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居場所
期末テストが終わってから、
学校の時間は、勝手に進んでいった。
気づけば、
文化祭と体育祭の準備が始まっていた。
出し物を決める話し合いも、
走る順番を決める時間も、
自分はただ、そこにいただけだった。
特別なことは、何も起きなかった。
けれど、
気づけば、蔵岡と硯川の近くにいる時間が増えていた。
二人と一緒にいるときだけ、
スマホを見なくて済んだ。
硯川は、ゲームの話をしていて、
蔵岡は、誰かと笑っていた。
それを、少し後ろから眺めていた。
文化祭当日。
教室の中は、人で溢れていた。
廊下から、
楽しそうな声が聞こえてくる。
自分は、その輪には入らなかった。
けれど、横には硯川がいて、
少し離れたところに蔵岡がいた。
それで、十分だった。
文化祭が終わると、
すぐに体育祭の準備が始まった。
体育祭の日。
名前が呼ばれて、
割り当てられたレーンに立つ。
走って、
終わった。
誰かに期待されることもなく、
順位を惜しまれることもなかった。
戻ると、
蔵岡は騒いでいて、
硯川は木陰で空を見ていた。
自分は、その少し後ろに立った。
文化祭のときと、
あまり変わらない光景だった。
その場所に、
自分は立っていられた。




