸なのにその上、先日交通事故に遭いまして一命はとりとめたのですが、鎖骨と胸骨と胸部肋骨を粉砕骨折しまして現在は補助のためにリン酸カルシウムを主成分とするハイドロキシアパタイトから作られたセラミッ…」
「分かった、分かった!もういいから!その包帯は怪我のためだというのは十分理解した。だからもう行け。 あっ……嬢ちゃん、強く生きろや」
警察官はシャルルの話を途中で遮ると無駄足だったかとトボトボとその場を去ろうとした。去り際に彼らはアニエスに同情の言葉をかける。
「ふぅ~、助かったねー」
ジルベールは緊張の糸が解れたようにホッ胸を撫で下ろした。
「ふふっ、警察なんてチョロいもんさ。今はHAPなんかほとんど使われないでiPS細胞精製骨を使うのにテキトーなんだから…」
「オレは君の度胸と演技力に心底感服するよ」
「しかもこの作戦の一石二鳥な点はね、相手がアニエスに注目するから、顔が世界に割れているジルベール君を隠せるところだよね」
「ふふふ、その度に私の悪い噂が広まるけどね…」
傍でアニエスが恥ずかしさと緊張の連続で疲れたような顔をして言う。ジルベールはアニエスが青い顔をして自棄気味に笑っているのを少し怖く感じる。そのためシャルルは困った顔をして彼女に向き直った。
「だって君が全裸が嫌だと言ったんじゃないか」
「これなら裸となんら替わりはないわ!」
「そんなこと言うなら脱げばいいじゃないか。わざわざ危険な橋を渡る必要もないし、だいいち自分…」
ここでシャルルは薄目でアニエスの胸部包帯を見る。
「別に、見せるものもなんもねえじゃねえ……がっ!?」
そのままシャルルが鼻で笑おうとしたらアニエスは無言で彼の剥き出しの股間を靴で蹴る。一発KOのシャルルは地面で悶絶していた。
「そう言えばシャルルはいつもはスーツを着ているのに全裸でも平気なんだね?」
そう切り出すはシャルル。
「べっ…別に俺はせっかく仕立てた紳士服を着ないのは勿体ないから着てるだけでそういうのはどうでもいいんだ」
地面を這いつくばりながらなんとか彼は答えた。
「二人ともおかしいのよ。うぅっ……こんなことなら来るんじゃなかった。恥ずかしいし、足を引っ張るだけだし」
「いや、そんなことはないよ」
拗ね始めたアニエスを宥めるためだけではなくジルベールは彼女に真剣な眼差しで近付いた。
「『裸が恥ずかしい』ってことは君は『人間と衣服の仲が良かったあの頃』を知っているってことだ。これは平和を訴えるオレ達にとって最強の武器になる」
「…ありがとう、でも…やっぱりこの格好で歩くのは恥ずかしいわ」
「あら?私はその格好嫌いではなくてよ?」
「「誰だっ!」」
ジルベール達三人の遥か後方から尖った女性の声が轟く。
ジルベールとシャルルは咄嗟にそちらに振り向いた。
すると100メートル先の方に黒ビキニに黒サングラスとおよそ街中では似合わない格好の女性がいた。身長はジルベール達に匹敵するくらいで女性にしては高く腰まで伸びる銀髪がビキニの醸すエロティックな雰囲気に高貴さをも織り混ぜていた。
彼女は異様だった。それは街中で肌を露出していたからではない、まるで逆。“この時代にこの世界で衣服を着ていること”が異様だったのだ。となると彼女の招待はある程度絞れてくる。
ジルベールと今度はシャルルにも緊張が走る。すると意外にもそこに更に闖入者が現れた。
「誰だ貴様!さては憎き『幸服な世界』の奴らだな!」
先程アニエスが職質を喰らった警察官である。
敵の敵は味方、この時ジルベールは少し安心した。
しかし、それも束の間のことだった。
「ぐあっ!」「ぐへ!」
「だったら何だって言うの?野蛮人共が」
ビキニの女が目にも止まらぬ速さで格闘術を繰り出し警官達を気絶に追い込んでいったのである。
「なっ………」
「CQCか…」
ジルベールが呆気に取られているなかでシャルルが冷静に言う。
「しーきゅーしー?」
