第2話 鈴の覚醒
「謙吾の話と鈴の話、そして俺達の話。めちゃ一致してねぇか?」
「私達、前世で何かやり忘れたからこうして夢に見るんじゃない?だから…前世の魂に会えば良いんだよ!」
「鈴、そうは言うけどそう簡単には魂には会えないぜ?どうするんだ?」
「馨は痛いとこ突くね…でも、私が言い出したのには理由があるんだ。」
「理由?」
「この文献の中にこの街の伝承を記した物があって、そこには魂に会える呪文も載ってたのを覚えてるの。だからみんなで探してもらおうと思ってこっちの私の部屋に集まってもらったのよ。」
「そういう事か。わかった、それらしい文献をみんなで手分けして探そうぜ。」
「そうだな…」
鈴・謙吾・馨・真希は鈴の狭い部屋に山積みにされた文献をあさり、鈴の言う文献を探した。しかし、鈴の部屋には数百の文献が積まれていて何処に何が積まれてるのか鈴本人も正確な場所はわからないのである。数時間かけて鈴が言っていた、伝承についてまとめられた文献を探しだした。
「良かった、ここにあったんだ…」
「これに魂に会えるって呪文が載ってるのか?」
「そうだよ。古代語だから私が唱えるね。」
『天使の魂を宿し者よ…』
ファ…
鈴の体のまわりから突然風が吹き出した。
『前世で何かやり忘れたから者よ。現代に蘇り前世でのやり残しを晴らせ。覚醒』
鈴達の足元には古代語で書かれた魔法陣が現れていた。その魔法陣は光を放ち、鈴達を包みこんでいった。
【鈴…話を聞いて?】
「貴方は誰…私に良く似てるわ…」
【私は前世の貴方、時間が無いから手短に話すわね。私は人間達の成長を見守ってきたの。人間達の平和の象徴となっていた天使なの。でも突然、悪魔が現れてね人間を管理する権利を奪い合いになり闘いになったの。でも悪魔が強くて封印するのがやっとだったの…しかし今、悪魔の封印は解けつつあるの。だから貴方達には悪魔と闘ってもらいたいの。】
「わかったわ。」
【物わかりの早い子ね…】
鈴は素直に魂を受け入れた。これから始まる闘いの日々を想像もせずに…