「CQC、無音殺傷が改良されて各国の軍隊に伝わった近接格闘術さ。彼女、相当の手練れだよジルベール君」
「ふふふっ」
ビキニの女がまるで水着コレクションにでも出場しているかのような足取りでこちらに歩いてくる。ジルベール達は目を離せない。
「お初にお目にかかるわね。私の名前は『Invidiosa』。そこの黒髪の貴方がジルベールさん?」
「そうだけど…?」
「ふふふ、それはお気の毒だけど消させてもらうわね?」
「まっ!待てっ!オレ達は『楽園再生』じゃない!君達と対立するつもりはないんだ!君達と…仲良くするために、そのために話をしにきた!」
ジルベールは迫りくる焦りに押されながら、噛まないことだけに懸命になって自分の真意を相手に伝えようとする。まず第一はなにかに恐れずに自分の主張をすることなのだ。
「ふふふっふふふっふふふふふふ」
しかしビキニの女はジルベールの発言が心底面白いように笑い出した。
「何が面白いんだ?」
「全部よ、全部全部の大全部がね。私達は“それを知っていて”なお、…いや、それを知っているからこそ貴方を消すのよ」
「どういうことだ?」
「簡単よ、『幸服な世界』は今更人間と仲良くする気はないの。これは総意よ」
「銀子と…君達の姫様と話をさせろ!彼女なら…彼女ならきっと分かってくれるはずさ!」
「貴方も馬鹿ねぇ。だから私はここに遣わされたのよ。純粋なる第一皇女をタブらかす悪魔を排除するためにねっ!!」
「ぐっ…ほっ!?」
会話が終わるとほぼ同時に『Invidiosa』は一瞬でジルベールとの距離を縮めて回し蹴りを彼の腹にキメる。彼はその威力から数秒宙に浮き、それから後方に吹き飛ぶ。この一連の動作が終わってから彼は耐え難い痛みに襲われた。
「それに、私は、今の、人間に、恨みを、感じてんのよ!」
彼女は続けざまに倒れているジルベールに、台詞を文節ごとに切りながら蹴りを加える。
「なんなんだっ…恨みって?」
シャルルに助けられながらなんとか起き上がるジルベール。
「今の貴方達は私の価値をゼロにしたのよ!」
「どういうことだ?」
「貴方達はPAICの対抗手段として最も残酷な衣服を捨てるという選択を選んだ」
「つまり、ビキニよりも露出度の高い裸を俺達が普通の状態と認識するようになったから君は価値が減ったと言いいたい訳だね?」
シャルルがジルベールを庇うように前に出ながら彼女の意図を察して言う。
「そうよ、私は男を魅了するためだけに生まれてきた。だからその概念が通じない人間なんて全て消えればいいのよ!」
「はぁ…はぁ…」
会話しながらも『Invidiosa』はジルベールに攻撃を加えてくる。シャルルは何度も彼に代わろうとしたが、ジルベールが手で制して自分が戦うという意志を見せたので助けるに助けられなかった。しかし彼の意図が読み切れずに歯を噛みしめる。
「なんでだい?ジルベール君、君はもうボロボロじゃないか」
「い…いからっ…」
その後も防戦一方に追い込まれるジルベール君。『Invidiosa』も決定打を決めきれない中でやがて動きを止めて彼に問いた。
「なぜ反撃しない?貴方にはその余裕があるはずよ?まさか私の発言を聞いた後にも関わらず、まだ攻撃出来ないとか腑抜けたことを吐かすわけ?」
「君の発言を!意志を!叫びを聞いたからこそだ!」
「なによ同情?人間風情が衣服の気持ちも分からないくせに何をぬけぬけと!」
「分からないさ!でも…分からないから分かろうと…分かりたいと思うんだろ?」
彼は気持ちを言葉として『Invidiosa』にぶつける。この意見が実はカタリーナが言っていたことに近いことを、そしてこの考えが銀子の心をも揺さぶっていることを彼は知らない。
ジルベールはボロボロの体で外出時に持ってきた鞄を開き、そこから裁縫道具と幾つかの布を取り出す。
「君は人間に価値を奪われたと言った、でもそれって『Invidiosa』さん、君は人間と衣服の仲が良かったあの頃に戻りたいって思ってるってことじゃないのかい!」
そして彼は立ち上がる。
「黙れ!」
「黙らないよ!だって君は一番分かっているはずだから!」
「黙れっ!黙れっ!」
『Invidiosa』は頭痛でも発症しているように頭を抑える。
「人間と衣服がいがみ合っているこの状態が如何に無意味かってことをっ!」
彼女は頭をブンブン振って耳に両手で蓋をして聞かないようにする。
そして不可抗力に滝のように泪をこぼしていた。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」
ジルベールは右手に針を左手に布を持ち、今ある力を振り絞って『Invidiosa』に突進した。
瞬間、ドレスコーディネーターの匠の腕が光る。
「面白いものを縫ってしまった」
気分はどこぞの刀武士のようにいつの間にか『Invidiosa』の後ろに回っていた。
「えっ?こっ…これは?」彼女は改めて自分の姿を見直し驚愕する。
「思うに…、裸とは最もエロスを感じさせない状態である。そこに衣服が介しているからこそ、羞恥心が生まれ出でるのである」
「!?」
『Invidiosa』は振り返る。
そこには悟ったような顔で腕を組んでいる〇〇〇の姿があった。
「パンチラが然り、ブラチラが然り、裸ワイシャツが然り、裸エプロンが然り、ノーパンミニスカが然り、ノーブラ体操着が然りぃぃっ!!」
「(シャルル…、なんかあいつ良いこと言ってそうな風で変なこと言ってるわよ)」
「(アニエスさん、それは言ってはイケナイことです)」
ジルベール達から少し離れた所でアニエスがシャルルに耳打ちした。
「オレはビキニも然りだと思うぜ」
ジルベールは少年のようにニコニコと満面な笑みを浮かべる。
言っていることは助兵衛オヤジの発言にも関わらずだ。
「…お前、っふふ…変な奴だが、良い奴だな」
『Invidiosa』は呆れきってしまって、けれども久々に率直な笑顔で笑った。
彼女のビキニにはオプションがついていた。パレオのように、しかしその域は飾り程度に。その効果はより人間の女性の肢体美を引き立てる。更にベースはビキニにも関わらず、そこには王公貴族のような眩しい銀髪を淡く輝らせる品の高さのオーブを纏っていた。まさに『ビキニドレス。』と言えるだろう。
「で?これはなんのつもり?賄賂?」
『Invidiosa』が意地悪く言う。
「違うよ、そんな気持ちがあるならこんなものは作れないし。ただのドレス職人のサガさ」
「ふふふっ貴方って本当に面白いわ。はぁ…私の負けよ。貴方を手伝うわ」
「本当か!」
「えぇっ、かっ……ぐふっ」
ジルベールが喜び『Invidiosa』がゆっくりと言葉を紡ごうとしたところに一つの爆音がする。そして『Invidiosa』の体の一部が消え去り、人間の体は後ろへ吹き飛ぶ。『Invidiosa』の体が欠けて人間の左胸が露になり紅い蕾が顔を出す。
「なんだ?おいっ!『Invidiosa』!しっかりしろ!」
数秒間、茫然自失としていたジルベールは我に帰り彼女のもとに駆け寄る。
「これは…AMD!? くっ、どうやら『楽園再生』の手先のようですよジルベール君!おそらく、これは『脱がし屋』の対戦車ライフル、シモノフPTRS1941! どうやら奴らは遠筒部隊をこちらにけしかけてきたようだぞ!一度逃げるんだ!」
「ダメだ!『Invidiosa』を見捨てろというのか!」
ジルベールは叫ぶ。
彼女は体に大きくダメージを負っており立つことは出来なかった。
しかし担いで運んでいたらいい標的である。
「全滅しますよ?」
「オレはオレが繕った仲間を絶対に見捨てねえ!こいつの盾になる」
「やめろ!やめるんだジルベール君! たとえAMDでも今の君の体に一発でも弾が当たれば耐えられるわけがない!」
パーンッ!
遠方から伝わる銃声。
「ぐっ…あっ?」
目を閉じたジルベールだったがどこにも痛みを感じない。
「アニ…エス?」
そして気付く、胸の包帯を溶かしながら笑顔でゆっくりと沈んでいく彼女の姿に。彼女は負傷しているジルベールを庇ったのである。
「ああ、俺は久々に怒ったぞ? 本当はあまりこんな姿を見せたくなかったがな」
「シャルル?」
いつもよりも数オクターブ低いトーンで話す彼は自分の転がしてきた旅行バックから見慣れないものを出して瞬く間に組み立てる。
「モシン・ナガンM1891/30!?」
それは二挺の古みを帯びた銃だった。彼はアンティークマニアなのか100年以上昔の武器を使っていた。とはいえこの銃はなかなか有名で『ライフル銃』として知られているが、実際はボルトアクション方式の小銃である。だとしても二挺持ちはなかなか酷であるはずなのだが、それにも関わらずシャルルはハンドガンでも扱うような手軽さで左右に持ち、VPスコープも見ずしてしなやかに引き金を何度も引く。
たいして時間もかからなかった。スターリングラードで有名なヴァシリ・グリゴーリエヴィチ・ザイツェフも驚きのテクニックである。だからジルベールはシャルルに貸してもらった双眼鏡を覗いて、とあるビルの屋上の寝そべ渡る何人ものスナイパーを見るまで事態を把握出来なかった。警察の駆け引きといい何でもこなす我が友は何者なのだろうかとジルベールは疑問せずにいられなかった。
「それにしてもアニエス、無事で良かったよ。はい、包帯」
「ありがとう。ふふっ、私は体が丈夫なのよ」
そんなシャルルは今、アニエスの胸当てを直してあげていた。彼女は無傷だった。立っていられなくなったのは弾の衝撃に足がふらついたからだった。
それを見たジルベールは腕を組みうんうんと頷きながら尊敬の念を持ってアニエスに言う。
「さすがはアニエス、胸に洗濯板を忍ばせておいたから致命傷にならなかったん…ぐはっ!」
「誰の胸が洗濯板よ!」
アニエスの怒りの声と共に放たれた蹴りで、余計なことを言ったジルベールはは地面に沈んでいく。
「そういえばイニシエの書で『貧乳は最強の武器』という記述をみたことがはっ!?」
「そんな青少年の健全育成を阻害しそうな魔道書は絶版な上に焚書よ!」
シャルルも以下略。
「あー、助けてくれて本当にありがとうな、ジルベール」
「いっ…いいってことよ」
あの後、なんとか『Invidiosa』を修復したのである。
「いい? 聞いてジルベール。明日8月4日は『Ggénie』様の七回忌で格の高い人達も皆がパリのルーブル美術館に集合するの。だからそこに行けば姫様に会えるわ。中には私が手解きする」
「それなら円筒部隊が乗ってきていると思う輸送車を使おう。『楽園再生』の目も誤魔化せるし足にもなって一石二鳥だ」
シャルルが提案する。
早速彼らは行動を開始した。
【あとがき】
物語も半分くらいになってきました。んー、10話くらいで完成しようと思うとシナリオの展開が早すぎてついていけないね。それにいちいちヨーロッパの地理を調べなきゃならないのはキツイ。
そして、気付いてきた人もいるかもしれませんが『幸服な世界』の構成メンバーとしての衣服の範囲に帽子や下着やサングラスの類いは該当しません。あれはネックレスや時計のように装身具の部類に入ります。これはあくまでもこの小説内での話で一般的にはよく分かりません。
というか、ビキニはありなのに下着は無しというのはどうなの?って疑問もあるかと思いますが、海に行くのに水着代わりに下着にするなんて子供以外ではかなり珍しいと思いますよ。あと、小説の中では出てきませんでしたが、鎧や宇宙服も衣服という分野には入りません(しつこいようですが、この小説ではです)。これは装身具という意味ではなくあれらは衣服を着た上に着る場合が多いので、定義としては「衣服にとっての衣服」となるのです。ただ…若干ネタバレですがこの後にウィンドブレイカーだとか上記の定義に当てはまりそうなのに衣服として扱われているものが出てくるのですけど、…すんません。考えが及びませんでした。
では、明日、8月4日に会いましょう。
ちゃんと19時更新できてるのは自分でも予想外。